月別アーカイブ / 2016年04月
「時」を待って
降り続けていた雪も徐々に小降りになり、好天周期の兆しが見えてきました。
今いるベースキャンプ(標高4100m)から、通称「ABC」と呼ぶアドバンス・ベースキャンプ(5500m)に移動した後、そこから単独で南壁に向かいます。
ここからABCまでは8キロほどあり、今の問題は氷河の状態が非常に悪いことです。
氷河の末端が標高4000m近くで、エベレストの氷河よりも1000m程低いため、気温が高くその分崩れやすい。
そこは慎重に考えながら行きます。
今の体調は良く、最近お腹いっぱいご飯を食べています。
アタックが始まれば、少ない行動食だけで数日間、動き続けます。
身体が本能的に出発の時を感じているのかもしれません。
時々遊びに来てくれる犬と戯れながら南壁を眺め、静かにその「時」を待っています。
天候が安定し始めたら、出発です。
こちらはいつでも出発できるように準備しています。



ふんばろう。
ベースキャンプは雪が降り続いています。
朝は晴れていてもジェットストリームによる強力な風が稜線にあたり、巨大な雪煙が渦巻いてます。
人間がこの厳しい自然をコントロールすることは不可能で、共に生きるしかありません。でも、その厳しい自然があるからこそ人はまた自然や人に優しくなり、助け合いや感謝の気持ちが生まれるのだと思います。
とても厳しいですけど。
今日でネパール大震災から1年が経ちました。
あの震災以降、現地支援を行いながら「ふんばろうネパール」を立ち上げて6ヶ所の村の支援と、今は2校の学校建設を進めています。
支援してくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
そして今、熊本の被災地支援のために、ふんばろうネパールを共に立ち上げてくださった西條剛央先生とスマートサバイバーのチームの皆さんが、被災地のニーズに合わせた支援プロジェクトを立ち上げました。
僕も微力ながら支援させて頂きました。
ぜひ、皆さんご支援をよろしくお願い致します。
しばらく天候の様子を伺い、好天の周期にアンナプルナ南壁に向かいます。
僕も僕なりにできることを頑張ります。
僕も僕なりにできることを頑張ります。


