月別アーカイブ / 2012年04月

2012年4月のつぶやき

4月2日

 急激にパソコンが普及し、普通に生きる大多数の人々の本音が匿名でぶちまけられ、それを他人が簡単に読めるという時代は、人類史上、初めての事だろう。ネットに溢れかえる悪意の嵐を見ていると、人間性悪説という言葉が頭をよぎる。以前、僕はごく稀な例外の人を除いて、性善説派だったのだが…。

 まあ、性善、性悪説どちらにせよ、「今、自分がどう生きているか」が、問題なンだろうけど。

 「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」を読ンでいる。エーコ×カリエールの本を巡る対談だもンなあ。面白くない訳がない! 僕は本を題材にした映画も、無条件に好きだ。「薔薇の名前」「私家版」「ナインスゲート」等、世評に関わらず好きである。お薦めの映画がありましたら、教えて下さい。 (小池一夫) 

4月3日

 創作を目指している者は、当然尊敬する作家がいるだろう。「今の自分と同年齢の時、そ の作家がどンな作品を創作していたか」を意識する事は、自分の創作のモチベーションを上げるのに非常に有効である。

 また、自分の好きな作品が、その作家が何歳の時の作品なのかを知る事も、創作を続ける上で大きな指標となり、励みにもなるだろう。

 最近すごく気になるのだが、外国映画の邦題の付け方がヒドイ。成功した有名映画と間違いそうになる柳の下のドジョウ系や、原題や内容から遠く離れたトンデモ系、妙に詩的な文学系まで、色々なバリエーションがある。どうにかならンものかねえ。

 元来、日本人は、俳句や短歌を引き合いに出すまでもなく、限られた文字数で、現象の本質を的確に表現するという伝統があるはずなのになあ。そういえば、子供の名付けも、結構凄い事になっているね。

 あと、タイトルの後のヌルイ副題も腹が立つ。土曜ワイド劇場か!(小池一夫)

4月4日

 中国のマンガ・アニメ「Tofu Boy」が14年の秋に完成するらしいが、この作品がピノキオを下地にしている感が大きい。ピノキオ自体が僕にとってはちょっと古いなあという感じがする。それに、大ヒットを狙って世界中の若者が共感するだろうと、取らぬ狸式に考えていくと危険だ。

 自分が面白いと思うものを創り、結果として、それがマンガでありアニメになる。ヒットは、結果なのだ。「Tofu Boy」を注目してみよう。(小池一夫)

4月5日

 どうにもこうにも、やる事なす事上手くいかず、人生が失速する事がある。しかし、その失速は、次のジャンプに向かっての助走期間なのだ。勝ってばかりいる人間はいない。ただ、いつまでも助走しているわけにはいかないよ。チャンスが再び巡って来たら、大きく飛び出さなくては。(小池一夫)

4月6日

 男性作家は女性的な要素を、女性作家は男性的な要素を身の内に持ち、自分本来の性別や感性だけに頼らず物語を創れる人の作品は、面白く、深みがあり、実際に売れる。実社会でも、そういう人は魅力的だよね。

 仕事柄、若い人達と交流する事が多いのだが、総じて「人嫌いで、人恋しい」という矛盾を抱えた人が増えているなと感じる。いつの世も、人間関係は本当に大変だが、でも、結局「素直」に人に接する事が一番。それが、僕の結論。(小池一夫)

4月7日

 無謀にも「Bar エレクチオン」を店名にしようとした若い友人を止めたところ、「大丈夫ですよ!カタカナじゃなくて、アルファベットでオシャレな感じですから!」と、ひるむ様子がないのだが、イヤむしろ、アルファベット使用の方がまずいだろ。という事で、新しい店名は僕が付ける事に。やれやれ。

 だいたい、店に電話がかかって来るたび、エレクチオン連呼だよ!?

 こうなったら、意地でも超シックな店名を付けてやるッ。(小池一夫)

4月8日

 「ひきこもり」が社会問題になって久しい。最近は「孤独死」や5・60代の自殺が問題になっている。前者が子供世代なら後者はその親世代だ。孤立死や自殺率の高い世代に育てられた子供世代が、ひきこもりとして先に社会問題として顕在化したのだ。親世代の問題はずっと前から潜在していたのだと思う。

 もともと、コミュニケーション能力に乏しい親から育てられた子供世代に、高いコミュニケーション能力が備わるとは思えない。人が人と触れ合う大切さを下の世代に伝えなかった上の世代(自分を含め)の責任は大きい。

 で、結論として、ひきこもっている人達は、どンどン外に出て来いという事。今や、コミュニケーション力に自信があります!という人達の方がマイノリティで、むしろ、ひきこもりがちだという方が多数派だよ。本当に世俗に生きる事は楽ではないが、人生は独りでは辛すぎる。

 桜を見られるのも、しょせん数十回。人生を楽しめ。(小池一夫)

4月9日

 先日お会いした年配の女性は、やさしさばかりを集めたような、実に良い人相をされていた。別の日に電話をかけてこられた男性の声は、声そのものが笑っているような、生気に溢れた声だった。そういう方々に接すると、心からホッとする。そして、自分を省みて反省しきり。

 もう、スマホの調子が悪い。再起動しても、またフリーズの繰り返し。イラッとして、画面をパンって叩いたら直った。これが、戦前生まれクオリティ。どやッ。(明日、ドコモショップ行きます)(小池一夫)

4月9日

 先日お会いした年配の女性は、やさしさばかりを集めたような、実に良い人相をされていた。別の日に電話をかけてこられた男性の声は、声そのものが笑っているような、生気に溢れた声だった。そういう方々に接すると、心からホッとする。そして、自分を省みて反省しきり。

 もう、スマホの調子が悪い。再起動しても、またフリーズの繰り返し。イラッとして、画面をパンって叩いたら直った。これが、戦前生まれクオリティ。どやッ。(明日、ドコモショップ行きます)(小池一夫)

4月12日

 生きていく、ということは、守られなかった約束、叶えられなかった祈り、結果のわかっている負け戦、そンな事ばかり。それでも、生きてく。(小池一夫)

 本気でケンカ出来ないと、結局、人と人の関係は深まらない。言葉の傷というのは本当に深い。お互いに傷付くのがイヤで黙ってしまう。本人へ率直な言葉で一言で済む話が、うらみつらみで百や千の思念に変わる。(小池一夫)

4月13日

 何かを表現するために、多くの事を犠牲にした表現者という人種の人生を思う。(小池一夫)

4月14日

 漫画を書くのなンて簡単な事。まず、机の前に座る。それから血の汗を流すだけ。(小池一夫)

 作品を作り上げている最中は、自分の世界観に酔いしれ一心不乱に描きながらも、どこか頭の片隅に、乾いた冷徹な目で作品を俯瞰する自分が居なくてはいけない。プロとして食べていくという事は、好きなものを好きな様に書くのではなく、売れる作品を「狙って書く」という事。(小池一夫)

4月15日

 作品を作り上げている最中は、自分の世界観に酔いしれ一心不乱に描きながらも、どこか頭の片隅に、乾いた冷徹な目で作品を俯瞰する自分が居なくてはいけない。プロとして食べていくという事は、好きなものを好きな様に書くのではなく、売れる作品を「狙って書く」という事。(小池一夫)

 これは面白い傾向だと思う。音と動きのある世界では、チームの複数の主人公でもやっていけるが、漫画の世界では膨大なページ数がかかる。キャラクター新論にとって、また新しい課題が一つ出て来た様だ。(小池一夫)

4月16日

 女たらしの男、男たらしの女がいるように、自分が創る作品は、常に「人たらし」でなくては。(小池一夫)

 昨夜、作家の辺見庸が死刑囚と対話する番組を見た。1970年代に爆弾テロを起こし、以来、37年間獄中にいる大道寺将司との対話だ。(小池一夫)

 大道寺は獄中で俳句を作り始め、その句集を出版するために、辺見さンが奔走されるのだが、大道寺の句が次第に上手くなればなるほど、言葉が巧みになればなるほど、虚しいと感じる。(小池一夫)

 大道寺という人は、頭が良くて、そして激しく頭の悪い人なのだろう。「世界を動かすのは、爆弾ではなく言葉」と知るために、400人の犠牲者と、我が身の病苦、何十年という獄中での時間を要したのだから。(小池一夫)

4月17日

 大阪に、新たな漫画大学が誕生しそうだ。大学に「漫画」という名前が冠せられるのは、日本はおろか、世界でも初めてだろう。デザイン系の専門学校が申請した様だが、なンか楽しくなってきたね。(小池一夫)

 マンガのジャンルだけでも、原作、シリアスなマンガ(ストーリーマンガ)、ギャグマンガ、四コママンガ、カリカチュア、まあそのカリキュラムを並べただけでも、20ぐらいは超えるだろう。という事で、マンガ一筋にやってきた僕にとっては、こういう時代がくるのは嬉しいねえ。(小池一夫)

4月18日

 15年前の有名人の対談を読ンだが、やはり、地震は来るし、世の中は色ンな事件が多くて、政治はダメで…そういう話題ばかりだった。閉塞的で、今と少しも変わらない様だった。いつの時代も似た様なものだ。(小池一夫)

 その時代時代を生き抜いて行くのが、人間というものなのだろう。徳川家康は実にうまいことを言っている。「人生は重い荷物を背負って長い坂道を登るが如し」。(小池一夫)

4月19日

 苦あれば楽ありという。努力すれば報われるという。しかし現代では、この言葉も虚しい。 苦は次々と苦を生ンでいき、大きな苦の空間を生ンでいく。負の空間、それに覆われているのが今の日本だろう。一つの災害があった。その災害が、二時災害、三時災害、四時災害と次々とマイナスの空間を広げていく。

 大勢の人たちが苦しむ中で、政治の空白、外交のまずさ、放射能の食べ物への負の連鎖。どれ一つとっても、今の行政には為す術がない。出来ない人たちが、次々と要職につき、問責を取らされる。苦あれば楽ありではなく、苦はさらに大きな苦を生む。(小池一夫)

 小さな努力が、必死になって大きくなっていき、人間同士の絆は深まっていくが、どこで歯止めがかけられるのだろう。だが、若い人たちよ、諦めるな。戦え。ジジイが戦っているのだから。(小池一夫)

4月20日

 丹生都比売神社に、本日やっとお参りが出来た。長い間行けなくて、これで肩の荷を下ろした様な思いになった。高野山の麓まで行っておきながら、高野山へ寄れなかった事がちょっと残念だが、時間的に厳しかったので、次の機会にしよう。(小池一夫)

4月21日

 明日ニコニコ生放送で、堀井雄二と会う。一昨年の夏、大学で対談して以来だから、一年半振りぐらいか。堀井と会うといつも思うことだが、漫画の原作者にならずに、俺もゲームのプランナーになっていた方が良かったなあ、などと思ったりする。(小池一夫)

 人生やり直せるならゲームのプランナーになって、堀井を超えてやろうと思う。とにかく久し振りに愛弟子と会えるのは、この上のない喜び。元気が出るよ。(小池一夫)

4月22日

 「キャラクター新論」人は、自分を良く見せたいために、心に仮面をかぶる。心理学では 「ペルソナ」という。心の中に歪ンだシャドーを持つものは、思いっきり仮面をかぶる。僕が悪役に欠点をつけろということは、そういうことだ。(小池一夫)

4月23日

 自分にぴったりとあった靴を履いてさえいれば、どこにでも、いくらでも歩いて行けそうな気がする。生きていく事は、急峻な山を登ったり、延々とデコボコ道を歩き続けるという事。合わない靴を履いて進むには辛すぎる。まずは、自分に合った靴(環境、仕事、パートナー)を見つける。先ずは、そこから。

 もし、自分がどうしようもなく生きづらいと思うのなら、今の靴を履き替える勇気も必要。(小池一夫)

 安倍夜郎さンの「山本耳かき店」を再読。この独特の世界観とフェティシズムがたまりませン。こンな女主人のいる店があったら、高知まで飛行機に乗って鈍行乗り継いでたどり着きます。回数券買います。今だったら、鰹で一杯やります。あー、高知に行きたくなってきた。(小池一夫)

 表現者にとって、「人と対話して自分の世界観を広げる事」と「一人孤独の中で自分の世界観を深化する事」は同等で非常に重要な事。(小池一夫)

 僕が好きな人は「本気」な人達である。本気で生きてる、本気で作品創ってる、本気で仕事している。僕が嫌いな人は、本気の人をちゃかす人である。「何マジになってンの?」などと口にする人である。どうしても今は頑張れない、そンな時も人生にはあるが、本気の人を馬鹿にしては絶対にイカン。

4月25日

 荒川弘さンの「百姓貴族」を読む。面白すぎる。作家自信の、いわゆる「身体性」を持ったキャラクターは、観念によって机上で作られた物語より勝る。この、「作家の個性を反映する身体性を持ったキャラクター」を描く事が出来るかどうかが、キャラクターを創る上で非常に重要だ。(小池一夫)

 「作家の個性」=「作品の面白さ」=「売れる作品」の図式はジャンルや時代を問わない。(小池一夫)

4月26日

 76才のお爺さンって、一見人間が出来ている感じがするでしょ?そンな事は、全くありません。時に黒い感情がムクムクと沸き起こります。ただ、長く生きているので、対処法は知っています。(小池一夫)

 その黒いモノを、頭の中でいつまでも転がさない事です。それは、雪だるま式に育っていき、いずれ自分を侵食しはじめます。スパッと絶ち切るのです。強制的に、習慣的に。これはお薦めです。(小池一夫)

4月27日

 明日は京都で僕のトークショー。14:00から16:00まで。一部は僕のおしゃべりで、二部は大西祥平さンが僕にインタビューする。全体の司会を務めてくれるのは、京都精華大学の吉村和真先生。(小池一夫)

 という事で、明日は天気予報、晴れ。晴れ男、ガンバリマース!(小池一夫)

4月28日

 小説でも、キャラクターが起っているものが好きだ。現在は上田秀人の時代劇。十五冊ぐらいあるが、全部読ンだ。面白かった。(小池一夫)

 サスペンスものでは、富樫倫太郎の特別広域捜査班シリーズ。四冊全部読ンだ。面白かった。四冊ともシリアルキラーを掘り下げ、追い詰めていく刑事たちのプロファイリングが特に良かった。一週間で二十冊を超える本を読ンだ事はないなあ。目が痛い。(小池一夫)

4月29日

 貧乏ゆすりは体に良いと、NHKで言っていた。エコノミー症候群にはならないし、運動不足の解消になるし、血の巡りも良くなるという。もちろン、ジジイに対しての事だが。それで、今更やれ、と言っても出来ない。(小池一夫)

 衆人環視の中で、貧乏ゆすりなンぞ出来る世代に育っていない。想定外の事だもンなあ。でも、やってみるのも一理あるなあ。やるか。これも、ツンデレみたいな事だよな。(小池一夫)

4月30日

 やろうと思えば出来るけれど、自分の良心、倫理、思想にのっとりやらない事は沢山ある。しかし、歪ンだ科学や医学がのさばってはいないか?人間のコントロール出来ない原子力という科学と、神の領域である遺伝子の操作という医学。僕は浅学の身だが、この二つには強く「否」と断ずる。(小池一夫)

4月25日 『道中師(上) 』が発売されました!

Isbn9784862258250

amazon       楽天      7net

※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
--------------------------------------------

漫画スーパーワイド

道中師(上)

『子連れ狼』のコンビが贈る傑作時代劇!

砥石で二本の指を磨く男!

七才にして地獄を見た男の

復讐が始まる…。

作:小池一夫|画:小島剛夕

ISBN978-4-86225-825-0  定価:650円(税込み)  発売:小池書院

4月25日 『春が来た(3) 夫婦生命 編』が発売されました!

Isbn9784862258168

amazon       楽天      7net

※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
--------------------------------------------

劇画キングシリーズ

春が来た(3) 夫婦生命 編

金曜時代劇にてドラマ化された人気作!!

仕える者を失った伊賀の忍・桜次郎兵衛、
本名・月坂小介。元伊賀の忍び。
三十八年間仕えた主を亡くし、
絶望していた時に鯉太郎に出会う。五十七歳。

十手を捨てた元同心・鯉太郎兵衛、
本名・甘利長門。
六十歳まで同心として生きてきたが、
職務に絶望し十手を捨てる。六十一歳。

これまでの名を捨て、
それぞれ『鯉太郎兵衛』と『桜次郎兵衛』として
第二の人生を歩むと決めた二人。

その結果、次郎兵衛は後家のりせと出会い結ばれ、
太郎兵衛もまた、りくという謎の女性と出会い、
夫婦となったのだった。

しかし、幸せは長くは続かなかった。
太郎兵衛が愛したりくの正体は、
四人もの人を殺めた『火栗のいが』という女盗賊で、
引き捕らえられたりくは磔の刑を申し渡されたのだった。

絶望に暮れる太郎兵衛。
そして、りくの刑が執行される時がやってきた。

近づき、また遠ざかる、男の春。


作:小池一夫|画:小島剛夕

ISBN978-4-86225-816-8  定価:680円(税込み)  発売:小池書院

↑このページのトップへ