月別アーカイブ / 2016年03月


秋季エベレストに向けて4月10日にアンナプルナ南8091mに出発します。

今、事務局で食料や装備など様々な準備をしています。

山は山で頑張りますが、そろそろもう一つ登り続けてきた山の話をしたいと思います。

それが冒険の共有(エベレスト生中継登山)です。

毎回、この「冒険の共有」をやると決めてから誰も想像できないぐらいのハードな壁が待っています。

そもそも生中継と登山はまさに水と油です。

なぜ栗城は生中継をやり続けるのか議論があったり、直接なぜ?と聞かれたことがあります。

「お金のため?」「寂しいからみんなと繋がりたい?」と思っている人もいるようですが、どれも違います。

そもそも生中継をやっても個人の収入にはならないし、過去に2度資金が足りなくて借金もしました。 お金だけを目的にしたら絶対にやらない方が精神的にも生活的にも楽です。

寂しいから?と聞かれたことがありますが、欠乏感は無いですし、誰かに認められたくてやるわけでもありません。

山を登ると大切な感覚を持ちます。それは「生死感」です。誰もが訪れる死が非常に近くなることがあります。すると生きることに真摯に向き合う力が出てきて、自分の人生において何が大切なのか優先順位がはっきりとします。

そこにはお金や名誉などない世界です。

なぜ生中継冒険の共有をやり続けるのか。

それは「否定という壁を無くしたい」それだけです。

何故そう思ったかというと、僕は普段企業や学校で年間80講演をしながら昔から感じることがありました。

ある時、講演最後に子供達に皆さんの夢は何ですか?と聞きました。すると僕はこの学校に行き、あれがしたいこれをやってみたいと言う生徒いたのですが、講演が終わりその子と廊下で合うと先生から「お前は無理。無理だよ」と言われている姿を見たのです。

その姿を見た時に自分の否定という壁を思い出しました。大学3年の時に一人で北米マッキンリー6194mに向かう時に大学の先生や色々な人から無理だよ言われて馬鹿にされていました。

空港を出発する直前に父から「信じてるよ」と言われ、その言葉に救われて一歩踏み出すことができ、今の自分がいます。

そして、否定という壁は今もたくさんあります。

学校だけではなく企業でもあります。

生中継を始める転機になったのが2007年のチョ・オユー8201mの映像配信をたまたま日本テレビさんと一緒にやる時でした。チョ・オユーは山頂近くで濃い霧に囲まれて下山することになりました。

ベースキャンプに下山し、企画は終了する予定でした。

その時に僕のサイトに「お前は登れない」と否定的な投稿がありました。

ボロボロでしたが、僕は再び出発し、チョ・オユーを登りました。

そして、下山後に初めて目にした言葉がありました。それが「ありがとう」でした。

この言葉は「お前は登れない」と書いた同じ人だったのです。

恐らく栗城の挑戦と自分を重ねて見ていたのかもしれません。

栗城だけが山を登っているのではない。人は誰もが見えない山を登っている。

その山を否定するのではなく、応援したり、信じ合うことで見えない山を登ろうとする人達の支えになりたい。

そう想い生中継「冒険の共有」を続けてきました。

生中継は、ただ登るところや山頂につく瞬間を共有するのではありません。

実は「失敗と困難」の共有がメインです。何故なら本当の挑戦は失敗と挫折の連続だからです。計画通りに成功してもそれは計画通りにうまくいった。

それはそれで素晴らしいですが、本当のチャレンジは失敗と困難の連続です。

けしてカッコイイものじゃない。苦しいけど、そこから学びまた挑戦する。

冒険における失敗も困難も挫折も否定的な言葉も共有することで否定の根源である「失敗することが怖い、困難はなるべく無い方がいい」を見て感じて無くすことができれば、見ている人の「否定いう壁」を少しでも無くせる。

登山家や冒険家は地形や自然における未踏に挑戦しますが、僕の向かう相手は山ではなく、人の「心の壁」でした。

山は山で自分と向き合うものです。

この否定という壁を乗り越えることは自分が一生をかけてやり遂げたいもう一つの山です。

自分でも分かっています。やらない方が楽だと。

でも、やります。

馬鹿だと言われるかも知れませんが、一生をかけて成し遂げたい課題に出会えたことはある意味幸せかもしれません。

これから準備に戻ります。

信じ合い、応援し合える世界に向けて。

20160331
 

隠岐の島、海士町で講演してきました!

初隠岐の島です。昨年のエベレスト生中継のクラウドファンディングのギフトとして行ってきました。

海も綺麗だけど、なによりも人が最高でした。

隠岐の島海士町は人口2400人ですが、Iターンの若者も多く、人口も増えて廃校寸前の学校が復活したり、内外の人達が持続可能な島作りをしている姿に感動しました。

海士町の凄いところはとにかく壁が無いです。
初めての人も皆さん同級生のように仲が良く、地域の歴史や文化を「今」に合わせ変化しながら守り、とても勉強になりました。

島民の方が言ってました。

「守るために変化する」

「危機感はあっても悲壮感はない」

少子高齢化の日本でチャレンジしている島がありました。

別れ際に紙テープでお見送りしてくれて、あまちゃんみたいでした。

オラ、また帰ってくるー!

ありがとうございました!

0327_01

0327_02

0327_03

0327_04

0327_05
 

昔から山の先輩に言われる言葉があります。

「縁があれば行けるよ」

山は不思議なのは、本人が行きたくても行けない時もあるし、血のにじむような努力をしても天候次第で山頂につけないことも沢山ある。

山も人と同じく「ご縁」があるかどうか。

やれること精一杯やっていきます!

アンナプルナ南壁(左リッジからの登攀)に向けて

身体も心も完璧な状態に仕上げて行きます。

最近、37.7度の風邪を引きましたが、6200mにしていいトレーニングができました。
 
20160322-01

20160322-02

20160322-03

↑このページのトップへ