月別アーカイブ / 2012年02月

2012年2月のつぶやき

2月1日

 例えば、先週の日曜日の朝日新聞。紙面全体の2 /3は広告ではないか。記事の信憑性を疑わせる程、以前では考えられなかった質と量の広告で覆い尽くされている。おまけに、新聞に挟まれた大量のチラシ。いくらなンでも、限度を超えていないか。

 一流の床屋は、二流の床屋が切った風を装うという。でも、よく見ると、やはり一流の仕事。一流って、さりげないンだよなあ。「さりげなさ」って、失敗したり、恥をいっぱいかいて獲得するもの。何事もさりげなく、そうありたいものである。

2月2日

...  先週、松戸までジャズのライヴを聴きに行った。ネットで偶然そのライヴを知ったのだが、とても魅力的な布陣で、ウズウズしてきて、とうとう松戸まで行ってしまった。

 ライヴを堪能しながら、しみじみ思ったのは、表現者は、やはり、自分の世界観を強固に確立した者勝ちだなあ、という事。漫画でも、作者の世界観にどっぷりと浸れる作品が、結局は売れる作品だ。「世界観」とは、「作者の生き様」に他ならない。

 「人生について書くのなら、まず生きなくてはならない」とは、ヘミングウェイの言葉。
2月3日

 ちょっと風邪気味。薬を飲ンだら眠くなる。言葉が出てこなくなる。そういう時は眠る。

2月4日

 虚淵玄さンとの対談の中でキャラクターシンキングを互いに分析し語り合ったが、彼にキャラクターシンキングは諸刃の剣だと言われて、もう一回キャラクターシンキングについて深く考えている。

 作者のシンキングがキャラクターシンキングに反映しているわけだから、創り手の責任は重大である。特に悪のキャラクターを創る時には、どこまでが許容範囲なのか。人間の本能と感情に照らし合わせて、難しい答えを出さなければならないだろう。

2月5日

 今日は、コミティアに行った。午後三時という時間にもかかわらず、一万人以上の人で賑わっていた。今回で99回目だそうだけれども、五月の開催で、100回目になるのか。

 このコミティアからも、大勢の作家が育っていった。僕も、面白そうなものを四、五冊買った。ニコニコのカメラが僕を追いかけていたので、大勢の人に気づかれた。

 コミケにしてもコミティアにしても、本来ならばマンガの出版社が合同して開くべき物ではないのだろうか。編集相談室ということで、マンガの編集部が相談所を作っているが、それでは物足りない気がする。

 中には優秀な作品もいっぱいあるし、38才とか32才の人たちも、作品ブースを出している。すごい熱気とパワーを感じた。参加人数も毎回増えているという。

2月6日

 一晩で風邪は治った。原稿を書いていると、風邪の方から去って行ってくれた。薬を飲ンだわけでもない。なンとなく守られている感じがするなあ。もうちょっと生かしてもらえそうだ。

 コミティアへ行ったり、コミケへ行ったり、二月には上海へ、三月半ばには北京へ、多分夏にはサンディエゴ、同じく夏にはフランスへ。ジャパンエキスポ、コミックコンベンションなど、日本が誇るマンガコンテンツの祭典だ。

 三兆円ぐらいに落ち込ンだコンテンツ産業を、また十兆円規模に押し上げる。その中で小池一門がどれだけやれるかわからないけれども、がンばンべー。

2月7日

 青山にジャズのライヴに行った。僕がジャズにハマッたのは、子供の頃にラジオから聴こえてきた、進駐軍放送がきっかけだった。他には、NHK 第一と第二放送しかなかった。そンな僕が、今やツイッターだもンなあ。時代は変わるもンだ。

 映画「カポーティ」を再見。トルーマン・カポーティが一家惨殺事件を題材に名作ドキュメンタリー小説「冷血」を書き上げる6年間を描いた作品なのだが、心理描写が素晴らしく良い。題名のタイポグラフィからエンディング曲まで全てが調和している。

 こンなに完成度の高い映画を見るたびに思うのだが、日本の映画やドラマは内容はぶち壊しみたいな、すっとンきょうなエンディング曲がよく流れるね。タイアップとか色々な思惑があるのだろうが、あれは本当に止めてほしい。

 読み手の読解力の無さや感性の乏しさは、創作側の責任ではない。創り手は、どンどン高みを目指すべきである。受け入れられようと、わざわざ自分の方向性を変えたり、レベルを下げたりするべきではない。それは、逆に、読み手を侮る事になる。

2月8日

 漫画を書く時に気を付けたい事は、芸術を書こうとしないという事だ。わりと陥りやすいワナだけれど。芸術はゲージュツ家に任せておけばいい。様々な芸術から影響を受ける事はとても重要だが、「漫画はマンガ」それ以上でも、それ以下でもない。

2月9日

 PHP研究所から、ライトノベルで「ウルトラマン妹」が三月に発売されるという。なンとこの妹が、中学二年生で美少女でウルトラマンと一心同体なンだそうだ。これはすぐに読まなきゃなあ。次々に色々出てくるのでわしゃ忙しい。

 円谷プロ公認で、描くのは小林雄次だというから、正に本格ものだろう。僕も今ライトノベルを頼まれてるけれど、ミスマッチだなあ。ただ、キャラクターが色ンな形で色ンな時代に登場してくるのは、永遠の命を持っているからで、キャラクター新論としては誠に嬉しい限り。

2月10日

 札幌の雪祭りに初音ミクが登場している。このキャラクターは、GoogleのCMにも登場して全国区になったとは思うが、雪祭りを見に行った人の一体何人がわかっただろうか(高年齢層)。それが知りたい。
 事故が起こったそうだが、怪我をした方の回復を祈っている。僕が一つ気になっている事は、この初音ミクの雪像には、ネギを持たせているだろうか。
2月11日
 僕のWeb講座からもう四人デビューしていった。なンか嬉しいンだけど、寂しい様な気持ち。実際にあって色ンな打ち合わせをしたり一回目の作品に感想を述べたり、だンだン感情移入していってしまう。やっぱり父親ってのはこンなもンだろうなあ。
2月11日

 そして一つ共通していることは、全員不安な表情をしている。これが自信に満ち溢れないとなあ。
2月12日

 沖縄の小さい子供達に「マブヤー」というキャラクターが大ヒットしている。沖縄の昔からの文化や伝統や言語を伝えていて、例えばクンチ、これはやる気とか根気という意味なンだけれども、魔除けの石とか、そういった伝統が散りばめられている。
 それはそれでいいのだけれども、最後に悪役と主役が仲良くなる。戦っていても最後には友達になっちゃう。こういうキャラクターで培われた小さい子供達は、大人になって色ンなメディアに接する時に、どうなるだろうかなあ。
 必ず敵と味方が仲直りしてしまうというから、今のマンガでも小説でも、アメリカのドラマDVDでも、違和感を感じるだろうなあ
 このマブヤーが、ハワイに飛び火した。ハワイの昔ながらの文化や伝統や言語を今に伝える役目を果たす。ハワイでもヒットしつつあるという。今のメディアミックスに、マブヤーが投げかけた課題は大きい。
2月13日

 相変わらず、まどマギの人気はすごいねえ。ローソンとコラボをして、十六茶(アサヒ)にフィギュアを付けた。まどマギフィギュアを付けたものは即完売。いつもの10倍の売れ行きだという。付けてないものはたくさン残っているという。キャラクターの力、恐るべし。

 キャラクター論を唱え、まどマギが昨年最高のキャラクターだと言ってきた僕は、大満足。間もなく劇場版が公開されるが、大きな社会現象となるのはその後だろう。まだまだまだまだまどマギまどマギ。
2月14日

 最近良く夢を見る。雄のキジが鮮やかに舞う夢を見た。蛇の夢も見た。夢ではないが、前の車のナンバーが、8888。この拍手ナンバーの車を最近よく見る。

 夢で般若心経を唱えていたりもする。これは、吉兆だろうなあ。ただ、こういう夢を見たという事を、現実に人に言ってしまってはダメだという。言っちゃった。
2月15日

 三満月美々がニコニコ静画に登場した。やっぱり嬉しいねえ。こういうキャラクターを描くのは楽しい。虚淵氏に挑戦している気持ちになるからなお楽しい。
 対称的な話だが、兼好法師の徒然草を読ンでいると、「人は四十歳ぐらいで死ぬのが一番いい」とある。四十歳以上すぎると恥ずかしい、と。が、織田信長は死ぬ間際に「人間わずか五十年下天の内をくらぶれば夢幻の如くなり」(幸若舞の一説だったかな)と言う
 現代の平均寿命は90歳に近くなっている。医学の進歩はいい事だと思うが、人間は100歳を超える寿命を得る様になったらどうなるだろうか。様々な問題を現代は投げかけている。
2月16日

 @Butch_Gen 作品の評価として賞を得るのは、素晴らしい事だ。と同じ様に、その作品が規制を受けたりする事は、悲しい事だ。その悲しみの線引きを、誰がするのか。

2月17日

 今夜の12時から、小池工房のホームページで「俺・劇画・40年」をアップする。

2月18日

 中国のコンテンツに対する姿勢が、非常に変わってきた。まずコンテンツに対する認識を改め、他の国のコンテンツの模倣などはしないと。自国のコンテンツを活かすと。
 さらに「千人計画」という国策で、世界中からコンテンツのプロ達を中国に集めて指導を仰ぐ。若い人達をそれに向かわせる。北京大学を筆頭に、知財というものに対して、大きく舵を切ったようだ

2月19日

 @smallboxman 宣伝会議の雑文をお褒めに預かり恐縮です。実はあの後も少しあったのですが、編集の都合でカットされてしまったものです(枚数が多すぎたので)。小田切さンの書かれたものも拝読致しました。お互いにキャラクター論を誌上に発表出来るのは嬉しい事だと思います。

 昨夜、若い頃に訪れたイタリアの夢を見た。ピエモンテ州のアルバに宿をとり、友人に紹介されたレストランに行く為にタクシーに乗った。とっぷりと日の暮れた山道を延々と走るのだが、レストランどころか建物らしきものも無く、さすがに不安になった頃、山中に灯りがポツッと灯っていた。

 恐る恐るドアの前に立つと、さっと扉が開き招き入れられた。そこは、別世界だった。着飾った人々が、優雅に、楽しげに食事をしていた。まるで夢の様だった。何十年も前の出来事を、夢で追体験するのはとても気持ちが良い。年寄りの特権だね。

2月20日

 久し振りに「キャラクター新論」僕の所には、大勢のデビュー前の作品が集まってくる。その中で一番強く感じる事は、キャラクターがうまく起っていないこと。
 発想が月並み。ラスト一ページの遊びがない。要するに、「この人の次の作品も見てみたいな」という、アハ効果(満足感)がない。もう一回ツイッターでキャラクター新論をやってみようかと思うが…
2月22日

 十五日発売の「宣伝会議」にも書いたが、キャラクターは人間の本能によりかかるものである。可愛いものをみると、オキシトシンというホルモンが分泌してくる。逆の場合はアドレナリン。恐怖を導き出すものは、ノルアドレナリン。
 そして今度、京都大学がES細胞からドーパミンを出す神経細胞を作った様だが、ドーパミンは快楽のホルモンと言われる。ホルモンが人の心を動かし、キャラクターを際立たせる。キャラクターは、本当に人間の本能によりかかっているものだと思う。
 128√e98076歳只今知りました。ただ、この言葉を伝える相手がおりませン。

2月23日

 映画のエンディングが、明確に白黒つけられてはいないが結論は出ているストーリーなのに、見る人によって解釈が違う映画だと認識されていて驚く事がある。解りやすい薄っぺらな映画が増えるのは、制作側ばかりの責任とはいえないと思う。
2月24日

 デヴィッド・フィンチャーの「セブン」を再見。かなりグロテスクなサイコサスペンスでありながら、二人の刑事の人生の物語であり、師と弟子の間の友情の物語であり、愛の物語である。優れた作品は、そこで語られる物語が「重層的」「多元的」であり、単純ではない。

2月25日

 震災で多くの命が失われたばかりで、10年以上も三万超の命が自殺で失われ続けている今、政府の自殺防止キャンペーンのAKBをめぐるドタバタは本当に腹立たしい。そもそも、このキャンペーンにキャンペーンガールなどが必要なのか?
 
2月26日

 時々、すごい才能の人と出会う事がある。少しだけ描いているのを見ても、まさしく、すごいなあと思う。でも、なぜこの人が作品を完成させてデビューしていかないのか。考えてみると、それは集中力のせいだろうな、と思う。

 一本描き上げるだけの集中力が出ないのだ。長い時間をかけても、途中でやめてしまうンだろうなと思う。集中力は持続力だ。この集中力が弱い人は、いかに才能が優れていても、物書きにはなれない。惜しむべきかな…

2月27日

 吾妻ひでおさンの「失踪日記」を再読。失踪された後、ホームレスになったり、アル中で入院されたりするのだが、配管工になった時のエピソードで「こンなことやってるけど、本当はオレ芸術家だぞ!」と漫画家としてのプライドを口にされるシーンで、いつもグッとくる。

 この名作を読む度、「自分の救済者は自分自身である」という、仏陀の言葉を思い出す。そうだよね、自分のよりどころは、結局自分自身でしかあり得ないンだよね。
2月28日

 人間の脳は、20%も使われていないという。それを25%から30%までへも高めようとするのが、表現者の集中力との戦いだ。まさに凄惨な戦いだ。

 今日は、今やっと21%に辿り着いたような気がする。恐らく今夜は眠らないだろう。僕は21%でもいいと思っているけれども、それが15%ほどにも後退してくる。それが、年を取るという事だ 
 @kixyuubann ありがとうございます。こちらも対談楽しみにしておりますので、よろしくお願い致します。

 表現者は、さすらう。集中力が高まってくるまで、さすらう。ネオンの巷へ、さすらう。他人のものを読む事に、さすらう。豪華なものを食べる事に、さすらう。色々様々、さすらう。苦しみながら、さすらう。それを人は、遊ンでいると見る。

 表現者は、一週間に一回だけ集中力が高まる時がある。その人は週刊誌一本書ける。月に一回しか集中力が高まらない人は、月刊誌しか書けない。一年に一回しか集中力が高まらない人は…

 僕は昔一日に4、5回集中力が高まった。今は、一日一回。それが一年に一回になる日も近い。とにかくモチベーションというのは、表現者にとって、悪魔なのだ。 
2月29日

才能は鍛えられない。ただし、集中力は鍛えられる。集中力が鍛えられれば、才能も伸びる。表現者のベースは、才能よりも集中力にある。 
普通の人は、集中力が弱い。スポーツ選手も、集中力を鍛えてこそ、その技を昇華させる事が出来る。アマとプロの差を考えてみたまえ。それは、集中力の差だ。では、どうすれば集中力を高められるのか。

2月28日 『ガッツポンvol.3』 が発売されました!

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※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
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劇画キングシリーズ

ガッツポンvol.3

小池一夫プロデュースコミック!
オール新作描き下し10本!!

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「新・弐十手物語 つるじろう」(画・神江里見)

「異聞・花と蛇」(画・叶精作)

「そして-子連れ狼 刺客の子」(画・森 秀樹、作画原案・小島剛夕)

「地獄楽まんだら」(画・これかわかずとも)

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今最も注目している作家たちを総結集!

フレッシュキャラクターコミック6本

「クライングフリーマンNEXT」(作:小市ケン 画:柳澤一明)

「傷追い人SPIN OFF」(作・山田一郎 画・はるなさやつぐ)

「シェーラ様は、魔神」(作・矢橋賢一郎 画・平野 仁)

「I・AM…」 (作・鈴木尽星 画・西出ケンゴロー)

「ヒキツイッター」 (作画・日涌 祐)

「酒場徘徊録 日和散樽」(作・伊勢幸祐 画・ヰ土えもん)


ISBN978-4-86225-820-5  定価:680円(税込み) 発売:小池書院

2月25日 『オークション・ハウス(8) レンブラント企業体 編』が発売されました!

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※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
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漫画スーパーワイド

オークション・ハウス(8) レンブラント企業体 編



神が遺した謎を解け!

類まれなる鑑定眼と贋作技術を持ち、
世界の美術界で活躍する一人の日本人がいた。
男の名は柳宗巌!

両親を殺害した真犯人が
「連合オークション・ハウス」であることを知ったリュウは、
壊滅に動き出した。
だが、連合の女ボス・スザンナは、
闇の力「宗門図書館(クレメンダルシ)」に救いを求め、
最強の「女殺人マシン」オノン・ジーが差し向けられた!

作:小池一夫|画:叶 精作

ISBN978-4-86225-725-3  定価:650円(税込み)   発売:小池書院

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