今日は脚本執筆の日。
と言っても、今まで書いた部分に修正を入れて、後半に向けてストーリーを深めていく作業。

そればかりの1日だったので、今日も思い出話。
一本目の映画の思い出話。

僕が29歳の時、1999年、冬の盛岡オールロケの作品。
主演は田口トモロヲさん。
この時はNHK「プロジェクトX」のナレーションで大活躍大忙しの中、スケジュールをあけてもらった。

ロケ最終日の1日前がトモロヲさんクランクアップの日。

20時ぐらいの最終新幹線に乗って東京に戻らなくてはならないトモロヲさん。
翌日が朝から「プロジェクトX」収録だった。

この日は山の中の一軒家でロケ。
ある芸術家さんの家で、壁が土でできていて、まわりには民家が全くない山の奥の奥のさらに奥。

18時半くらいで残りは2シーンになった。
1階が2シーン。2階が1シーン。

その前が1階で撮影だったので、機材も人も1階に。
この映画はフィルム撮影。ビデオと違って暗いと映らない。照明が絶対必須。
なので機材移動とセッティングで1時間はかかる。

そして僕はとにかく遅い…。細かい指示と、割と粘って撮るので、とにかく遅く、この当時は1シーン撮るのに3時間ぐらいだったはず。

さて、機材も人も1階だったので、そのまま1階を撮り、その後、機材と2階へ運んで撮るともしかしたら両シーン撮れるかもしれない。
ところが実は1階のシーンは捨てても大丈夫。
2階のシーンは絶対に落としてはいけないシーン。
安定を狙うならもう2階に移動して、1階シーンを捨てるべき。

勝負をかけて2シーン狙うか。
ただし2階が撮れなかったらストーリーに支障が出る。
そして2シーン撮れるかといえば…厳しい。

安定を狙って2階から撮るか。
機材を2階に運んで、再び1階に戻して撮ることは100%無理。
大事なシーンは撮れるが、1シーンはこぼさざる得ない。

普段はあまり悩まない僕でもさすがにどうしようと思い…この時、時間もないのにスタッフに「ちょっと歩いてくる」と言って外に出た。

雪が深くて膝まで埋もれた。
さらに冷たい雪が顔に当たる。
あたり真っ暗で森の影しか見えない。

歩きながら意味なく涙が流れた。
あまりにどうすればいいのかわならなくて、悲しくもないのに涙が流れた。

で、振り返ってみると…真っ暗闇の中でロケ地の家だけが煌々と明るかった。

最初から安定志向じゃみんなを裏切る!

よし!と決意して、急ぎロケ地に戻り、「一階から撮る!」とスタッフに告げた。


と、書いてるうちに長くなったので、続きはまた今度。
って誰が読むんだ、こんな話。
制作日記になってない…反省。


昼はケーキ。夜は麻婆豆腐。
甘党のビール党なんです。