LINE BLOGが一般の人も使えるようにリリースされました。
見てみて、あまりにも設計が秀逸で、LINEって本当にすごいな、ぶち抜けているな・・・と思ったので、投稿してみたいと思います。キーワードは、「ネットワーク化」です。
ブログプラットホームの問題
まず、ブログプラットフォームの問題というのがあります。これは何か。
Bloggerという、ブログというものを広めたサービスがあります。これは、Twitterの創業者でもあるエヴァン・ウイリアムズが作ったサービスで、Googleがはじめた買収したサービスとしても有名です。
これはみなさんが考えているブログサービスとほぼ同じようなもので、自分の考えとかを記事にして公開できるというものでした。瞬く間にヒットをし、いろいろな人がWeb上で記事を書くようになりました。
しかし、そのあと、苦しい戦いになります。なぜかというと、ブログプラットフォームというのは「どこで書いてもたいした差がない」という問題があるのです。
余談ですが、地獄のミサワという有名なWeb出身の漫画家の方がいるのですが、昔「JUGEM」というブログプラットフォームで記事を書いていました。そのバナーが以下です。
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まさにブログなんてどこも一緒!というわけですね。
そんなブログプラットフォームなので、Bloggerは、他のブログサービスと競合し続けることになります。MovableTypeなど、高機能で何でもできるものがでてくると、Bloggerも機能を搭載せざるを得ない、というわけです。
なぜ一緒なのかというと、ブログプラットフォームには「コンテンツ流通」の要素がないからです。コンテンツ流通とは「そのサイトにいけばコンテンツにたどり着ける」要素のことです。
YouTubeがなぜ独占的に勝てたかというと、YouTubeにいって動画を検索するようになったからです。これが、動画を探す際には、FacebookやTwitter経由でしか見ない、という感じだったらおそらくここまではいかなかったでしょう。動画を投稿できるプラットフォームが、ブログプラットフォーム並に乱立していたはずです。
このように流通の要素がないままでは、何が起こるかというと、ブログサービスはどこでもいっしょ、という状態になります。つまりは、動画におけるYouTubeのようにどこも勝者が生まれない、ということです。
そんな挫折を得たエヴァン・ウイリアムズは、次にTwitterの創業に関わります。そこで彼が得た経験は「ネットワークがとても大事だ」ということです。彼は以下のように述べています。
「ネットワークこそがすべてなのです。ユーザー同士のコネクションやそのユーザーが提供する、あるいは創造するコンテンツとのコネクションこそが、すべてなのです。」
それで、エヴァン・ウイリアムズは、ネットワークとコンテンツを共存させるためにMediumを創業したのです。Mediumの戦略は非常にシンプルで「機能を増やすのではなく、何の苦労なく思ったことを書けるくらい、書き手にとって書き心地がいいシンプルなブログサービス」を作ったのです。そうすると、誰しもコンテンツを書けて公開できるようになる。そして、Twitterのように、Follow、Followerの概念をいれて、ネットワーク化をしたのです。
理論上、ブログサービスのようにいいコンテンツを書けて、Twitterのように気楽に書けるサービスになるわけです。そして、書き手同士がネットワーク化されることによって、他のブログサービスに代替されないような強いサービスになるということです。
ネットワークがあるとなぜ代替されないかというと、要は「そこに投稿すれば、見てくれる人が最大化する」からです。先ほど述べた通り、メディアというのは基本的には、流通の機能をあまり持っていません。GoogleやFacebook、そしてTwitterからコンテンツを見ることのほうが圧倒的です。なので、ユーザーからしてみれば、どこにおいてあるコンテンツか、というのは関係ないのですね。
するとメディアは常に、1記事1記事勝負をするしかなくなってしまいます。しかし、フォロー数が10万人いるプラットフォームに投稿すれば、10万人の目に触れる可能性が高い、という点で、非常に有利になります。Mediumは、FacebookやTwitterなどが持つ、コンテンツ流通サービスを、内包しようとした、といえるでしょう。これがネットワーク化です。
しかし、僕の見た限り、Mediumは目論見通りにいっているとは思えません。というのも、Mediumは非常に書き手にとって居心地がよすぎたため、有力なライターやメディアが最初に参加したのです。そして、非常によいコンテンツが集まってしまった。
結果として何が起こったかというと、「超良質のコンテンツが流通しているプラットフォーム」になってしまっているのです。書き手しかいないネットワークにはほとんど意味がありません。ただ読むだけのユーザーが、多くいないとネットワークとは呼べないのです。このようにコンテンツを作るプラットフォームとコンテンツ流通のネットワークを混在させるのは、非常に難しいのです。
しかし、LINE BLOGはそこを非常にうまくやる可能性があります。
LINE BLOGが秀逸な理由
まず、LINE BLOGがやっていることは、livedoorやアメブロがやっていた「芸能人にブログを書いてもらって、読み手を増やす」という戦略なんですけど、これって要は営業力勝負なんですね。いってしまえば、アメブロよりも条件をよくすれば芸能人は移ってもらえるわけです。
しかし一方で、今はLINEに来てくれるけど近い将来ほかにとられる可能性も高いとも言えます。これは先ほど述べたとおり、ブログプラットフォームの宿命といえます。つまり「ブログなんてどこで書いても一緒」なんです。
で、どうするか?というところなんですが、これを解決するには前述の通り、ネットワークしかないんです。ネットワーク、つまりは、人と人のつながりをつくらないといけない。ここをLINEは気づいている可能性があります。そのことを証明するため、彼らがやった流れを整理してみましょう。
- 芸能人を集めていいコンテンツを集めたそのあとに、LINE BLOGを一般に開放した
- LINE BLOGはスマホからしか書けなくした
- SEOからの流入をさせづらくした
いってしまえば、チープな書き手として一般ユーザーを集める方法をとっている、というのが重要なのです。
どういうことか。
つまりは、PCでガンガンといい記事を書くようなユーザーは同じ会社内にあるlivedoor Blogにまかせておけばいい、LINE BLOGでは、スマホに特化して、スマホでしか投稿できないようにすればいい、という風にしているのです。このことで、まるでTwitterのように気軽にブログを投稿するユーザーを集めようとしているのです。
つまりは、Mediumがうまくいかなかった「いい書き手しか集まらない」ということにならないように、LINE BLOGの一般バージョンでは、誰でも気軽にかけるというところにフォーカスしているのですね。このことで、芸能人ブログを読むような、普通の人がたくさんネットワークに参加できるようになります。
そうすると、ブログサービス内でネットワーク化がおこり、LINE BLOG内でコンテンツを探し、ブログを読むようになるのです。LINE BLOG内では、フォローフォロアーの仕組みや、探す仕組みを強く作っていることからも、そのことが伺えます。
この時のために、芸能人を2000人近く集めていたのではないか。つまり、すでにおもしろいコンテンツを投稿する人が2000人もいる状態で、かつ一般開放をすることで、ネットワーク化もすすめようとしている。
これは恐ろしいことです。
このネットワーク化がうまくいけば、芸能人たちも、より読者を増やすために、さらにLINE BLOGに集まってくるでしょうし、そうすると中堅の書き手もLINE BLOGに集まってきます。そのうち、メディアも参加してくるでしょう。LINE BLOGに参加しないと、読んでくれる人の数が少なくなる・・・というところまで来れば、日本のネットメディアを制したも同然です。
すごいなぁ、、、と思いました!

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