みなさんこんにちは。

放置プレイ甚だしいブログを久しぶりに更新しようと思います。

なぜなら!今日は!発売日だから!

新曲と新作小説を同時に放ちます。

どちらも、私自身にとって非常に印象深い作品となったので制作裏話など書いておきたいなと。

まずは新曲「砂の城」

2月24日に控えている人見記念講堂でのワンマンのために書き下ろした曲です。

ライブ演出の輪郭が見えてきたあたりで、この曲もヌッと姿をあらわしました。

一夜限りのライブだから特別な歌がうたいたいと思いました。

砂の城という名前をつけたこの曲が、一番輝くのは2月24日のステージの上です。

そのために産まれてきたんだから。

当日を迎えるまでは、それぞれのお腹の中で温めておいて下さい。

この曲はとても繊細で脆いのです。


曲の制作は相変わらずとても楽しいものでした。

生者と死者の真ん中で歌いたいと思っていた私が選んだ楽器はボコーダーでした。

鍵盤につないで弾きながら歌うと自分の声を和音にして出すことができます。

分裂した私の声は恐ろしいような切ないような不思議な音色で、生死混声合唱団となりました。

そして和音の構成音をひとつひとつ確認してふさわしいところに配置してゆく作業は、「作曲」というより「教会壁画の修復作業」みたいな感覚でした。

いつも曲作りは割とダイナミックにやる方なんですが、今回ばかりは雑音のない部屋に閉じこもってしこしこと内職のように作業しました。幸せだった。

曲の内容というか、私が何を歌いたかったかというのは聴けば分かってもらえると思うのではしょります。私はあなた達の感性をとても信用しているので。


小説「鉄塔おじさん」

3作目の小説です。今回も立派な単行本として刊行していただきありがたい。

「鉄塔おじさん」が今までの小説と違っているところは長編だということです。

2017年10月の半ばに書き始めたのですが、来る日も来る日も頭の中のおじさんを見つめ続け、おじさんと対話し、おじさんに翻弄され、おじさんを愛し、おじさんを泣かせ、おじさんに甘え、おじさんに学んだ日々でした。

この話を思い付いたのは2017年の4月で、全体的なプロットはその時完成していたのですが、音楽活動への復帰などがあったのですぐに執筆には取りかからずしばらく寝かせていたのです。

寝かせている間にも少しずつ取材は進めたりしていたので、実際に筆をとった時には濃厚なおじさん像が出現していました。

〜鉄塔おじさんのあらすじ〜

主人公である「神崎あたり」は町役場に勤める新人職員。毎日窓口にやってくるクレーマーや、お局様の陰湿な新人イビりに耐えながら、ストレスフルな日々にうんざりしていた。
変化を求めて先輩職員と寝てみたりもしたが、事態はますますややこしくなるばかり。
そんな中、あたりは町一番の奇人と噂される「松本」という男と出会う。
広大な自宅の庭に謎の鉄塔を作り続けている松本と、人生をこじらせている神崎あたり。
おじさんとのヘンテコな共同生活はあたりに答えをくれるのか。
〜彼女は飛び込む!おじさんの創るハッピーな世界へ!〜

執筆期間中は机に齧りついていて、1日に50歩もあるかない日が続いたので脚の筋肉がみるみる衰えて恐ろしく感じたのを覚えています。

長編作家に必要な資質のひとつは「一日に八時間机に向かう体力」という話を聞きましたが、確かにな、と納得。

軟弱な我が身を嘆いて、原稿を提出した途端にジムに行き自転車を漕ぎまくったのも良い思い出です。

「鉄塔おじさん」は人生の代謝をテーマにして書きました。なので、何かを捨てたい人や、新しいものを受け入れようとしている人には是非読んで頂きたいです。人生はすてるひろうの繰り返しだから。


とにかく今日、こうして音楽と文学2つの作品を同時に発表できることを嬉しく思います。

自分が何者であるかを記録するような、私自身にとっても大切な作品達です。

どうぞよろしくお願いします。

追伸:「鉄塔おじさん」を書くにあたって、おじさんという生き物にすっかり魅了されてしまった私ですが、そのせいか近頃、不思議なおじさんに遭遇する確立が高い気がします。
この一週間だけでも「ワンワンと犬の鳴き真似をしながら付いて来るおじさん」と「自転車を止めて道のまんなかで寝ているおじさん」に出会いました。おじさんと共に私もスパイシーな人生を謳歌していきたいと思います。

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