月別アーカイブ / 2015年08月

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こんにちは、Kindleまとめサイトkindou.info)の中の人zonです。Kindle界隈ではちょっとしたメディアと自負してますが、PVは40万ほどとそんなに多くもありません。自サイト名で検索したらわたしのヲチスレに順番で負けてた時は愕然としました。


さて、そんな弱小ブロガーではございますが8月29日発売した電子書籍Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話」が一時は総合ランキング1位となり予約期間(23〜28日)1,831冊、初日に418冊売れました。ありがとうございます。


もちろん、お金が欲しいのでたくさん売れるように頑張ったのですが、それと同時にやってみたかった電子書籍の新しい読書体験を検証するためにはとにかく数字が必要でした。おかげさまで機能して、一定の成功をおさめましたのでそのご報告です。


わたしは電子書籍が読書体験をもっとソーシャルにしていく!ということを考えてまして、著者と読者、読者と読者の距離が短くなって電子書籍を通じて繋がっていく。そんなことを狙って本書を構築しました。


エライ人達が電子書籍を語る際は紙とはまた別のインタラクティブなメディアとして云々なんて聞きますが、既存のツールの組み合わせと読者が面白がる仕組み、そして著者に根性があれば十分できる可能性を示せた、なんてね。売れなかったら恥ずかしいので黙っておくつもりでしたが、最低限結果がでたので語らせてください。


『読者と著者、読者と読者の距離を短くする』自著に仕組んだ、電子書籍の新しい楽しみ方


本題に入る前に、売れるために仕掛けた戦略は前回の記事に詳しく書きましたのでご紹介。


1.Kindleユーザーが集まるメディアを1000日休まず運営した


2.クオリティの高い表紙を用意した


3.発売日に向けて内容を小出しにするなどブログ等で盛り上げた


4.後から値段を上げると明言した(既に51円値上げしました)ですな。


あらためて読了頂いた皆さま、ありがとうございます。たくさんの「面白い」という声とともに、誤字脱字や期待した内容とは違ったということで「残念だ」というお言葉もいただき申し訳ありません。


レビューにて「売り物としてのレベルが低い」と、厳しい指摘を頂いた誤字等に関してはすでにアップデートした最新版に差し替え完了しました。出来る限りより良いものをと励みましたが、それでも第1版に至らぬ点あったことをお詫びいたします。……ごめんね。


さて、それでは本題です。


本書は「電子書籍担当者による販売力の強化」という内容ですが、これと同時に読者参加型という電子書籍ならではの読書体験を生み出す仕掛けを組み込みました


やることは単純に「とにかく本文をシェアしてもらう」「著者(わたし)がそれに迅速に反応してコミュニケーションをとって盛り上げる」をグルグルまわすことで、書籍を通じた対話を模索しています。


著者と読者がコミュニケーションするためにとにかく本文をシェアしてもらう


電子書籍を通じたコミュニケーションをするためにツールとして今回は『Twitter #きんどう本』とKindle公式のSNSkindle.amazon.co.jp』を利用しています。


やってることは単純で、本文内に「シェアして読んでもらいたいから、まずはテストでココをシェアしてみてね #きんどう本」とハッシュタグ付きでシェアを練習してもらってハードルを下げて、また本文内に数回「ここでクエスチョン」と意識的にシェアをする箇所を組み込みました。実際のページはこんな感じ。現在108人がハイライト・シェアしてくれていますね。


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狙いはただ黙々と読む読書ではなく、書籍に参加してもらう、議論をリアルタイムで起すという実践。

本取り組みはわたしのオリジナルというわけでもなく、基礎はKindle初代開発者ジェイソン・マーコスキーが著書「本は死なない」で提唱した未来像と仕掛けをほぼそのまんま応用しています。


電子書籍ならではの出版や作品!なんてのが議論になりますが、そんな新しいものが根付くまでは時間がかかりますからなぁ。それよりも既存のツールを組み合わせて読者に付き合ってもらいながら、楽しみ方をアップデートすることを目指しました。


結論から言うと「これが面白いかどうかはわからないけども、可能性はある」といったところですね。数字以上の反応がリアルタイムで見えるというのは、読書としては画期的なんじゃないかな


ゲームで言うところの実況系、といいますか。これを上手く仕掛けると書籍も実況ブームが来るかもなーという印象。書評家とは違うカリスマリーダー(読み手)なんて人が生まれるかも。


実用書に限らず、小説でも応用可能な手法なのかもしれないなぁ。アガサ・クリスティーのようにここから解決編ってなるようなタイプのミステリーとかなら即応用できそうです。


実例:Twitterを使ったソーシャルリーディング(リアルタイム)




実例:Kindleの機能を使ってシェア・ハイライトを一覧化 

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>> kindle.amazon.co.jp


やってみた感想。一方的に仕掛けを用意するだけじゃ多分、読者は動かない

さて、はじめての実践なわけですが、シェアする仕組みを用意しても……たぶん、そのまま狙い通り読者が動くことはないでしょうなぁ。グレイトフォロワーの登場や、ある程度そうするのが自然という流れができるまではとにかく丹念に耕す必要がありそう。


今回の場合はそれが面白いと、盛り上がっているという雰囲気が生まれるように序盤は地道にTwitterでスターをつけてリプライを返し、エゴサーチしまくって御礼を述べて、疑問にはリアルタイムで答えて、褒められたら感謝してをほぼ1日ずっと続けました


特に一番最初のシェアされる内容が「この本を読み始めました」なので、そこで迅速にコミュニケーションをとれれば最後まで仕掛けにのってもらうことができるかなと。熱心な読者さんと序盤にどれだけ密なやりとりをするかがキーになってきそうです。


たぶん、こういったことを楽しめないと難しいですなぁ。あと、ネガティブなコメントが来た時にどう対応できるかが課題。


参加型書籍の先に著者と読者の関係を再定義する


さて、まあやってみたかったというのが本来の目的で、成果がでるように用意周到に計画して一定の可能性をみたし、読者さんと会話するって非常に面白かったので満足したのですが、せっかくなので、その先にあることの考察をすすめましょう。


電子書籍の最大のライバルはおそらくソシャゲとSNS。両方とも誰かと繋がる、コミュニケーションが面白さの中にあるわけですが、画面の向こうに誰かがいるという感覚はこれからネットを楽しむためのキーになると思うのですよ。


だったら、電子書籍もそっち方面に進むのもありじゃないかなと。1つは著者と読者、もう1つは読者と読者の関係ですね。これまではイベントでもない限り繋がることのなかったものが、ちょっとした仕掛けをするだけで可能性があるんじゃないかなぁ……くらいのことは示せました


まだ、わたしの本は発売3日目ですし、ここからさらに内容について議論などがはじまれば……と言いたいけど、そこまで深い本じゃないので素材に問題があるかな。解釈であったり、ツッコミどころが多ければ読者同士での会話も生まれていくような気がします。


そうした仕掛けがバイラルを生む出版プロモーションの次の形になったり、著者と読者の関係をより強固にしていく。まぁ、そんな未来の可能性についてはKindleの出版プロジェクトのひとつ「ドミノ・プロジェクト」を指揮しているマーケティングの神様、セス・ゴーディンが2010年に示唆してるんですけどね。


電子書籍先進国のアメリカはスゴイわ。手のひらで踊らされている感があるけど、彼らが示唆したことを愚直に実行していくことで先のことが見えてくるんでしょうね。手応えと可能性はたしかに感じた。


ドミノプロジェクトは1年限りの実験で、2011年に終了しちゃったはずなんですが最近も普通に続いていますね? 気になる方は公式サイトをどうぞ。→ The Domino Project


電子書籍ストアを使った同人誌即売会で日本版ドミノプロジェクトをやってみよう


ただ、アフィサイトにこの可能性は使いどころがあんまりないので、前回の記事で思案した「電子書籍を使った同人誌即売会(一次創作)」を使って、日本版ドミノプロジェクト(仮)について可能性を検討していこうかなと思います。やる気もないくせに偉そうに!と言われたので、たしかに実証しなきゃダメですもんね。


しかし、ドミノプロジェクト商標的には問題ないけども、さすがにそのまんまじゃあれなんで何かいい名前考えなきゃ。セス・ゴーディンのビジョンはある程度のキャリアのある作家らで連鎖させるイメージだけども、今のところ考えてるのはゼロスタートの積み上げるカタチなんだよね。わたしにそんな繋がりも信頼もないので、そこからしかできない。


やるなら、こうビシッとした名称でやりたいな、菱餅計画とか? どんぐりプラン、賽の河原作戦……。ピンときませんなぁ。


ちなみに、現在のアメリカ電子書籍作家の流れのひとつに「Kindle依存の脱却」があるので、そこまで視野にいれておきたい。曰く”Amazonに読者の情報を全て握られているままじゃ意味が無い”的な。その結果のアプローチがメルマガだったりするので、どうなんだアメリカ……と、思ったりしますけども。


まぁ、本格的にそれらまじめなことをやる前に出版記念のご褒美で買ったPS4の「BLOODBORNE」をクリアしてからですけどね!前作から考えると、あと80時間くらいかかりそう。


最後に、みなさんから頂いた現在までの書評をまとめておきます。

0.Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話 > Amazonカスタマーレビュー


1.『kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話』を読んで感じたこと。 | DRESS CODE.


2.極楽京都日記: 「今日から君も本屋になろう」 #きんどう本


3.【kindle】きんどうさんの本を読みました! - †でおきしブログ†


4.この世の全てはこともなし : Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話 きんどうzon


5.【読書感想】Kindleのまとめサイトでどうにか1000日間生計をたてた話 - 琥珀色の戯言


6.#きんどう本 を読んで思ったこといろいろ | はげあたま.org


7.「Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話」という本の話 - 景虎日記


みなさん、ホントに発売すぐに読了いただきありがとうございます。愛があったり鞭だったりと、いやぁ励みになりますな。


【9月4日まで】発売記念の150円キャンペーン実施中

Kindleのまとめサイトでどうにかこうにか1000日間生計をたてた話
きんどう zon (著), 鈴木小波 (イラスト)
価格:9月4日まで150円 「きんどう 通称:きんどるどうでしょう」管理人のzonです。サイト開設1000日目を記念して「他業界や、出版社業界で編集や紙書籍の営業から、電子書籍の担当になった人」向けにこれだけできれば上手くいく!というところまで具体的にメディアづくりについてまとめました。


こんばんは、Kindleまとめサイトkindou.info)のチラシの裏今回はKindleストアで同人誌即売会をやってみよう!という企画についての試案。いやいや、わたしが音頭とってやるとはいってませんからね。


先日、Twitterでこんなツイートを見まして。






Kindleもはじまってもうすぐ3周年。税金の手続きがほぼオンラインで完結するようになり、配信用ファイルを作るための公式ツールやノウハウというのも結構な方々が公開されているのでグッとハードルが下がってます。実際、色んな方が個々人で創作同人誌(一部……大丈夫なのかわからない二次創作)を発売してるので、ちゃんと企画さえ練れば色々できそうだなぁなんて感じています。


ただ、わたしは同人イベントの運営経験があるというわけではないので、粗々な部分はご容赦ください。ご経験者の方々にはぜひブラッシュアップをしてもらいなんか実現できたら面白そうだなぁというお話でございます


>> Kindleストアで「同人誌」をチェック


前提の話:一次創作はもちろん問題なし。二次創作販売は許諾さえとれば大丈夫


企画を練るにあたってまずは前提の話。個人創作の配信はまったく問題ないですが、Kindleは商業ルートですから、勝手に二次創作作品を販売すると著作権侵害になりますからね。


では二次創作系について興味深い事例から。下記は星雲賞受賞作家・菅浩江さんによる『放課後のプレアデス』ノベライズ版の宣伝PR用電子書籍。これは出版社・アニメ制作会社(GAINAX)の許諾をとって菅さんが配信された作品。



二次創作とは若干違いますが、著作権まわりをクリアして著者個人が販売責任者としてリリースされていますので同様に企業・出版社がオッケーをだせば個人でも問題なくできそうです。


また、アメリカ本体のKindleでは『Kindle Worlds』というAmazon側で著作権関連を解決させて、個々人に二次創作を自由に販売してもらうというサービスを実施しています。日本ではじまるのは随分かかりそうですから、今回はこっちから仕掛ける体で。


企画:二次創作イベントをKindleストアでやってしまおう


必要な物は3つかなぁ。


1.企業や出版社など著作権社の許諾を取る
2.レギュレーション(ルールや条件)を作る
3.参加者を集める


あとは発売日を揃えて一気に売りだして、何か適当な告知サイトを作って参加者で盛り上げていけばそれっぽい感じでできるんじゃね?と。現実にイベントとKindleストアでの販売も同時に行うと面白いかもしれない


この時、肝心なのは『発売日を揃えること』と『期間を区切る』ってことかしら。発売日がバラバラだと買い手側が作品を探しにくいでしょうし。期間が無制限だと企業も著作権の許諾を出しにくいでしょうから◯月X日〜◯月□日までの限定販売なんてのが出来れば。


たとえば、映画化記念や新刊発売、ゲームなら次作発売記念とか……公式側が何か盛り上げたいという時に提案すれば通るといいですなあ。最近動きがある円谷プロとかでできれば面白そうだけどなぁ……。


具体的な進め方


一次創作の場合:テーマを決めて参加者募って特設ページを作って一斉販売開始。ずっとじゃなくて期間限定発売!と煽ることで話題を作ったり読者の注意を引くとかできるんじゃないかな。


二次創作の場合:まず、運営の核となる個人・もしくは組織が著作権者を説得する。許可がでれば『開催日時・参加者の募集』を行う。期日が来たら個々人でKindleにアップしてランディングページを作って発売。


運営側の収益化の試案:二次創作のほうはフィギュアの販売みたいにライセンス利用料をとって版元と折半とかできるかもしれないけど、参加側にリスクあるからなぁ。安全なのはアフィコードと広告くらいしかおもいつかねぇ。


実際何かやるとなったら、いきなり二次創作じゃなくて一次創作で実績作って徐々にかな。興行屋ビジネスとおんなじ理屈で儲けをつくっていける気がする。


ほんと、繰り返すけどもやろうと思えばできそうだなぁという試案だからね。現実の会場押さえてなどのイベント運営よりはコストかからないし、上手くやれば化けそうだなぁとお金の匂いを感じているけども……わたしがやるとこの企画は商業主義に突っ走ってヘイト値を稼ぎそうだから危険と思ってます。


そうそう、ところでマンガ家・小島アジコさんが「はてな村奇譚」を戯画化してKindleストアで配信中なんでご紹介。


一部のネットサービスで話題となった、あの「はてな村奇譚」がKindleで配信されています

はてな村奇譚上
小島アジコ (著)
はてな村という京都の片隅にある寒村で起こる、不条理な出来事を漫画にしました。 承認欲求に取りつかれると人は化け物になる、ということを戯画化した物語です。 一部のインターネットサービスに詳しいとより楽しめます。




はてな村奇譚下
小島アジコ (著)
はてな村という京都の片隅にある寒村で起こる、不条理な出来事を漫画にしました。 承認欲求に取りつかれると人は化け物になる、ということを戯画化した物語です。 一部のインターネットサービスに詳しいとより楽しめます。




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こんばんは、電子書籍の紹介だけで生計をたてています(kindou.info)でございます


昨日書きましたプロマンガ家のためのメディア作り論について、実際にマンガ家の緒方ていさんに読んでいただき意見交換をしてみましたのでその結果をば。


結論から言えば、大筋で必要性を認めつつも『……ブロガーとして生きてく覚悟はまだ』ということでした。そりゃそうだ(笑)


マンガ家のプロモーションってビジネスチャンスのある分野とは思いますが、王道は作品をつくること。ただし、全くしないというのも問題ということで、色々考えていきたいご様子。いざ本気でやるとなると大きな一歩すぎますからなぁ。


そして、わたしに期待されている部分として方針策定とかメディアの設計的ないわゆるコンサル的な話も頂いたのですが、この辺、お金がからむ分野なんで詳しくは書けませんけども、月額でフィーをもらってよりも、きんどうをやってるだけの方が圧倒的に楽でもうか(ry


まぁ、そんな話を今夜は掘り下げつつ、現在連載中という『ラフダイヤモンド』を献本頂いたのでそちらのご紹介。


>>緒方ていさんからもご意見を頂きました。



「プロマンガ家のためのメディアの作り方」をマンガ家が読んでみた



昨日書いた記事ですね。これを基に2時間近くお話してたのですが、要約すると「元連載マンガ家やメインストリームから若干外れたところにいる方、アプリ系などこれからのマンガ家さんには間違いなく必要な取り組みです。いやがる編集者がいるのも事実ですが、許可がでるなら絶対にやったほうがいい。ただ、ここまで出来るかは別問題。やれば上手く行く、というのはわかるのですが……」という話。


緒方ていさんの場合、創作活動しつつマンガ学校の講師して毎日ブログに2時間向き合うのは時間が……的な。そりゃそうですわ。


でもまぁ、メディアプロモーションって誰もできないから上手くやれば成功する余地があるって話ですからなぁ。あれよね。ダイエットや筋トレみたいなもんで、やれば成果が出るし人生を良くするかもしれないけどそこまで頑張れないよね!という、ちょっと違うけども、まぁ、そんな感じで。実際、お金を払ってガチで作りこむのはライザップに似ている気がするんよねぇ。


そんなわけで、自然とわたしに期待される役割としてコンサル的な話にもなるのですが、わたしはただ自分のサイトをのんびりやっていたいというぐうたら主義。緒方ていさんもまだ本気でどうこうというわけでもないので、あくまで雑談の延長であーでもないこーでもない的なお話がメイン。


でもまぁ、緒方ていさんだけでなく他のマンガ家のさんにこれから必要なことかも!ということではあったので少しだけ踏み込んでビジネス的な見解をお話しました。契約形態としてはたぶん次の3つになるかなと思う。


1.初期費用+月額報酬固定型。

普通のWebサイト製作とサポートですね。月額報酬を厚めにしてWeb専門のアシスタントという役割。これはマンガ家さんにとって金銭的に痛いが、バックレられても問題ないから担当者としては安心できる。マンガ家とアフィリエイターとお互い不安定な生き方だとしてもお金周りはキッチリしたい。


2.完全成功報酬型

上記が『いくらだったら引き受けられるか?』ということで、総額が個人事業主としては厳しい額になっちゃったのでもうちょっと現実的にということで、割り切ったのがこちら。


金銭的に苦しいマンガ家さんを全力で応援しよう!という夢を共有するタイプですね。


ホントにわたしが提案したとおりに馬力を発揮してくれて、フルにやりきれば広告料+アソシエイトで数ヶ月でモノスゴイ数字が作れるハズなんですよー。……なんて夢を見るのはいいのですが、初期費用を抑えて契約しても『やっぱブログかけない><』『Twitterで小まめにつぶやくの無理』とか言われてお互いフラストレーションになりかねないので難しい。わたしはブラックな人間なので要求するノルマが厳しすぎるという。


3.折衷案 初期費用+成功報酬折半型

最低限のお代をいただいてお互いの体裁を整えつつ、ご本人の頑張りに期待する。一番現実的なんだけど、これって一番書き手が諦めやすいんですよね。お金を最低限払ってる分義理も果たしてますし。日々の忙しさから更新をサボり……という心配がある。


最終的に諦めるなら、そもそもやる必要はないかなと。先の記事でも書きましたが更新されない・戦略の無いメディアは不要と考えています


なのでまぁは『……ブロガーとしては生きてく覚悟がまだ』という話につながります。エラソーなことではあるのですが、わたしもこれだけで生計立ててるのでやるからには必死になってもらわないと困るんですよねェ……。


わたしの見解:ブログコンサルに依頼するより、本人が頑張ったほうが面白いメディアができる

わたし自身、電子書籍を使ったアフィ屋さんとしては日本で唯一の専業じゃないかと思いますが、ブロガーとしてもプロモーターとしての実力もそんなに高いわけでもないので、適任とは言いがたい。ただし、どこが成果を出せるかは正直わかりませんけど今後プロモーションに強いとうたう専門のエージェントや編プロがビジネスとして台頭しそうだなぁという印象


実際電子書籍のプロモーションを請負います!的なところは色々ありますが、ただ……強くはいいませんが、いやぁどうかなぁ……。


個人的には中途半端にわたしみたいな胡散臭いアフィリエイターやブロガー、エージェントに『できない!』と最初から頼むよりも、当事者が本気になるのが遠回りでも正解じゃないかな


もし頑張りたいというマンガ家さんはとにかく自力で勉強しつつ、ある程度習慣化されてきたら本格的なテコ入れを考えるというのがベターかなというのがわたしの意見。


マンガを連載させるとはまた別能力ではありますが、これはこれで面白い領域ではあります。なにより、今後でてくる若い世代はコレをナチュラルにやってくる可能性がありますから。


また、最後に『ラフダイヤモンド』の献本を頂いたので、緒方ていさんのTwitter活動とあわせてご紹介


ベテランマンガ家・緒方ていの実際の経験を活かした実践系創作マンガ『ラフダイヤモンド』既刊2巻まで発売中です


[まとめ買い] ラフダイヤモンド まんが学校にようこそ


緒方てい(著)


内容紹介
連載が終わったばかりの高校生マンガ家・高槻勇斗。普通の学生として青春を取り戻そうとした矢先、マンガ家の幽霊・天王寺あきらと出会う!! さらに専門学校のマンガ学科から講師の依頼がきて…!? 夢に向かって奮闘する若者たちの物語が始まる!!




本作は集英社の実験的なマンガアプリ『ジャンプLive(サービス終了)』から現在の『ジャンプ+』という完全デジタルネイティブな媒体で連載している作品。そのため、ほとんど知られていないという不遇な立ち位置。


ただ、内容に関しては実際に、緒方ていさんのマンガ講師としての経験や、アミューズメントメディア総合学院大阪校など専門学校への取材など準備に5年の歳月をようしたという意欲作


マンガ創作そのものに興味の無い方向けでも楽しめるように強烈な個性を持つキャラクターをはじめ、定評のあるお色気にファンタジー要素ありと……かなーり色々詰め込んでいます。現実的な創作ノウハウと突飛な登場人物があわさって、勢いが超電磁スピン気味なのが気になるところ。


連載媒体がアプリ系なのでとにかく1話ごとに強く特徴をださないと難しいんですかね? マンガ専門学校やマンガ家の仕事について興味があるという方には実りある作品ですね。現在2巻で、もうすぐ3巻がリリースされるそうです。


また、本誌の連載とあわせてTwitter上でマンガ創作ノウハウを公開する【リアル授業備忘録】という活動もされています。こういう活動が連載とあわさってプロモーションにつながっていくというのは面白い取り組みですね。最後に人気のツイートをご紹介します。







こんにちは、Kindleまとめサイトkindou.info)の与太話。きんどうりさいくるのお時間がやってきました。


さて、昨日ですね京都で開催された鈴木みそさんのイベント『電子コミック時代の漫画家生存戦略』の打ち上げにてプロ漫画家・緒方ていさんから『どうやったら電子書籍って売れるの?』とご質問されたので、そのアンサーをまとめます。名前をだしてもいいので具体的にと許諾をいただきましたので真面目に考えました。


先に結論から言うと、電子書籍を売るためには『Webプロモーションを頑張る』のが一番確実です。ネットで買うものですからね。そして『読者が作品を読む理由』をあらゆる機会をもって提供することを徹底的にやりきることです


それを実現するためのキーワードは『新規(潜在)顧客を獲得と既存顧客を深堀りする』っていたって普通の営業戦略を実行するだけ。具体的にはソーシャルメディアとブログですわな。


この2つの役割をしっかり考えてグルグル回して、新作をリリース直後に買ってもらう可能性を徹底的にあげつつ、既刊作品も手を伸ばしてもらうしかないかなと。


そんなわけで今回の記事は完結作品が何作かあってすでに電子化している+連載作品を持っていてTwitterしかやってないマンガ家さんが、今後電子書籍を売るために考えたいメディア作りの一例を述べます。ただ、バカみたいに本気でやってもらえれば成果に必ず繋がります。


→ 実際にこの記事をもとに緒方ていさんと打ち合わせをしました。


プロ漫画家さんが電子書籍を売るためのメディアの作り方


まずは定義から。「電子書籍が売れた」とひと口に言っても出版社や電子書籍ストアの努力の結果やファンの活動/口コミによって自然に部数が伸びることは『売れた』。マンガ家個人のプロモーション施策を通じて成果を出したものは『売った』と違うものです。今回は後者をどう意図的にやってくかを考えます。


そのためには、ファンを集めてリピーターを獲得する『メディアづくり』と、自分・出版社・電書ストアによる『商品施策』の2つが必要です。


新規/既存の読者を集める「メディアの作り方」


結論から言うと『うざいくらいにTwitterで話題を作って』『ブログにユーザーを誘導して』『最新刊や既存作品を知ってもらおうぜ』です。


メディアはストックとフローと2種類の性質があるので、たとえばじっくり読ませるようなモノはTwitterに書いても流れるだけなんですよね。そもそも、Twitterは瞬間的なゆるいつながりが特性なので、新刊情報を案内しようがその後に書いた映画の感想なんかで自分で情報を下に流していってしまうことになります。


だから、ちゃんと使い分けを考えて読者に適切な情報提供を心がけましょう。


1)具体的なTwitterの使い方例

新規(潜在)ファンを獲得する - RTされやすい話題やネタを意識的につぶやいて自身の認知度をあげる。流行りものに乗るというのが手っ取り早かったりしますね。今ならスプラトゥーンをやりつつマッドマックスを見る的な。


既存ファンを自ブログに誘導する - ブログを更新したとしてもその更新通知を必ず受け取るほどのファンは稀です。ブログを更新したらそのことをちゃんとみんなに知らせましょう。


新規/既存問わずコミュニケーションをする - Twitterの最大の役割はコレ。やりすぎると作家の神性やブランド毀損につながる可能性もありますが、作品を知っているだけという方をコアなファンに昇格させる可能性もあります。


リプライやRTされたものへの受動的な行動と、作品名や著者名をサーチして能動的な活動を組み合わせましょう


ただし、大事なポイントですが『買って』『読んで』『感想をくれ』等の読者に行動を頼むのは読者のやる気を削ぎます。感謝を基本とした、行動が望ましいです。


また、悪口や悪評に関しては反論はやめましょう。その時間は作品作りや自分を好いてくれているファンに使ってください。『たしかに問題は自分にある』という場合は特定の誰かに向けて説明するのではなくただ一言『ごめん』とツイートしてしばらく黙るくらいが良いかと。議論は作家がやる仕事じゃないですから。


2)具体的なブログの使い方例

更新内容について - 作家としての仕事に関わることや、業界に関わることなど8割はマンガ・創作をテーマにしましょう。イラストを載せるやプロ漫画家として意見や、作品そのものに関わることを読者は読みたがっています。それらが蓄積されていくほど、資産として活用していけます


一方でついやりがちな今日食べたご飯の話や、まったく無関係な政治の話題などはファンサービスやネタ切れの時くらいにしておきましょう。メディアが持つテーマがブレてしまうと、ファンは離れていきます。


更新頻度について - サイト更新直後はとにかく更新をし続けてください。リピーターを獲得して、かつ更新が習慣になる……そうですね3ヶ月程度は毎日2〜3記事が望ましいでしょう。200記事もあれば、ブログとしての体裁も整いますし、効果を実感し始められますよ。普通の人が1年更新をちょっと頑張った程度になりますから。それを短期間につくり上げれば時間をかけるよりも効果的なメディアに育ちます。


デザインについて - Twitterとの違いは情報を蓄積できることと、ある程度伝えたい情報をこちらで意図できることです。サイドバーには新作/既刊の案内を目立つように配置し、かつカテゴリーをしっかり作りこむことで訪れた読者にしっかりと情報提供をしましょう。


3)FacebookやLINE、メルマガ等他メディアの利用について

メディア特性の違いがそれぞれあるので今回は割愛。ただ、メディアを増やせば読者と接する機会は増えますし、また違う層と触れることになるのですが今度はメディアの維持にパワーと時間をとられますので2,3のメディア運用だけに抑えて重点的な運用がベターです。


週に1度更新するかしないかわからないブログにTwitterと同じ内容を垂れ流すFacebook。最終更新が3ヶ月前のメルマガとかは負の資産でしかありません


2.価格施策や宣伝など電子書籍の「商品施策」


これはマンガ家さんが自身でコントロールできることと、出版社・電書ストアによる突発的な出来事混ざっているので上手くやるにはタイミングが重要です。


1)マンガ家が自分からできること

新刊がでる時 - 発売数日前/発売直前/発売直後/発売3日後頃という、4つのタイミングを活かしてください。


電子書籍は読者に発見されて自然に売れていく、ということはあまり無いので狙ってスタートダッシュをかけるだけでライバルに差をつけられます。とにかく、発売された直後にどこまでランキングを伸ばせるか、そのために出来ることを集中的に実施しましょう


具体的には告知イラスト・執筆中の苦労話・発売しましたやお買い上げありがとうございます記事が自分でできることですね。また、可能なら事前に根回して書評記事などを誰かに書いてもらって自ブログやどこかのメディアに載せてもらう等々もできるでしょうか。ほかにもインタビューに答えたり対談なり、とにかく新刊発売をお祭りと捉えて盛り上げるのがベストかと。


そして一番肝心なことですが『未読の読者が最新刊だけを買う』ということはレアケースです。ちゃんと1・2巻も紹介して、新規読者の獲得も意識しましょう。可能であれば価格施策含めて出版社に相談するのも戦略ではと思います


普段から既刊を売る - Twitter、ブログを頑張るのです。とにかく頑張って普段から自分の作品に触れてもらう機会をつくるのです。イラストや創作秘話なんかを公開するのです。とにかく作品に興味を持ってもらうようしたたかに、ただし読者に媚びず、なおかつ『売りたい』『買え!!』なんて思ってはいけません。大事なことは読者が作品を読む理由をどう提供するかです


2)出版社・電書ストアによる突発的な出来事を利用する

出版社のキャンペーンに乗っかる - 緒方ていさんの場合、集英社の作品が多いわけですが集英社は基本的にセールは滅多にしません。ただし無料キャンペーンは機会を見つけては精力的に実施しています。


たとえば、今ですとウルトラジャンプ20周年記念とにこいちマーガレット配信記念による大規模なお試しキャンペーンを実施しています。また、新刊の配信タイミングでは第1話だけをまとめたニュース本も配信しています → Kindleストア 集英社の無料作品


忍空』がお試しキャンペーンなっているわけですから、ええ、機会があれば連載中の『ラフダイヤモンド』はもちろん『キメラ』シリーズをキャンペーンにしてくれる可能性があります。むしろ編集部に相談してみる、くらいは可能じゃないでしょうか。ラフダイヤモンドは新刊記念でもいいでしょうし、キメラはなんかほらあるでしょう?画業何周年記念とか。


電書ストアのキャンペーンに乗っかる - こちらはいわゆるセールですね。これは出版社も知らないのでほんとゲリラ的に行われるのですが、いきなり全品50%OFFやポイント還元なんかが実施されます。


このタイミングでたとえば既刊の紹介イラストを載せて自分からストアに誘導するようなツイートやブログ記事を新たに書いたり、過去の案内や書評などを紹介するなどの『積極的な営業』を実施できます。


やり過ぎると読者に引かれますので、ほどほどにイヤらしくなく、しかし熱心にやりましょう。自分が仕掛けた結果に反応したユーザーさんのコメントをまとめたり、お礼を述べるなどがいい塩梅になるかと思います


最後にまとめ。やりすぎは肝心。あと何をするにも出版社とまずご相談を


ネットのプロモーションを頑張って実際に数字がでてくると結構夢中になります。もっと売れる!売りたい!なんて思うかもしれませんが、マンガ家・作家さんは売るのが仕事ではないのであまりやりすぎるのは読者離れにも繋がります。繰り返しますが「読者に作品を読む理由・機会を提供する」ことに集中して、その結果が売った/売れたに繋がればいいんじゃないかなぁと思います。


また、こういう取り組みは出版社/編集者の機嫌を損ねる場合が多々あるので。出版社が電子書籍の販売に熱心じゃない、方針として嫌がっているという場合はいい落とし所を相談しましょう。この辺りはホント、出版社との関係がもうとてもセンシティブなもんですからねぇ……。この記事を他のクリエイターさんが真に受けて無断で実施されてもわたし責任持てませんよ? ちゃんとやれば電子書籍を売るだけであれば成果につながるはずですけどね。


あと、今回は自作品だけの取り扱いを述べましたがこの発展として他のマンガ家・作家の作品の営業マンになるというのがあるんじゃと思うのですよ。出版市場が縮小し続けているなかで苦しいのはどのクリエイターも一緒です。


だから、自分の作品だけじゃなく、自分の読者にもっと他の作品を手に取る機会を提供して創作の世界を豊かにしていく、その結果として自分の作品にも読者が新たについていくというプラスの循環ができるんじゃないかなと。


打算的な話をすると、ええ、緒方ていさんがモノスゴイ勢いで他の作家さん作品を売りまくれば、紹介された作家さんが緒方てい作品を売ってくれる場合もありますからね。持ちつ持たれつで良い環境ができればまぁ、面白いんじゃないかと思うんですよね。


→【続き】 実際にこの記事を緒方ていさんに読んでもらって打ち合せました。



>> 現在連載中の『ラフダイヤモンド』ほか緒方てい作品をKindleでチェック


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