月別アーカイブ / 2010年05月

2010年 5月のつぶやき

5月1日

 孫子は紀元前五百年頃に呉の孫武が書いた兵法書だが僕のキャラクター創作論と重なる所が多い。こうなればと15世紀のマキャベリの「君主論」ももう一度読み返した。「目的と手段の分離」などキャラクターとドラマを分けている僕の理論と重なる。ヤッタゼ!これでキャラクター論がさらに進むぞ

5月2日

 大阪のミナミの夢を見た。寿司の新明石の菅本さン、焼鳥の鳥蔵の田辺さン、料理屋の鶴林の吉田さン、一人一人に個性があり、みンなすごいキャラクターだったな。また会いたいなあ。大阪に行くかな。

... 5月3日

 5月は生まれ月。水辺が恋しくて塩沢湖へ出かけた。馬に出会った。馬は陰の気を払い、仕事運をUPさせる。湖に餌を撒いたら、巨大な鯉が何十尾となく集まってきた。鯉も僕には陽の気をもたらす大吉兆だ。望天気は快晴。近いうちにトークショーをやりたい。

5月4日

 キャラクターの弱点探しを始めた。ポパイはホウレンソウかな。ホウレンソウがないと力が出ない。ドラえもンはネズミが弱点。ウルトラマンは3分間しか戦えない。だから面白いのだ。

5月5日

 キャラクターは本当に不死不変無限という気がする。僕がガキの頃は鬼退治の桃太郎、熊にまたがりお馬の稽古の金太郎、竹取物語のかぐや姫、お伽草紙、今昔物語、源氏物語etc。みンなキャラが第一。昔も今もこれからも不変でキャラが動いていく。すごいキャラクターをどンどンを創ろう。

5月6日

 夢の中で、すごいアイデアを思いつくことがある。しかし、朝起きるとみンな忘れている。そこで、テープレコーダーを用意して眠ることにした。朝、テープを聞いてみると、何をしゃべっているのか、わからない。やはり夢は夢なンだ。

5月7日

 源頼光が帯びたといわれる名刀「波平行安」を拝見する機会を得た。古刀だから反りがすごい。馬上で使うからであろう。作法にのっとり、口にハンカチをくわえ、相手に切っ先や刃先が向かないようにし、刀身を抜くのではなく鞘を払った。
 
 刀身を入れる時も鞘をさした。ほめられた。ちょっとうれしい。天野大社(大阪)が所有する行安は国立博物館に展示されている。

5月8日

 1936年から丸々74年の歳月が流れ去りました。亡き友たちへの哀悼。少しは「漫画」の役に立ったのかなと思います。一つ、特別な日なので、思い出してつぶやきます。

 「子連れ狼」の拝一刀が使っている刀は、「同太貫」なンだけれど、実は本当は「同田貫」なンだな。「田」というのがなンだかダサい気がして僕が勝手に変えたら、それが広まってしまい、大勢の人が「同太貫」と思っている。申し訳ないので種明かし。

 孫さン(@masason)は素晴らしい同田貫を持っていて、坂本龍馬の大ファンだが、坂本龍馬も同田貫を帯びていたといわれている。僕もそうだろうと思う。

5月9日

 快晴。あまりに陽気がいいので、長嶋さンからいただいたユニホームを着てみる。現役の監督時代に着ていたものだ。何かスーパースターの思い出が、広がっていく感じ。着たのは今日がはじめてだ
 
5月10日

 高野山へそろそろ行かなければ。数珠屋四郎兵衛で伽羅の数珠を買おう。で、その数珠をはめたらキャラクターが起つ。これがモノによってキャラを起てる便法。「あいつ数珠屋四郎兵衛の伽羅の数珠をはめている。何者か?」となる。

 向かい合って座った男と女。テーブルの花瓶の花が枯れている。それだけで二人の恋は終わり。枯れた花が別れを告げている。モノによってキャラを起てる便法。

 8日の誕生日。祝いの言葉を沢山ありがとう。

5月11日

 ツイッター人気ランキングベスト10を見た。すごいなあ。フォローさせてもらいます。

5月12日

 久し振りに大阪へ出た。大勢の学生を相手にキャラクターを起てる話をした。非常に喜ンでもらえた。

 これから少しずつフォローをしていこうと思う。知己に出会えたら嬉しい。気軽に声を掛けて下さい。

5月15日

 日本で初めてキャラクターという言葉を使ったのは明治の学者西周(にしあまね)。彼の「国民気風論」のなかでケレクトルという言葉で日本人の性格を分析している。だから西周に感謝!

 松本人志が僕の子連れ狼の大ファンだったとは知らなかったよ。今日テレビで子連れ狼の事をガンガン言ってた。嬉しかったよー。

5月16日

 今日は小説を2冊読ンだ。やはり小説は言葉の美しいタイトルが多いが、漫画の場合は圧倒的にキャラクタータイトルが多い。その違いを改めて認識した。僕の作品のタイトルは「か」行で始まるものが非常に多い。カ行は言い易いのだ。亡き梶原一騎さンは濁点のつく言葉をよく入れていた。

5月17日

 今日、小田原の合宿所で弟子達と超能力の話をした。僕も今までの人生で不可思議な体験を幾つもした。超能力は本当にあるのだろうか? 人間が死ンだ後も超能力は残るのだろうか?

5月18日

 僕の合宿所に集まった漫画家たちが、今夜も自分の創ったキャラクターを、もう必死に動かしている。僕も頑張らなくっちゃ。

5月19日

 誰かが後ろから自分を見ている。そういう視線を感じることがある。それを欧米では「イーブル・アイ」という。日本語に訳せば邪視という。自分も、後ろから見知らぬ人をじっと見つめる。と、その人は必ず振り向く。イーブル・アイってなンだろう?

5月20日

 6月19日土曜日、トークショーをやることにした。キャラクターについて、イーブル・アイ(邪視感)、デジャヴー(既視感)、オーラ、カリスマ、等々…皆さンから寄せられた質問が多く、いちいち答えることも出来ないので、トークショーで話すことにした。お暇な方は来て下さい。

5月21日

 僕のトークショーへ大勢の方々の申し込みをいただいてありがとう。

 トークショーのテーマは、キャラクターを起てるためのオーラ。カリスマ。イーブル・アイ(邪視感)。デジャヴー(既視感)。孫子の兵法(プロファイリング)。マキャベリの君主論。…などです

5月22日

 今日は弟子どもが東京に帰っちゃったよ。一人ぼっちでノンビリと過ごしている。これからゆっくりとDVDでも観るかな。

5月23日

 今、キャラクターの眼の力を過去のヒット作(諸々の漫画)から探っている。眼は口ほどにものを言う。眼は心の窓とも言う。眼の力、眼力は言葉ではあまり表現できない。

 だが、漫画ではかなり強く表現できるのではないか。だからキャラクターには眼力が必要で、眼はヒットキャラクターを作る重大なポイントの一つであると思う。

5月24日

 キャラクターの眼力その2。昔見た景色がよみがえる。本当に昔どこかで見た景色(既視感)。キャラクターを過去に戻す時に役に立つ。漫画が苦手とする回想シーンが簡単になる。

 「キャラクター」についての問い合わせが多いなあ。特に大学・高校からの問い合わせが多いけど、よし、こうなったら手弁当でしゃべりに行きますよ。

5月25日

 僕は何でもキャラクターで分析する。例えば政治。現在、政治家で最大のキャラクターはアメリカ大統領のオバマである。

 彼の最大の弱点は支持率である。普天間問題にしても、長引けばそれがアキレス腱となり支持率の低下を招く。だから、日本にプレッシャーをかけてきているのだ。そうすれば、日本の景気も悪くなるだろう。キャラクターを通じて考えることで、色ンな関連が見えてくる。

5月26日

 http://twitpic.com/1r7dd0 - 合宿所に、バロン吉元の200号の絵が入った。謝謝!凄い絵だ!
 
5月27日

 僕のキャラクターの研究は、ついにクローンにまで来た。キャラクターのクローンは、やはりキャラクターなのか?クローンを使ってキャラクターを起てたら、作品は分裂するかなあ?今、色々やってます。

5月28日

 ヴァルター・ベンヤミンは『複製技術時代の芸術論』の中で、「一枚の本物の絵にはオーラがある」と言った。現代は複製の時代である。一枚の漫画のキャラクターだけでは複製大量消費の時代にはどうにもならない。 

 漫画のキャラクターは複製時代のキャラクターだから、ヴァルター?ベンヤミンのアウラの消失論は、消失した。とうとう僕のキャラクター論の中に、クローンが入った。

 iPadも規制が厳しいから、キャラクターも入り込むのに苦しいかなあ。

5月29日

 キャラクターを作るためにはものすごい集中力が必要だ。ヨーガを勉強しだした。ダーラナー(集中)というテクニックがヨーガにある。これから一心不乱にダーラナーとプラーナーヤーマ(呼吸法)をやるぞー!ハタ・ヨーガだ。ハは太陽、タは月を意味するらしい。

5月30日

 「私は無欲だ」と言えばそれは欲であり、「私は解脱した」と言えば、それは自己顕示欲の表れである。という成瀬雅春氏の言葉に感銘を受けた。
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 こんにちは! スタッフYです。

 先日、事務所を整理していたら、70年代の資料が大量に見つかりました。なかなか興味深いので、すこしずつ公開していこうと思います。

折しも、今年2010年は、小池が独立し、作家生活をはじめてから40周年にあたります。その記念企画ということで、小池一夫の40年を振り返る「小池一夫タイムトラベル」と題し、毎週「水曜日」に更新で連載していきますので、よろしくおねがいします。

 今週は、昭和46年(1971年)の記事をご紹介します。

 この前年である昭和45年(1970年)、小池一雄(当時の名前は「一雄」でした)はさいとう・たかを先生の「さいとうプロ」から独立しました。さいとうプロでは『無用ノ介』『ゴルゴ13』などの脚本を担当していました。独立後、1970年の後半には、小池は猛烈な勢いで、作品を発表していきます。

 そして、独立2年目の1971年。『子連れ狼』(画・小島剛夕)、『御用牙』(画・神田たけ志)、『高校生無頼控』(画・芳谷圭児)などの劇画が大ヒットしはじめた頃。今から39年前の毎日新聞の人物紹介記事です。

 ※全文引用したいところですが、著作権の関係もありますので、一部引用としたいと思います。青字、《》で囲んだ部分が引用部です。

(文責・スタッフY

S46mainichi

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《毎日新聞 (昭和46年(1971年)7月26日月曜日) 

「自分のドラマには劇画がドンピシャリ」

劇画「子連れ狼」の作者 小池一雄さん

 
 文学・映像につぐ第三のメディアとしてブームを巻きおこし、そのブームは去ったとはいえ、劇画はいま、着実に多くのファンをもっている。いわば安定期――。その安定期のなかで、驚くほど新鮮な作品をつぎつぎに発表しているのが小池一雄さん。

(略)「文学やテレビ、映画でも表現しえないものを劇画は表現できる。その可能性をぼくは信じています」》

 この記事が書かれた19717月当時、「劇画ブーム」は過ぎ去り、安定期に入ったと、一般的には考えられていたようです。しかし、今日の我々から見ると、まだ劇画ブームの最中という気がしないでもありません。というのも、この1年後には、「子連れ狼」の大ブームが起こります。劇画ブームもまず一段落、といったところかもしれません。

《劇画作家――いや、正確にいえば、劇画の原作者。劇画ブームがはじまった五年前ごろに、新しい職業として登場した。(略) 「それまでは、ストーリーを考えてシナリオを書く人と、絵をかく人は同一人物だったんです。ところが効率が悪い。そこで分業がはじまった。映画作りと同じですね。シナリオ作家がいて、カメラマンがいて、監督がいて……」》

 読者に馴染みのない「劇画原作者」に対する説明のあと、「小池一雄」のバイオグラフィーを紹介します。大学を卒業し、「ボヘミアン」のように「ブラブラ」していた小池青年は、「さいとうプロ」で、シナリオ作家を募集していたのに応募し、この道へ。劇画ブームの中で「無用ノ介」「ゴルゴ13」などを「書きまく」ります。

  (略)そしてブームが去ったいま、彼が書きつづけている「子連れ狼」は若い読者のあいだで静かだが熱狂的な人気をもっている。》

 「静かだが熱狂的な人気」という言葉も、1年後の人気の大爆発を予感させる言葉です。この後、『子連れ狼』のストーリーを紹介した後、時代劇への想いが語られます。

(略)《「昔から時代小説が好きでした。高校生のころから資料を集めはじめ、小説も書いてみたいと思ってたんですが、劇画にもひかれていた。結局、自分が作ったドラマを表現するには、劇画が最適だと思って。小島剛夕さんというすぐれた劇画家と知りあえて、彼が絵を書いてくれたことがよかったんですね」》

 さらに目下の興味として、「人間の極限状況をさぐりたい」「殺しの美学を追究したい」「禅の世界にも興味がある」の三点を挙げています。今読めば、この三つは、その後の小池作品のテーマとして、常に根底に流れているような気もしないでもありません。

(略)「ぼくには、人を殺すことなんかできないし、禅坊主にもなれない。だからドラマとして書きたくなるのかもしれません」

 確かに、「禅坊主」にはなりませんでしたが、現在、小池は真言宗の僧侶になっています。禅宗ではないですが、書けない時には坐禅を組むそうですから、不思議なものですね。

 《ブームのときには、若者たちに限られていた読者が、いまは漁村で働く人、主婦(略)と大きく広がりはじめていることがうれしいという。》

 おそらく、劇画に限らず、ポップカルチャーというのは、こういう具合に広がっていくのでしょうね。なんともリアルな話です。

 (略)《彼が書くドラマの主人公とはほとんど正反対に、ニコニコと大きな体をもてあましたように話す好青年。三十五歳。劇画に夢中でチャンスなく、いまだ独身。》 (了)

 というわけで、第一回の「小池一夫タイムトラベル」、今から約40年前、35歳の好青年「小池一雄」の姿をお送りいたしましたが、いかがでしたか?

 次回は同じく昭和46年、小池が北海道に行った際の珍道中(?)を、小池自身の手記によって紹介したいと思います。乞うご期待。

(文責・スタッフY

※「小池一夫タイムトラベル」は毎週水曜日更新です。

5月25日 『弐十手物語 鶴恋唄編』が発売されました。

Isbn9784862255983

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漫画スーパーワイド

弐十手物語 鶴恋唄編

他闘うことはいつも、やむを得ず。悲しみだけが残る…

26年間の長期連載で人気を博した本作から選りすぐりの全二話を収録しています。
『鶴かげろう』
水戸のご老公と熊野を目指すたびを始めた鶴次郎たちだが…。
『那智滝祈誓恋唄』
江戸から二十六日の道のりを経て一行は熊野の地に足を踏み入れた…。

作:小池一夫  画:神江里見

ISBN978-4-86225-598-3  定価:600円(税込み) 発売:小池書院
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