2020年 初夏
コロナでスケジュールがごちゃごちゃになって、
予定されていた仕事も中止になったり。

ふだんから芝居ができることがどんなことか、その当たり前のありがたみを身をもって溜め息混じりに過ごしてたある日に、
朝ドラ『エール』の池田二郎役のお話が転がってきました。

主人公の小山くんが戦争に加担した自責の念に苦しんでいたとき、彼は無理矢理引っ張りあげます、罪悪感の底なし沼から。

実は池田のモデルとなった菊田一夫さんも似たような境遇の持ち主だったのではと、彼の資料を読みながら想像してました。
彼も戦時中は敵愾心昂揚脚本をたくさん書いていましたが、戦後になって急に民主主義を唱って平和をたたえる作品を書くことに、とまどいが少なからずあったはずです。
そして戦犯文士として裁かれるかどうかという不安の日々も続いていました。
菊田さんは生まれも育ちも恵まれず、子供の頃からずっと苦労の連続で「人を信じると痛い目にあう」という台詞があったように、随分と大人の勝手な都合で振り回されたり騙されたりしてきました。
戦後の闇市の戦災孤児は自分と重なっていたわけで、『鐘の鳴る丘』の作品を通して彼らに少しでも元気になって前を向いてほしいという、菊田さんの温かくて熱い信念があったのだろうと思います。

戦後の瓦礫から娯楽・芸能という花をふたたび咲かせてくれた、タンポポみたいな池田二郎という人間を演じているうちに、僕自身もどんどん元気がでてきて。
いつのまにかずっとエールをもらってたんですね。
そして、そうかぁ人を励ますと自分も勇気がますます湧いてくるもんだな、と。
なんだか池田二郎さんから色々と教わりました。
本当にお会いできてよかっです。
ありがとうございました。

いよいよ最終回ですが、
スタッフの皆様、
窪田正孝くん二階堂ふみさん並びにキャストの皆様、
本当に本当に本当に、
お疲れ様でした!
_var_mobile_Media_DCIM_110APPLE_IMG_0827.JPG