月別アーカイブ / 2018年07月

満員電車から逃れるために窓の外の風景に心を逃がす。壁も扉も車両も心も心にはない。

雲は梅雨の頃は濁った色なのに、たった一ヶ月しただけでふわふわと真っ白でどっしりと質量も感じる。

満員電車ほど人間の臭いを感じる場所はあるだろうか。充満した人間の臭いをシャツに染み込ませて人間のふりをする。会社や学校につく頃には人間になれる。

子供の頃より雲が低く感じる。子供の頃の空は大阪だったわけだから、東京の雲が低いのかもしれない。

皮肉なもので満員電車に乗りたくないから芸人になったような気がするけれど、東京の満員電車は僕の事情なんて知らない。
それぞれの事情が満員電車を作る。皆で努力して毎日お金を払って満員電車を作り上げる。善意や夢の詰まった電車の臭いは酷く鼻につく。

皆が降りる駅。僕は一生降りない駅。

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風景や文字列に心を逃がすより逃がしてあげるべきものはあるだろうに揺れる。



ひび割れたコンクリート。ひび割れたスマートフォンの画面。

ひび割れていいものなんて無い。


大阪時代、ゲームセンターで働いていた。
クレーンゲームの接客や設定を良くしていた。6年ほど働いた。とても楽しくて愉しくて、向いていたと思う。

時々、その頃をいまだに思い出す。

同じように、学生時代の憂鬱。初めて彼女ができて喧嘩してしまって、どうしたものかと悩んだ時の様な鬱屈とした感情がその時のままにでてくる。

あれは何なのだろう。寝ている僕を放っておいて脳が情報を整理しているときに、僕が覗いてしまってみるのが夢だという。

でも、その鬱屈としたものは起きている時に起こるし、雨やら夕刻に起きている様に思う。



何なのだろう。何なのだろう。



ゲームセンターで働いていた毎日はとても楽しい想い出であると同時に『八つ当たりのような日々』だと捉えている。

24歳から東京に出る30歳まで働いた。辞めたのは30歳の誕生日。狙ったわけではなくだけれど誕生日。



単独をできる芸人に憧れだした。


クレーンゲームなんてしたこともなかった。


自分の能力や努力なんてどうだったか知らないけれど、袋小路に入った感覚でどうすればいいかわからなかった。前にも後ろにも進めない。ネタだけは作るけれどパッとしない。ほの暗い。仲間は辞めたか、結果を出しはじめていた。


バイトリーダーが二人とも飛んだ。誰もバイトリーダーにはなりたがらなかった。時給が10円上がるだけで責任がやたらと増える。


オーディションには受からない。


面白がって自虐的にバイトリーダーになった。袋小路だ。やれることなんてないからと経験としてやってみた。


親父が倒れた。家族のために働いた。働きすぎた。辞めなくてはならないのかとはっきり感じた。


売上をあげた。接客頻度を増やしたり、客層や景品毎にサービスの仕方を変えた。路面に出て、サービス券を配った。


単独ライブをやった。先輩の後押し。14本やった。三本目にはっきりと心が折れた。構成という事を身を以て知る。



育てても育てても人が辞めていく。女の子と女の子は揉める。間に立つ。売上をあげても目標がまた上がる。エリア他店しわ寄せだと言われる。納得できない。


単独ライブの費用が35000円。単独ライブの次の日が休み。パチンコで35000円勝った。言い様のない罪悪感。


シフトが削られた。四人で回していたのを三人にされた。売上目標は上がった。


親父に単独の映像をみせる。辞めたいなら辞めたらいいけれど、俺が倒れたことを理由に辞めるのは違うぞと言われた。真芯で捕らえられた言い訳。


炎天下のなかで、被り物をしてガラポンを店頭で八つ当たりのようにした。売上をあげた。スタッフも育ってきた。


とりあえずと、ネタを作った。


東京にいこうときめた。ここを辞める日が来た。


ネタだけは続けたいと思ったのだろう。


その頃には下が育って必要でもなくなって適当に被り物を被ってふざけているベテランになっていた。


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楽しさと愉しさと鬱屈としたものが混ざった日々。回顧。懐古。

ミミズが干からびていた。ミミズだったのだろう。干からびた君をまだ満遍なく太陽光は照らしているね。

子供の頃のイメージだとアイスの実は色々な味だった。今は単色。葡萄。

結局美味しいのだけれど、あの『あの色のが食べたいのに全然入ってへんやん』という理不尽も夏の日の想い出。そもそもアイスの実はほとんど当時、買ってない。買ってはもらえない。



どんなに近くても各々の生活やリズムがある。

生き方にリズムがあるとするならば、一緒に働いたり、何かをする。ましてや暮らすとなれば、それはセッションしていると言うこと。互いのリズムを尊重しつつ邪魔にならないように豪快に掻き鳴らす。繊細に合わせる。良いもの、良い場所、居場所。それをセッションして作るのだろう。

リズムがある。

だけれどもリズムは人と関わりながら変化していくのだろう。流行りのようなリズムや、その場に合ったリズムを取り入れていく。

流行りのようなリズムと自分のリズム。優先すべきものは何か。




身体に熱が籠る。隠る。篭る。体温より高い鯉のぼり。

明日は今日より低い34℃だって。よくわからない。

山積みになった物を崩していく。その下にはそもそも何があったっけ。思い出したい。




8月はゆっくりとするつもりがチャラデでたくさんライブをやることとなった。楽しい夏にしたい。

暑い夏にしましょうなんて冗談でも誰も言わない。

Tシャツが足りない。サンダルがほしい。素麺。大雑把なヘアスタイル。


東京に来て、色々落ち着いてきて、流石に次の展開をと考え出していたら、なんだか勝手に整い出した。ありがたい。感謝。おかげさま。


葡萄が全然入ってなかった夏。葡萄しか入ってない今夏。本当の葡萄は特別好きじゃない。イチゴオレは好き。苺も特別好きじゃない。そもそもアイスをそんなに食べない。

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髪を切った。トイレ。リュックが小さい。

ミミズ。干からびたミミズ。何処に行きたかった。

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