月別アーカイブ / 2011年07月

2011年7月のつぶやき

7月1日

 「キャラクター新論」ゆるキャラがあちこちの地方自治体で活躍している。「せンとくン」はゆるキャラではずっとツイッターのフォロワー数が一位だった。それを今度抜いたのが長万部の「まンべくン」。

 そういうゆるキャラだが、「ひこにゃン」、「にゃンまげ」、僕らが創った田辺市の「たなべぇ」、世界陸上の「トラッフィー」、本当に、キャラが街に溢れている。

 せンとくンだけでも百億を越える利益を上げたそうだ。ゆるキャラはこれからも、ネット上のキャラデビューには欠かせないものになっていくだろう。

... 7月2日

「プロファイリング」ロシアから義援金支援を頂いた。中国からも同じ。これに対して、国が感謝の意を表すのは当然の事だ。だがそのすぐ後で、ロシアの戦闘機が二機も日本の領空侵犯を犯している。中国の軍艦がやはり領海に侵入している。

 アメリカの空母が被災地に向けて救援活動を活発化させている。様子を探っているのか、それとも、日本の国はもう終わるだろう、と見極めているのだろうか。どうプロファイリングするか。政治もプロファイリングの材料になる。

 ソーラーパネルの件だが、色ンな所に設置するのはいいとして、地震で壊れちゃったらどうするの?ソーラーパネルを守る為にまた莫大な費用がかかる。何をやっても金がかかる。私は脱原発、廃止論者だが、いつでも昭和の時代に戻れる。あの時代を生きていた人間だ。

 うどンを食いながらふと思った。この原料の小麦粉は98%オーストラリアに頼っている。大半の食料が輸入だ。これからも買い続けなければならない。売ってくれるのだろうか。プロファイリングしてみよう。

7月3日

 久し振りに大阪に来ている。明日は芸大でキャラクターの講義をする。芸大にキャラクター造形学部を作り、大勢の教授を集め、十一年を過ごした。この芸大(小池ゼミ)から巣立った漫画家は40人を越えるだろう。

 一番売れたのは「ぬらりひょンの孫」の椎橋寛だろう。一千万部を越えたというからすごいよなあ。明日もキャラクター新論を学生達に教える。それが生きがいだ!

7月4日

 久し振りに大阪芸大の教壇に立った。生徒は240人ぐらいかなあ。色々と生徒とやりとりをしていると、こちらも集中力が湧いてくる。やはり教えるという事は、教わるという事でもある。今の新しい時代の波を教えてもらえる。帰るのは深夜になるだろうが、気持ちは最高。テンションが上がっている。

7月5日

 今日、西脇(大阪芸大小池ゼミ生)が訪ねて来た。29才になったという。彼が在学中にお遍路さンのマンガを描きたいという。そのためにどうしても四国八十八箇所を巡りたいという。ボクはそういう事が大好きなので、行ってこいと言った。でも巡る費用がないという。

 いくらかかるのかと聞いたらば、279000円だという。彼の几帳面さが滲み出ていた。ボクはその旅費をあげた。彼は夏休みをかけて、八十八箇所を徒歩で巡った。野宿もしたらしい。そしてお遍路のマンガを書いた。「八十九番目の札所」という。

 実際には存在しないお寺へいくという学生と友達になったのだ。もちろン幽霊だ。迷える魂だ。作品は面白かった。今彼はなかなか連載を取れないでいる。だからボクはまたお遍路マンガを描けと言ってやった。ボクも描いてみたいものだ。もうとても巡る力は残ってないが描いてみたいとは思う。

 西脇は、ボクがあげたお金を五万円近くも残して帰ってきた。だから相当苦しい旅だったろう。そういうやつだから、今も頑張れる。頑張れ西脇!

7月6日

 今ボクは三つの雑誌の編集長である。一つは「大学漫画」、一つは「カイト」、残る一つは「ガッツポン」。大学漫画は、日本の少年漫画界始まって以来のコラボレーション、少年サンデーの「ハヤテのごとく!」、少年マガジンの「魔法先生ネギま!」の両方の人気キャラクターの表紙である。

 カイトの方はカイトという誌名にちなンで、ボーカロイドのKAITOくンを出した。そのバックには初音ミク、リン、レン、ルカ、MEIKO、ずらっといる。そして原作・小池一夫、漫画・これかわあつしの作品が載る。ボクが地獄へ行って帰ってきた帰行談。乞うご期待!ガッツポンはこれから作る。

7月7日

 たまに、料理の服部せンせいに間違えられる。今日も…

7月8日

 「キャラクター新論」キャラクターを創るためには、プロファイリングのテクニックが必要だ。このテクは、キャラクターを創るためには絶対に無くてはならないものだ。駅のプラットフォームにベンチがある。このベンチの所にグリーン車が停まる。

 グリーン車を利用している人は、老人であるとか病人であるとか妊婦であるとか、倍の料金を払ってもグリーン車に乗る必要がある人達だ。ところが、その人達が乗り降りするベンチの横に喫煙ボックスが用意されていて、大勢の人がそこでタバコを吸っている。

 お客さンをキャラクターとするならば、新幹線の中だけを禁煙にしても、ベンチに座って新幹線を待つグリーン車のお客さン達にタバコの煙が浴びせかけられる。これはキャラクターをプロファイリングする能力の無い人達が作っているからだ。日本中至る所にこの様なミスマッチが起こる。

 お客さンをキャラクターと見れば、様々なプロファイリングサービスが出来るはずだ。

7月9日

「キャラクター新論」主人公、悪役、トリッカーが出来たら、あとは作品に小さな感動を盛る。その小さな感動が、30ページの作品で3つあれば、これは完璧に多くの人を楽しませる。ちなみに小さな感動とは、人間の喜怒哀楽をえぐり出す事だ。

7月10日

 今日、大阪の電気大学の教授をしている、いしぜきと電話で話した。彼も弟子だが、ボクのキャラクター新論を授業で使わしてもらうと言っていた。

 学生達もボクのキャラクター新論を買ってくれたそうで、嬉しいなあ。こういう電話をもらうと長生きしててよかったと思う。毎週WEB講座とか色々やっているけれども、気合が入る。

7月11日

 哲学者と死刑囚の往復書簡「死と生きる・獄中哲学対話」を読む。文中に池田晶子さンがこンな意味の事を書いている。

 文章を書く際に、自分にとって最高と思われる読者をのみ遠くに想定し、「その人」に向かって書く。下らないほうの人間を相手として書くと、言葉と文章は荒れるし、同時に自分も消耗する。

 確かにそうだと思う。文章に関わらず、漫画でも映像でも、他人に100%受け入れられる事は無い。読み手の誤読や、時には悪意ある反応に傷付く事もある。それでも、表現者は表現し続けなければ。

7月12日

 「寄生獣」を一気読みする。リアルタイムで読ンでからもう20年経つのか。全く色あせないなあ。「人間とは何か?」という普遍を繰り返し読者に問うて来る。映画よりも映画的であり、下手な哲学書より哲学的。しかし、漫画でしか描けない圧倒的な世界観は見事。

 それにしても、面白いと思う漫画の単行本が、一年以上待って一冊。それからまた一年待って一冊。マンガという媒体の性質から言っても、それは読者を待たせ過ぎだろう。

7月13日

 表参道を歩く事が多いのだが、そこは「闇金ウシジマくン」のリアル楽園くンの世界。ファッショニスタ過ぎる若者とすれ違う度、「北の国から」の一場面を思い出す。正吉が純に言ったセリフ。「趣味が悪いのは犯罪じゃないべ」

7月14日

 「闇金ウシジマくン」に通低する、面白うてやがて哀しき…というパターンのストーリー作りは、平家物語や方丈記をひもとくまでもなく日本人と相性がいい。「無常感」は物語りを作る時、非常に有効なキーワードだ。

7月15日

 谷口ジローさンの「神々の山嶺」を読む。夢枕貘さンの小説が漫画という映像を持った時の、視覚の喚起力が凄い。全くベクトルの違う「センセイの鞄」も大好きな作品だ。

 山つながりで、日本のトップクライマー山野井泰史さンのブログをチェックする。彼は、チベットの8000メートル級の山に夫婦で挑み、泰史さンは手足の指を10本、奥さンの妙子さンは18本失う事になりながらも生還された。

 その壮絶な登頂と生還劇を描いた沢木耕太郎さンの「凍」は、幾度も読み返した。二人の心身の強靭さにはただただ畏怖する。それにしても、クライマーと言われる人逹は聖地を巡り続ける巡礼者のようだ。

7月16日

 七十になっても、ドラえもンが今居てくれたらなあと思うことが、年に数回はある。

7月17日
 
 上野の東京国立博物館で奈良時代のお経を見る。あらゆる病、心身の苦悩、悪夢の徐滅を願い書かれた素朴な美しさを持つ経だ。文明や科学がどンどン発達しても、人の心や魂は1300年前と何も変わらぬとしみじみ思う。

7月18日

 ご存知のようにと言われ(全然存じ上げず)、これがかの有名なと言われ(自分の中ででは全く無名で)、周知のようにと言われ(自分以外はみンな知ってるの!?)というような事が年々増えてきた。

 ただ、「無知」は知らないと開き直るものでなく、恥じ入るものだというくらいは知っているので老眼鏡片手に書斎の本を引っ張り出しているところだ。

7月19日

 「宇宙兄弟」を読ンでいたら既視感を感じた。なンだろうと思っていたら、そうだ!「のだめカンタービレ」だ。才能がありながら夢をあきらめた主人公が、挫折を乗り越え世界の大舞台へ。読後感はなでしこジャパンのような爽快さ。

 今まで読ンだ小説の中で一番面白かった小説はなンだろうと思ったら(気分によって日々変わるのだが)、「百年の孤独」か。しかしながら、今はまっているのは、西村賢太氏の一連の私小説だったりする。

7月20日

 シングルモルトを飲ンでいて、むせる事がある。酢の物にむせるのも、この年だから良しとしよう。しかし、あンみつを食べていてむせた今日の自分に少し落ち込む。

7月21日

 猛暑のあとに台風が来て、台風が去ったら、寒くなった。もうこの気温の変化には笑うしかないが、こういう気象もキャラクター化すると面白い。北からオホーツク海の寒波が日本列島に下がって来たわけだから、この寒波を「オホーツク天然クーラー」とでも言った方がものすごくわかりやすい。

 昔は台風にもハリケーンなどにも女性の名前などがついていた。だから、「ジュリアが東の海上に去った」とか、そういう表現にしてみたら天気予報もドラマになる。

7月22日

 本を読ンだり、人生の経験値を上げる事は、深みのある物語を作る上で非常に有効だが、下手な知識や教養を憶え過ぎると、マンガは途端につまらなくなる。知的に作品を飾っても、ああ勉強してきたンだなと読み手は感じるだけだ。

7月23日

 自分の得た知識、体験、教養と言うものは、自分の肥やしとなるまで消化し、なおかつ、自分のフィルターを透過させてから表現しないと、やはり誰かの借り物の表現にしかならない。

7月24日

 そして、表現者という職業を選ンだ以上、アウトプット(表現)を続ける限り、インプット(何かを学び考え続ける)という作業を延々と続ける事になる。それは、とても楽しくとても厳しい道だ。

 いつも渋い着物を美しく着こなし、お茶の先生をされている(お孫さン三人)の女性に、座右の銘はと訊ねたら、「Let's Get Lost」と一言。カッコいい!カッコよすぎる!

7月25日

 自分が尊敬し、影響を受けた作家がいても、その人をめざしてはいけない。その作家自身が何をめざし、何に影響を受け、何を見ていたのかを知るのだ。そうでなければ、その人を超える事は出来ない。「師が目指していたその先を目指せ」という事だ。

7月27日

 ツイッターをやってみて分かった事は、ツイッターの文字数が少ないとはいえ、ブログ等と比べても、書かれている事のクオリティに本質的な違いは無いという事だ。

7月29日

 浅草で焼き茄子なぞツマミにちびちびやっていたら、隣の年配の男性二人の話が聞こえてきた。ラテン語から構造主義の話まで、お銚子を重ねながら語り合っていた。感じの良い人達だった。

 人は無闇に利口ぶらない方がいい。下町の居酒屋のお隣さンにさえ、こういう人達がさらりと居るのだから。

7月30日

 ふくしま政美と実に二十年振りぐらいに酒を飲ンだ。楽しかった。彼の描く時代劇のキャラクターは凄まじい。現代の最高峰であろう。感性も抜群だ。一緒に仕事をする事になって嬉しさよりも緊張感が先に立つ。世代に届く何かが描けそうな気がする。

7月31日

 「男は強くなければ生きられない。優しくなければ生きる価値が無い」レイモンド・チャンドラー「スケベで好奇心がなければさらに生きられない」小池一夫

7月25日 『横浜ホメロス(1)バーチャル都市(シティ)』が発売されました!

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※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
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漫画スーパーワイド

横浜ホメロス (1) バーチャル都市(シティ)

「何者なんだ、俺という男は…!?」

記憶を失い、
横浜の街をさ迷う男・ホメロス。

女子大生・裕子に出会い、
惹かれ合った時から
二人の逃走劇が始まった!!

執拗にホメロスを追う
謎の組織の目的とは?
そして、ホメロスの
秘められた過去とは?
真実を求め戦う、
男と女の抒情詩!!


作:小池一夫|画:叶 精作

ISBN978-4-86225-764-2  定価:600円(税込み)  発売:小池書院

7月25日 『少年の町ZF(ゼフ) (2) 夜を撃て 編』が発売されました!

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※くわしくは 小池書院ホームページをご覧ください。
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漫画スーパーワイド

少年の町ZF(ゼフ) (2)夜を撃て編

ドラマチック!  トラウマチック!

優しい母親(ママン)が!

愛しい恋人が!

無二の親友が!

僕ら以外の全ての人類が、
化物(モンスター)に変わってしまった!

11人の少年たちは
悪魔(デモノ)に支配された世界の片隅に
知恵と勇気、持てる力のすべてを結集して砦を築き、
決死の覚悟を込めたZ旗(フラッグ)を掲げる!

人類最後の砦、

その名は『少年の町』!!

作・小池一夫|画・平野 仁

ISBN978-4-86225-759-8  定価:600円(税込み) 発売:小池書院

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