月別アーカイブ / 2019年08月
おはようございます
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真梨幸子氏の著書
「クロク、ヌレ!」
死んでしまった直後の小説家が、語りべとなり物語が進んでいきます。
2人の芸術家の死を巡って、人生をかけて奔走する女たちの駆け引き。
真梨幸子にしては、割りとあっさりした内容かな?と思いました。

事務職員の彰子は父を亡くし、母と二人暮らし。父が亡くなった後から母は狂ったように、父の兄 彰夫の作品を集めて回るようになった。
彰夫は、自称画家で仕事もせず、日本中を巡っては絵を描いていた。そんな彰夫の生活を支えていたのは父。近況を知らせてくれる手紙の最後にはいつも金銭の要求が添えられていた。そのせいで、母は彰夫の事をひどく嫌っていた。
彰夫は猟銃自殺し、ほどなくして父は電車事故で亡くなった。
あんなに嫌っていた彰夫の遺作を、なぜ母は血眼になって探すのか?
有名小説家 ジョー・コモリが自宅のプールで死んだ。車イスごとプールに転落したジョー・コモリ。事故?他殺?
ある日、ジョー・コモリと 画家の岩下彰夫が旧友で、しかもコモリが彰夫を殺害したのではないか?と言う疑惑が持ち上がった。
広告プランナーの ミチルと広告代理店の 貴代美は、かつての確執を休戦し、二人の死の真相を探り始める。
芸術家二人の死をめぐる、女たちの思惑とは?
二人の死の真相とは?

女達の社会的地位と立場。本音と夢。
時代とともに変化する女の立場や、職場での水面下の争いも描かれていて、にやっ
としちゃいます。

結局すべてを振り回してるのは、女なのかも?
ジョー・コモリが語るなかでのつぶやきで気に入ったのがひとつ。
「世界の九十パーセントは秘密でできている。それでいいじゃないか。」
人にはいろんな秘密があって、家族にも知られたくないことがある。それをわざわざ暴こうとすることに、意味があるのか?
「それでいいじゃないか。」ってひと言で言うところにぐっと掴まれました

おもしろくて、分かりやすいのですぐ読めますよ。