月曜日の朝10時。
私とパパは、K総合病院の産婦人科の待合室にいた。
パパは、いつも通りブラックジョークを交えたたわいのない話をして、
私はいつも通りクスクス笑っていた。


パパのおかげで、あまり深刻にならずに診察室に入れた。
こういうパパの優しさ好きだなぁって
あらためて思った。


先生は、私達の顔を見て挨拶をし、
すかさず
「ご主人様ですか?」
と聞いてきた。
パパは静かに「はい」と答えた。



先生が深呼吸したように見えた。
そして、緊張した面持ちで、言葉を一つ一つ丁寧に選びながらゆっくりと話し始めた。
私達の気持ちに語りかけるような、優しさを感じる語りかただった。



「先週の金曜日にお母さんが診察に来られた時は、逆子でってことしか聞かされてなかったもので、最初にこのように話をせずにすぐ診察させてもらったのですが、
今からお話させてもらうことは、本来ならば、金曜日の診察前にお伝えすべきことだったんですね。
出産直前に、何の心構えもなく突然、赤ちゃんの疾患を伝えられたお母さんのお気持ちは、耐え難いものがあったと思います。
私がきちんと、前もって、疾患が見つかる可能性があることをお話しておらず申し訳ありませんでした。
今からあらためて、お話させて頂きます。

金曜日の診察で、赤ちゃんの心臓にわりと大きな穴が空いてるのがわかったので、今日は小児科の先生も一緒に詳しく赤ちゃんの状態を診せてもらおうと思ってます。
産まれるまでの担当が私で、産まれた後の赤ちゃんの担当が小児科になるので、今日は小児科の先生を呼んでいます。

えー、
診察をするとですね、一つだけではなく、いくつかの疾患が見つかる場合もあります。
その場合は、赤ちゃんにある疾患は全てお伝えさせてもらっても大丈夫ですか?」



私とパパは顔を見合わせる訳でもなく、一緒に
「はい」
と答えた。

わざわざそんな話をするってことは、心臓に穴が空いてるだけじゃないんだろうか…
私は不安になった。
パパは今何を思ってるんだろう。
私は、お腹に当てた手に力が入る。
おーくん、大丈夫?
おーくん。大丈夫だよね?



先生はまたゆっくりと続けた。
「わかりました。
産まれてからしか詳しく確認できないこともありますが、今は、エコー検査でかなりのことがわかります。
小児科の先生と診た後、病名等の説明をさせてもらいます。

えーと、
 お母さん、逆子体操はされましたか?
どうですか?
ひっくり返ったって感じはありますか?」



私は「ひっくり返ったような気がします。」
と答えた。
この妊娠でおーくんが逆子になったのは2回目。
りんちゃん妊娠中も逆子になって、出産直前でひっくり返ったし
この件に関しては慣れたものだ。



「では、早速診てみましょう。
診察台にお願いします。」



私は、診察台に上がり、下着をめくりあげて、はち切れそうな大きなお腹を出した。
間もなくすぐに小児科の先生も入ってきて、挨拶してくれた。


「そうですね。ひっくり返ってます。良かった。
逆子体操は今日からしないで下さいね。」


そうでしょ…私は心の中で呟いた。
すでに、ひっくり返ったと感じた昨日から逆子体操は止めていたけど、「はい」とだけ答えた。
おーくんのことなら何でも感じられる自信があった。
なんというか…りんちゃんの時よりも強いおーくんとの絆のようなものをすでに感じていた。


おーくんは、
生きるために、無事に産まれるために、
自分の病気を知らせるために、逆子になってくれたんだね。
おーくんは、生まれる気満々なんだよね。
おーくんは、生きる気満々なんだよね。


私は、おーくんには特別な力があるように感じていた。




産婦人科の先生と小児科の先生が、エコーに写るおーくんを見ながら真剣に話をしている。
まるで医療現場ドラマのワンシーンのようだ。
物凄い緊張感と不安の中、
わーっ!ドクターって感じ!カッコいい!…なんて思っている自分にびっくりする。
私ってこういうとこあるよな。
やけに冷静というか、自分のことでも客観的に見すぎるというか、真剣味に欠けるというか…
…自分でもいまだに自分のことがよくわからなくなる。



「幸い、食道は繋がってるようです…胃がはっきりとは見えないんですけど…」

「今の部分もう1回角度を変えて見せてもらっていいですか。」

「ヘルニアもないようですね。」

「あー、これですね。なるほど。全ての角度からお願いします。」


…産婦人科の先生がモニターを操作しながら、小児科の先生とあーだこーだと診察を進めている。
先生達の間では、おーくんの病気はある程度目星がついているようだった。
時々、ハッハッと笑いも交えていたので、私はなんとなく安心した。
きっとひどい病気ではないんだ…って気がした。



小児科の先生が病名について話し込もうとした時、すかさず産婦人科の先生が話を遮った。
「先生、詳しい話は裏でしましょう。」



産婦人科の先生は私達の方に向き直すと
「お母さんとお父さんは、しばらく中待合室でお待ち下さい。
病名について話がまとまったらまたお呼びして、ご説明します。」
と穏やかな口調で言った。


私とパパは診察室を出て顔を見合わせた。
お互いに、ホッとしたような表情をしていた。


「なんか色々悪くはなさそうな話し方やったね。」
パパが言った。

「私も思った。先生達笑ってたしね。でも、心臓以外のとこもけっこう見てたよね。
疾患が色々見つかることもあるとか言われたし…何か他にあるんかな」



パパと話をしながら5分ほど待ったところで、また診察室に呼ばれた。
私達が座ると、先生はゆっくりと話し始めた。
その内容は、私とパパの想像を遥かに越えていた。
私の心の堤防はまるでそこにないかのように見事に破壊されて、次から次に襲ってくる大きすぎる荒波に完全に飲み込まれた。
止まらない涙と鼻水でマスクの中はグシャグシャになった。
でもそんなことどうでもいいくらいに、
私はまさに「地獄」のどん底に突き落とされた。


つづく。
笑顔!!
STA!!
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みなさんお久しぶりですーっ
前回の更新から4ヶ月もあいてしまった
!!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚
いやーっもう本当に怒濤の日々でですね…笑
年末におーくんが退院して、呼吸器やら酸素の機械やら色々家に持ち込んで、在宅医療でのおーくんとの日々が始まって…
やーっとやっと、家族4人がいつも一緒に過ごせるようになりました😆💕
りんちゃんはもーっおーくんにメロメロで、3分に1回くらいチューしてます🤣💕
おーくんのプルプルほっぺに出来物できてきたくらい😱笑

2月にりんちゃんが6歳になって😆🎂🎉
この前、幼稚園を卒園して😭✨🎉
1日中りんちゃんとおーくんをみるというスーパー忙しい日々に心身ともに悲鳴をあげてきてたので💦💦💦
あえて、気持ちをリセットするためにブログしてみましたっ😆✨
今回の記事の時期から出産して1ヶ月過ぎるくらいまでかな…私にとっては本当に本当に生きてることもきつかった時で、
その時のことを思い出していたら、予想通り!今おーくんが元気に生きていて、家でみんなで一緒に過ごせている幸せをあらためて感じることができて、
なんでこんな大変な思いをしないといけないんだー😭😭😭って荒れてた心がすーっと落ち着きました😊💓

こうして気持ちを落ち着かせられるLINE BLOGという居場所があるのは、読んでくれる皆さんのおかげで…
数ヶ月に1回なんてペースになってしまったけど💦それでも忘れないで読んでくれるみなさん本当にありがとうございます😭💓✨
いつも心から感謝しています😭💓✨

りんちゃんの誕生日のことや卒園式のこともブログに残しておきたいので、今度はりんちゃんブログをひょっこり更新するかもです😁💕
立派なお姉さんになりましたよっ😆✨
家では相変わらずお笑い系ですけどっ🤣

ではでは、
コロナとか色々ありますけど、
今日も今の自分の幸せを噛みしめながら、楽しんで笑ってがんばりまーす( ≧∀≦)ノ
みなさんも、今のかけがえのない幸せ、しっかり噛みしめてくださいね😆💓✨

ではまた〜( ≧∀≦)ノ❤️
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その日の夜、
ぐっすり眠っているりんちゃんの隣で
私はかなり長い時間ずっと携帯を見ていた。


「心臓に穴 胎児」
で検索した結果を延々と読み続けていた。

🖥️

うまれつきの心臓の病気(先天性心疾患)をもっていることがあって、先天性心疾患は、赤ちゃんのうまれつきの病気の中で一番多く、治療しなくてもよい軽いものを含めると100人に1人の割合で起こると言われています。



100人に1人…そうなんだ。

そんなに珍しいことでもないんだ。

そんなにいるんだ。

私は少し肩の力が抜けた。

私の周りでは、心疾患を持って産まれた赤ちゃんの話は1度も聞いたことがなかったけど…


あ、そうだ。

思い出してしまった。

そういえば、パパの会社の先輩のお孫さんが、心臓の病気で生後2週間くらいで亡くなったって言ってた…



心がまた苦しくなってきた。

何を読んでも安心できるわけじゃないけど、とりつかれたように読み続ける。



🖥️

 生まれてすぐに治療しないと命にかかわる重大なものは、妊娠中の超音波検査(エコー)で発見できるようになってきましたが、すべての心臓病が妊娠中に発見できるわけではありません。




はぁ。
ため息が出る。
そう。
先生は「軽くはない」ってはっきり言った。
おーくんの疾患は、妊娠中にわかってしまうほど、重大なものなのか…
治療しなくていい軽いものではないんだ。
きっと。
命に関わる重大な病気なの?
いや、でも、もしかしたら、
ちゃんと検査してみたら、思ってたより軽めだったってこともあるかもしれない。
まだはっきりわからないうちから、悪い方に考えて落ち込んだってしょうがない。


大丈夫!って思ってれば大丈夫になる!
私がいつも自分に言い聞かせてること。
そして、本当にどんなことも、
自分の気持ちで「大丈夫」にしてきたこれまでの深い経験が私にはたくさんある。
私は負けない。
絶対、自分が望む未来を創りだす。
私は心にぐっと力を入れた。


そして、
携帯を握りしめたまま、
いつの間にか寝てしまっていた。




次の日、
お母さんがりんちゃんと遊んでくれている間に、
いつ入院になってもいいように
K総合病院に入院するための準備を済ませて
私が入院中に、パパの実家に持っていくりんちゃんグッズのリストをせっせと作った。


泣いたり落ち込んだりすることなく
ただ、たんたんと、
出産のための準備をした。


もうすでに入院のためのバッグに入れていた、退院の時におーくんに着せる服やおくるみを手にとった。
胸が痛い。



私と一緒に退院するのは無理なのかな。
じゃ、これ、持っていかなくていいのかな。



これがいらなくなるなんてことないよね…






泣きそうになった。



私は慌てて心に力を入れて
お腹をなでながらおーくんに言った。


帰るのがちょっとくらい遅くなったっていいから、
絶対絶対、家に帰って来て、この服着ようね…
ママ、おーくんのために色々いっぱい用意してるんだよ。
りんちゃんが使ってた赤ちゃんのオモチャもちゃんと消毒して綺麗にして、いつでもおーくんが遊べるように用意してるよ、
オムツだっていっぱい買い込んであるよ、
おーくん、絶対産まれてきて、この家に帰ってこようね。



私は、一旦バッグから出したおーくんの服を、綺麗にたたみ直してまた中に戻した。
祈るようにぎゅっと押し込んだ。
おーくんのことを諦めたと神様に勘違いされないように。





15時50分。
あっという間に、お母さんを駅に送る時間になった。
小さな駅のロータリーに、いつも通り車を停めた。
後部座席から降りたお母さんに
窓を全開にしてお礼を言おうとしたら
お母さんが涙目になっていた。
お母さんは私の手を両手でギュッと包んで、今にもこぼれそうな涙を堪えながら、震える声で言った。



「大丈夫よっ」



私の目からはもう涙がこぼれていた。




「明日の検査の結果がわかったら電話してね。明日は夜勤だけん15時までは家にいるけん。」




「わかった」
私はそう一言返事をするのがやっとだった。




お母さんは、窓越しに私を抱きしめた。
「がんばってね」





「うん。ありがとう。」





また普通に運転し家に帰った。
いつも賑やかなりんちゃんが、
この時は何も喋らなかった。
私の頬を静かにこぼれ続ける涙は、夜まで止まらなかった。


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つづく。
笑顔!!
STA!!


「お母さん。
りんちゃん迎えに行ってくれる?
今りんちゃんの顔見たら泣きそう。
先生に赤ちゃんもうすぐですねーっとか言われるし…
今は誰とも話したくないと…」



幼稚園の駐車場に車を停めて、
私はぼーっと幼稚園を眺めながらお母さんにそう言った。
お母さんの顔を見ても泣きそうだったから後部座席を振り向けなかった。



お母さんがりんちゃんを迎えに行ってくれてる間に、パパにLINEした。
パパには、お昼に、
おーくんが逆子になったからK総合病院に行ってくるとだけLINEしてた。
パパは今週は夜勤だから、17時に家を出て仕事に行ってる。
仕事が手につかなくなるといけないから、帰ってきてから直接話したいけど…
月曜日休んでもらわないといけなくなったから、今言うしかない。



「K総合病院で、おーくんの心臓に穴があいてるって言われた。
月曜日に、おーくんの詳しい検査をするからご主人も一緒に来て下さいって言われたから、会社休める?
悲しい報告でごめんね。」



最後の1行を書いてる時に心がズキッとした。
おーくんが産まれるのを楽しみにしてくれているパパやりんちゃんを悲しませたくない。
お義父さんお義母さん…親戚のみんなを悲しませたくない。
友達はなんて言うだろう。
LINEブログで楽しみにしてくれてるブロ友さん達は?…
・・・そんな想いがブワっと込み上げた。
今1番ショックなのは間違いなく私なのに、こんな時まで人の気持ちを考える。
自分がどう思われるかって考える。
そんな自分にウンザリした。



ばーばと手を繋いだりんちゃんが小走りで車に向かってくる。
鼻の奥がツンとして目が熱くなった。
私は心に力を入れ直して、上を向いて目をギュッと瞑った。




泣かないぞ。
泣かないぞ。
考えるな。
感じるな。
笑顔で笑顔で。





私は、車から出てりんちゃんに手をふった。
「りんちゃん遅くなってごめんねー!
心配したろー!?
おーくんがまた逆子になってね、
パパが入院した大きな病院まで行ってきたとよーっ
待ちくたびれたろーっ」



「赤ちゃん産まれたかと思ったー!
お迎えもばーばだしーっ!
ママがいて良かったーっ!」



りんちゃんがギューっと抱きついてくる。
私もしゃがんでりんちゃんを抱きしめた。



「先生が、赤ちゃん産まれたみたい!ママ入院するって!って言ってたもーん!」
ほっとした顔をしてるりんちゃんが言った。



赤ちゃんのことでK総合病院に来てるとは言ったけど…笑
ま、この時期にそう言われれば、普通はそう思うよね。。。




「遅くなったからまずは帰ろう!
帰ってからまたゆっくり話すねっ
りんちゃんも遅くまで疲れたろう?
待っててくれてありがとねー
ばーばがまたりんちゃんにプレゼント持ってきてくれてるよーっ」



「プレゼント見る見るー!」



「家にあるから、帰って着替えたらもらえるよーっ
さ!帰ろ!」




りんちゃんには、一瞬でママの心を通常運転に戻してくれるパワーがある。
子どもって本当にすごい。
子どものママへの愛って本当にすごい。
辛い時、りんちゃんがただそばにいてくれるだけで心が救われる。
いつもはうるさく思えたりするりんちゃんの止まらないお喋りが、
今日は、感じることさえできずにいる悲しみを癒してくれていた。




おーくん、産まれてくれるんだよね?
おーくん、会えるよね?
ママ、おーくんに会いたいよ。



私の大きなお腹の中で
何事もなさそうに元気に動いているおーくんに
心の中でずっと話しかけ続ける。



お腹をなでながら、
2年前、妊娠8週でお空に帰ってしまった赤ちゃんのことを思い出していた。



またあんな悲しみを経験しないといけないの?
もう嫌だ。
もう嫌だよ。
会えないままさよならするなんて絶対嫌だよ。
お願いおーくん。
元気に産まれてきて。
お願い。
お願い。
お願い。




おーくんお願い…



つづく。
笑顔!!
STA!!
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〜ちょっと今のこと✏️〜

またまたお久しぶりです(((*≧艸≦)
毎日少しでも長くおーくんと一緒に過ごしたくて、家のことを超ダッシュでやってしまったらすぐに病院に行っちゃうので、
なかなかブログが進みません😝
ちょこちょこ書いてはいるんですけどねっ
りんちゃんが家にいる時は、りんちゃんと遊ぶ時間も大切にしたいから書けないし💦

そうそう!
りんちゃん、ばーばにランドセルを買ってもらいましたー😆💕
りんちゃんが選んだのは、音符の飾りがあちこちについたキャメル色のランドセル✨

来年の4月、りんちゃんが小学生になります!
信じられなーい😆✨
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源結子&りんちゃん図書館 : 源 結子
この写真は、私が実家に帰った時限定の結子保育園〜(((*≧艸≦)❤️園児は、りんちゃんと姪っ子のゆーちゃん😁💕LINE BLOGを始めて1年( ≧∀≦)ノ✨を祝して…というより、自分でちゃんと整理しておきたくて、ワイモン図書室の真似をして😁↓これこれっ❤️源結子&りんちゃん
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