4月9日から、アンナプルナ南壁(8091m)に向かいます。

いよいよ秋季エベレスト(中国側)に向けて、動き始めます。昨年は秋の厳しい風で8150m地点で下山をしましたが、まだ登山は終わっていません。

日本に帰国後、頂に続く一本の細い糸が切れないように、集中力を保ちトレーニングを続けてきました。

秋季エベレストは厳しい山ですが、一つ成果を持ち帰ってきました。

それが「Rhythm(リズム)」です。

このリズムを確かなものするために、来月からアンナプルナ南壁(左中央のリッジから登るルート)に向かいます。

秋季エベレストに向かい続けて見えてきた課題は、タイミングでした。

秋は、春とは違いジェットストリームと呼ばれる烈風が吹きます。そして、爆弾のような大雪。。

今まで秋にトライをする登山隊が春に比べて登頂率が桁違いに低く、誰も行こうとしないのはこの風と雪でした。

天気予報から逆算して、風の弱くなる日を見て向かいます。

しかし、ベースを出発してから山頂に向かうまでに天気はコロッと変わったり、地形によっては強力な吹きさらしなどタイミングを合わせるのが難しいです。

タイミングを逃してしまうと次のタイミングまでかなり時間がかかり、そしてあっという間に冬になります。

それが秋季エベレストです。

その課題を克服し、チャンスをできるだけ逃さないために現地での高所順応時間を短くし、スピードを上げるために荷物もできるだけ軽量化します。

そのために日本で低酸素トレーニングやバランス感覚を上げてロスしない身体を作り、呼吸法や食事制限、メンタルまで体系的に作り上げてきました。

それを僕は「リズム」と呼んでいます。

登山中に感情の起伏があるだけで酸素の消費量が上がりますが、リズムは起伏する感情の中で一本線を引き、静寂と呼吸を乱れないようにしていきます。

そして低酸素の世界で、できるだけ酸素やカロリーの消費量を抑えていきます。

車で例えれば、究極のエコカーです。

昨年のエベレストは8150m地点で下山しましたが、2度にわたるアタック。
そして1日カップラーメン一個分の食料で一週間動き続けられたこと。充分、リズムの手応えがありました。

このリズムをアンナプルナ南壁で完璧に仕上げて、秋のエベレストに向かいます。

アンナプルナ南壁は、とても美しい山です。

ベースキャンプから山頂までは標高差4000m近くありますが、前回挑戦した北側のアンナプルナに比べると、雪崩が少なく短期間に長時間行動で登るには適しています。

この山は滞在期間が長いほど、落石や雪崩など逆にリスクが高くなります。

アンナプルナ南壁は、野心で登るわけではありません。

また、記録でもありません。

ただ静かに確実に生きて登り、生きて帰る登山がしたいです。

そして、エベレストに繋げます。

今回はベースキャンプから望遠レンズによる冒険の共有もやります。
(ベースカメラマン1名、現地カメラアシスタント2名、コック1名の少人数で頑張ります。)


いよいよ始まります!

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標高6000mの低酸素室にて。
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