「あなたは涌嶋のことをまだ何にも知らない」

涌嶋 茜 10000字インタビュー

今年の1月22日にメジャーデビューを果たした青春高校3年C組。アイドル部が表題曲を歌う中で、デビューの夢を叶えたもう一人の人物がいる。それは軽音部のボーカルを務めている涌嶋茜。テレビでは下ネタやBL好きなど、多少過激なキャラクターである彼女だが、楽屋では黙々とギターを触っている彼女の姿をよく見かける。普段は無口な彼女だが、いざステージの上に立つとテレビでも、楽屋でも見られない彼女がいる。劇場公演ではそのパフォーマンス力が認められ、お客さんの投票によって選ばれる劇場公演のMVPにアイドル部や男子生徒を抜いて、一位になったことも。今回のインタビューでは彼女の音楽への思い、作曲プロセス、影響を受けたアーティストなど、普段見せる「青春高校の涌嶋茜」というペルソナの後ろに隠れて、まだ世の中に出ていない「アーティストの涌嶋茜」の素顔にスポットライトを当ててみた。

1581597397149.jpg

「不健全で明るく楽しいロック」が自分が一番やりたい音楽です。

―いつ頃から音楽を始めましたか?

涌嶋:元々ずっと音楽がやりたくて、中学生とか小学生の時からポエムじゃないけど、歌詞ぽいものをずっと書いてたり、一日中部屋にこもってずっと音楽を聴いたりするくらいのめり込んでいました。本格的に自分が人前で表現し始めたのは高校生の時です。

―ギターはいつ始めましたか?

涌嶋:ギターは中学の時にちょっと触ってやめました。その時はあんまり面白くないと思ったんです。高校生になって、元々ボーカルがしたかったからギターを自分で弾くって全然考えなかったけど、でも、「一人でもできるようにするには」と思ったら、ギターかと思って。ただ、ほんまに人前でちゃんと弾こうと思ったのは青春高校に入ってからかもしれないです。その前には、ちらほら曲作りのために使うぐらいで、人前でやろうと思ったのは結構最近かもしれないです。

―実際の学校では軽音部に入っていましたよね?

涌嶋:そうです。その軽音部がちょっとスパルタというか、弾き語りができるようにならないとバンドに入らせてもらえないところだったので、必死になってギターを練習しました。

―青春高校は歌がやりたくて入ったんですか?

涌嶋:そうです。歌がやりたくて。めちゃ怒られるかもしれないけど、番組自体はあんまり興味がなくて、全然見たことなかったです。オーディションがあるという情報だけをネットから知って、番組は一切知らないけど受けようと思いました。長野まで大手の事務所のオーディションを受けに行くくらい、自分が音楽の夢に対して切羽詰まってた時があって、そのうちの一つという感じで何となくやりました。

―音楽活動に専念できる事務所もあるのに、青春高校を選んだ理由は?

涌嶋:直感でなんかやらせてもらえそうと思って(笑)。調べてみたら歌ももらってるぽいし、本当は自分が作ったものをやりたかったけど、とりあえず顔を売りたくて。有名になりたかったから手っ取り早いのはテレビに出ることかなという安易な考えです。でも、音楽の番組じゃないし、音楽に特化したものじゃないけどその中で自分の音楽要素を出せたらと思いました。

―でも、2期生はアイドル部の新メンバーを探すオーディションでしたよね?

涌嶋:そうですね(笑)。アイドル部に入れたら、最近で言ったら表題曲はアイドル部ですみたいなのが目に見えてて、結構予測してて、絶対もっと番組を大きくしていきたいやろうし、メディアに絶対出れるなという、自分がメインになっていけるわけじゃないけど、その中の一人でいて、それでもって自分の音楽もやったらいいじゃないかなと思って。だから悔しかったです。最近のあの発表は。自分はアイドルになりたいわけじゃないけど、色んなものを見据えてオーディションを受けに来たのになとは思いました。

―今は青春高校の軽音部に入って活動しているけど、軽音部とソロで歌う時はやっぱり違いますか?

涌嶋:全然違います。青春高校の曲は流石の秋元さんが書いているから万人受けするなみたいなイメージです。色んな多くの人の方を目掛けて、すとんすとんすとんって。的を確実に狙っていると思います。でも、ソロの時は自分が今まで生きてきた中でしてきた体験の感性とか、今の自分に書けるものの音楽だから全然違うと思います。コンセプトがまず違うし、「不健全で明るく楽しいロック」というのが自分が一番やりたい音楽、好きな音楽なんです。私のは万人受けはしないと思う、今の段階で。

―それは自分で意図的にやっているんですか?

涌嶋:意図的に不健全にしていますね。嫌ですよ、「こうじゃないといけない」とか。めっちゃ飛んだ話すると、男の子と女の子だけの恋愛じゃないとダメみたいな。今まで同性愛が認められたり、それ以外の恋愛とかも認められたりしているけど、結局やっぱり偏見だらけだなという。そういうものがずっと過ごしている中で不満というか、いっぱいあるからそういうのも無くせる、忘れられる音楽をずっと目指しています。

―自分の不満とか鬱憤を音楽で表現しているということですか?

涌嶋:基本的にはそうです。ただ、自分が発散するためだけに作ってたら独りよがりになってしまうから、わざと考え方をぐるっと変えたりします。例えば、歌詞の主人公を男の子にしたりとか、絶対自分じゃ普段しない考えを逆に色んな視点から入れてみたりとか。でも、そればかりやってたらそればかりになるから、自分も一回入れてとかをしています。

―番組では下ネタを言ったり、週プレの表紙のオーディションでビキニを着たりしていますけど、それに拒否感はないですか?それも自分を表現するやり方の一つでしょうか?

涌嶋:下ネタはただ単に好きなだけです(笑)。週プレのオーディションの場合は、周りが何するかが見えてたから、一次審査は抑えるだろうなとか二次審査からちょっと行くやろうなとか。それを予想して、私は顔だけで勝負できるとはほんまに思ってなくて、自分のアイディアとか言葉とか行動で人の心を揺さぶられると思っているから、とりあえず周りと違うことをしようと思って。ただ、なんかめっちゃすごい勘違いされてるけど、自分の体を見てほしいとか、私可愛いでしょうと思って脱いだわけじゃない。でも、ここで自分が有名になったら、絶対変わるなと思ったから。自分の行動で笑ってくれるならそれでいいやと思って。「絶対音楽活動に繋げられるわ」という自信があったからやったけど……。

―まずは知名度を上げる?

涌嶋:そうです。脱いだことで格好良く見えたり、誰かが笑ってくれるんやったら自分は全然脱ぎます。でも、やっぱり「安売りしている」とか「あんまり自分のことを大事にしていない」というお父さん目線のメッセージがSNSで週プレ発売後とかに届いていました。女として疑うみたいな。そういう意見もあるんだけど、私は音楽を信じてやっているからいいかなと思います。

自分の中であんまり答えがないけど「ま、これかな」みたいな気持ちで歌うものは絶対響かないと思います。

―自分が初めて作った曲は覚えていますか?

涌嶋:ちゃんと音源にして形にしたものは覚えてます。初めて作った歌詞は覚えてないけど。なんか恥ずかしくなってきた(笑)。「汚されたいのに叫びたい」という曲で、本当は「犯されたいのに叫びたい」にしようと思ったけど、表現がグロかったのでやめました。その曲は女の子が主人公でいつも女としてからかっていた男の子がいて、またちょっかいかけてたらその日は全然いつものヘタレの男の子じゃなかったんですよ。男の子が狼になって女の子はばっと教卓の横に押し倒されるけど、遂にこの日が来たかとわくわくしてたら、「あ、ちょっと待って」ってなって。その女の子のパンツがダサくて、うさぎパンツで。「こんな日に限ってどうしよう。誰か助けてー」という曲(笑)。健全じゃないでしょう?それが初めて作った曲です。高校一年生の時は好きな人がいて、その人におでこにちゅうされそうになって、ばっと避けて「助けて―」と言って逃げました。

―でも好きな子だったでしょう?

涌嶋:好きな子でした。全然信頼関係もあったと思うんだけど、初めて見る男の子の顔が怖くて「助けてー」ってとっさに言葉が出てきて。その時に私ってすごいピュアだなと思いました。

―それで「汚されたいのに叫びたい」になったんですね。

涌嶋:そう。それを自分のおでこにちゅうされそうになったという実体験をもとに広げたな。可愛い曲です。

―「汚されたいのに叫びたい」もそうでしたが、自分の経験を活かして作曲と作詞をやっていますか?

涌嶋:大体そうかもしれないです。私は喜怒哀楽が激しくて、激しい時に衝動的に書きます。でも、歌詞にできないかもその時は。思いをノートにばっと書いて、そこから冷静になった時に、歌詞にきれいにしていきます。感情的にならないと全然書けないですね。そういう体験をしたときに書くけど、全然違うところから書く時もあります。私の体験じゃないこととか、他の人の体験とかで書いたりもします。

―でも、普段では自分のその時の感情をノートに書いて、歌詞にしていく感じですか?

涌嶋:その方が感情的だった時の気持ちを表現できるし、その方が自分はいいように思います。やっぱり音楽って何を表現したいかだと思いますから。自分の中であんまり答えないけど、「ま、これかな」みたいな気持ちで歌うものは絶対響かないと思います。喜怒哀楽がはっきりしている時に書くけど、感情的なままのものって、聞かすことができないから一回落ち着いてその時の体験を呼び覚まします。でも、365日あって、365日面白い体験があるわけではないから、面白そうなことは全部突っ込んでいくことにしています。危なそうなことでも。

―じゃ、今から「音楽作ろう!」とは思いませんか?

涌嶋:「作らな!」とはめちゃ思います。思うし、常に「自分は今何ができるかな」とか「こんなフレーズどうかな?」とか思いながら歩いてる。

―昨日も収録がありましたけど、その間になんかノートに書いてましたよね?それも作詞の一環ですか?

「何を見てるのよ、あなた!」と言いながらも、彼女はノートを見せてくれた。

涌嶋:これはコードとか音取り。一つ一つの音をメモしたり、見やすいように自分でまとめるノートです。ラソレラソレファファみたいな。本当はもっと実家にノートがたくさんあって、高校生の時から書き溜めたのが20冊くらいです。全部残しています。適当な紙とかに書き殴ったのもファイルに入れてます。本当はそれを全部持ってきたかったんですけど。

1581597399183.jpg

これは歌詞とか自分の思いを吐き出すノート。めっちゃ汚いな(笑)。きれいな字を書く暇がもったいないと思って。言葉にできないときもあって、絵で描いたりする時もあります。箇条書きにしたり、この歌詞の表現ってこの絵かなって思ったり、ミュージックビデオを作るつもりで描いています。

―その気持ちは僕も分かります。僕も言いたいことがあっても、その感情を言葉にするのが難しい時があって、簡単にメモして後でまとめたりします。

涌嶋:そう。なんか言葉にできないときはありますね。自分の曲の中で「D.T.」という曲があるんだけど、童貞キラーの女の子の歌なんです。最初は 「D&T」だったけど、おもんないなと思って。「D.T.」の方が面白いんじゃないかなみたいな。童貞を丸く表現するときにネットの人が「DT」って言うから、「D&T」だったら分からんなと思って。初期段階の歌詞と完成した歌詞は全然違いますね。

―今まで作った曲の数は覚えていますか?

涌嶋:ボツとかも合わせたら百は絶対あります。ちゃんとした完成形は、そんないないかも。12,3くらい。アルバム一つ作れるぐらいですね。

1581597400529.jpg

―それは音源として持っていますか?

涌嶋:持ってます。でも、音源にしてないやつもあります。大体は自分がギターと歌で簡単に録音します。携帯とかでもいいから。携帯とかで録音して、高校の時からお世話になっている軽音部の顧問の先生がいて、本当に私が唯一信頼してる大人です。その方に、今もデモとかを一回聴いてもらっています。「どう思いますか?」みたいな感じで。その方も音楽をやっていたから、軽くアドバイスもらって、自分の中で解釈してみたいな。それをやってiPadとアプリを使って自分で打ち込みます。打ち込みに関しては難易度高いことは出来ないです。最近は勉強しながらパソコンでも作っています。
1581597401784.jpg

もう死のうと思った夜に、好きだった曲1個だけ聴いて死のうと思いました。

―尊敬しているアーティストはいますか?

涌嶋:小中学時代によく聴いていたのは「いきものがかり」さんとか「ポルノグラフィティ」さんとかでした。「ザ・J-pop」みたいな感じの自分の不健全とは程遠い音楽を(笑)。ほんまに音楽が大好きになったきっかけをくれたのは「ゴールデンボンバー」さん。出だしの頃は一発屋みたいな、めちゃ面白いコメディアンみたいな感じで言われていたけど、私はテレビで彼らを見たことがなくて、「女々しくて」だけが周りでみんな歌ってて、「何、この曲。気になるな」と思って。その頃、全然ネットとかも知らないからネットで音楽を聴くとかも全然なかったですね。何とかして聞きたいと思って、お母さんのガラケーでYoutubeを開いて、テレビの画面を携帯で撮ったような「女々しくて」の映像を見ました。やっていることは面白いとは思ったけど、その人たちには全然興味がなかったです。そして、ある日TSUTAYAに行った時に、ぱっとCDコーナーを見たら「何、このアルバム」みたいなCDアルバムがあって、そのアルバムのジャケ写に一目惚れしました。それが「ゴールデンボンバー」だったんですよ。

―運命ですね。

涌嶋:そうです。このアルバムは運命やと思って、お小遣い全然なかったけど、翌日に買って聴きました。一曲目が「パトス」という曲で、「パトス」って心臓、心が揺れ動くというか、移り変わるという意味があって。めちゃ不安定なピアノの音の中でうめき声が聞こえる40秒ぐらいの曲だったんですけど。「何、これ。大丈夫?」と思いました。でも、ずっとそのアルバムをリピートして聴いていました。そのアルバムを聴いて音楽が好きやと思いました。あと、小学生の時に色々あって、心が弱ってしまって、ほんまに死にたいと思いました。不登校でひきこもりになって、人が怖い。特に男の人がすごい怖くて。外にも出れないぐらい怖くなって。もう死のうと思った深夜に好きだった曲をひとつだけ聴いて死のうと思って。その大好きなアルバムの最後に入ってる曲を無意識にかけました。その曲は「1999年にノストラダムスが世界は滅亡するみたいなことを言ってたけど、結局来なかった。やり残したことばかりじゃない?」みたいなことを歌っていて、「やり残したこと何かあるかな?」と考えながら聴いてました。最後は「明日も生きようね」で終わるんですけど、その言葉を聞いて涙が止まらなくなりました。音楽ってこんなに人の心を揺さぶれるんだと思いました。そこから少しずつ外に出れるようになりました。心が弱かったし、また挫折して何回も死のうとした時もあったけど、その曲を思い出したら今でもめっちゃ頑張れます。その曲は安易に歌わないようにしてるし、聞かないようにしています。

―その曲は「ゴールデンボンバー」の?

涌嶋:「広がる世界」という曲です。楽しいような曲が多めのアルバムなんですけど、最後にそんな曲を持ってくるのはずるくない?と思いました。今はCDじゃなくても携帯で気軽に聞けるけど、CDアルバム全体を通しても物語だなと思って。物語を作れるのは本だけじゃないと思いました。「広がる世界」を聞き終わって、また一曲目に戻ったら「パトス」という「死にてぇ」みたいな曲に戻るわけですよ。でも、最後の曲に行ったら生きようねという。生きてるってその繰り返しだなと思って。ゴールデンボンバーの鬼龍院さんもそう仰っていて。そのアルバムに生き方を教えてもらって何とか19年間いけました。あの夜から私は絶対に音楽をやろうと決めました。

―自分も音楽に助けられたから、音楽で他の人に力を与えられる存在になりたいですか?

涌嶋:なりたいです。でも、だだ「前を向け」とか「生きろ生きろ」という曲ばかりになると、それは別の人がやってくれてると思っています。直接的ではないけど、間接的に「不健全で明るく楽しいロック」を聞いて嫌なこととかも吹き飛ばすぐらいの明るさを音楽で表現したいなと思います。だから、しっとりして「頑張ろうね」みたいな曲はあんまり作らないです。

1581597403455.jpg

―涌嶋さんというと、音楽だけじゃなくて絵も描いているイメージがありますけど、それも自分を表現する方法の中の一つでしょうか?

涌嶋:そうですね。自分で描いた絵をジャケット写真にするのも夢のあることだと思っています。全部自分で製作したアルバム「Wakussy Best」のジャケット写真は自分の好きなものを詰め込みました。歌うことが好きだからマイクだし、スク水好きだからスク水だったり、猫が好きだからとか。やっぱりこれも表現かも。ミュージックビデオ作るんやったらと思って曲を書いたりするから、言葉にできない時には絵を描いたり、自分はこうなりたいと思ったときに描いたりとかします。

1581608138489.jpg

涌嶋:青春高校のこの絵。こんな絵でも2時間半掛ったけど。リキが難聴でバンドできないみたいになった時に、病気ってだけで好きなものから遠ざかるのはすごい悲しいことだと思って。でも、表現方法がその時音楽ではないと思って、絵で表現しました。自分の座長公演の時に何やってもいいって言われたからこれをポストカードにして配りました。ファンの人でもなんでこれを配ったのかというのをあんまり分かってる人が少ないんですけど、「ちゃんと居場所があるのを忘れないで」と思って描きました。

―自分の曲の中で「この曲はいい!」みたいな曲はありますか?もちろん全部が自分の子供みたいな曲だと思いますけど。

涌嶋:全部好きだけど「singing doll」という曲ですね。あの曲は”悲しい”という感情がピークだった時に書いた曲で、これ以上に悲しい曲は作られないんじゃないかなと思うくらいの失恋ソングです。ストーリーに出てくるお人形さんは全然私じゃないし、人形だから気持ちがあるのかないのかも分からないんですよ。感情的だった時に作ったけどその曲は全然自分じゃないなと思います。遠くから見てるというか。歌うときは感情的な表現をするけど、結構遠くから書いたような気がします。それを書いた頃が高校2年生の最初くらいで、すごい好きな人がいて。こんなに好きなのに絶対に結ばれることのない人っているんだと思って。その人と関わりはあったものの、自分がいる場所とは全然違う人でした。この人のことを永遠に想い続けるやろうけど、この人と幸せになることはないなと思ってすごく悲しかったです。その悲しみのピークの時に作った曲です。その曲は生温い気持ちで歌いたくないです。全部そうやけど。特にその曲を歌うときは自分はめっちゃくちゃ悲しい、どん底にいると思って歌うから、自分の曲の中で一番エネルギーを使うし、マジで頭がクラクラするぐらい神経を使う曲です。

―その曲を人形に例えて作ったんですね。

涌嶋:そうですね。ラブドールの曲なんですけど、高校の世界ではそういう危ない表現は大人に怒られるからマイルドに「singing doll」にしました。主人公は歌うために作られたお人形さんで、歌うことでしか表現できないし、歌うことしか許されていないです。そのお人形さんに好きな人ができて、その好きな人は相手がいて。その人と恋人が愛し合うのを見てお人形さんは歌うことしかできないから、それも壊れるまでその感情を歌で表現するしかないという。壊れるまでずっとその人のことを想って歌い続けているという曲です。これはめっちゃ大事にしているし、いい曲書けたなあと思います。

「楽しくなりたいなら涌嶋のライブに行こう!」みたいに言われる存在になりたいです。

―現在、軽音部以外の人との音楽的交流はありますか?

涌嶋:全然連絡は取ってないけど、ほんまに音楽界で仕事してる人、めっちゃピアノうまい人がいて、その人とたまに音楽の話とかはしてます。でも基本的にずっとひとり。

―一人で音楽を作ると何が正解なのか、どうすれば上手くできるのか悩むと思いますけど。

涌嶋:悩みますね。でも、高校の時の軽音楽部の顧問の先生にアドバイスは今でももらっています。最初音楽をやり始めたときは「もっとこうした方がいい」とか言われたけど、段々言われなくなって、形になってきたからアドバイス通りに行っちゃうのは表現者としてよくないと言われてあんまりアドバイスもしてくれなくなったんですね。結局一人でやってる感はあるし、軽音部の面倒を見てくれているカンケ先生にはお仕事じゃないのに「音楽のこと教えたいから」とわざわざ時間作ってくれはったりとか「最近どう?」みたいな風には聞いてくれます。でも、結局今の曲作りはずっと自分だけ。誰かと音楽をすると言っても高校の先輩達とバンド配信するだけですね。寂しいとこはあります。

―僕は個人的にもったいないと思って、プロの人と作業するとかそういう環境であればポテンシャルが爆発できると思っていますけど。

涌嶋:爆発するのかな。メジャーデビューになってソロの活動は制限されているけど、その中でも一人でも出来ることは絶対あるから、もっとやっていかないとあかんなと思い曲を作り、練習する毎日です。

―自分で作った曲でも編曲によって全然違う曲になったりしますね。

涌嶋:一回ライブハウスでやってた時に、「編曲家の友達がいるんだけど、どう?」みたいなことを言われて、それも結構大手の人だったんですよ。「一回渡してもらって、一回こっちでやってからお金だから」みたいなことを言われたけど、ちょっと胡散臭いなと思って断りました。編曲をもっと学ばないとは思っていますけど、今は術がないですね。そういう人も付いてこられるような存在にならないと。

―涌嶋さんが今後活動する上でこういう人になりたいとか他の人にこういう風に見られたいとかありますか?

涌嶋:自分のコンセプトの「不健全で明るく楽しいロック」な音楽で楽しくなってほしいし、寂しさとか負の感情は紛らわせれるような音楽はずっと目指しています。「楽しくなりたいなら涌嶋のライブ行こう!」みたいに言われる存在になりたいです。でも、自分は暗いし、陽側の人間じゃないから、ステージに立った時は明るくいたいです。それは無理してるわけじゃなくて、ステージ上の人間は人格が違うわけだから一緒にしてほしくないし、アニメのキャラみたいに存在してないのに存在しているというか、プライベートの陰の部分は一切思わせないような、ステージに立った時は「みんなのスター」でありたいです。まだそうじゃないからどんなものか分からないけど。「楽しいと言えば涌嶋」になりたいですね。

1581597404702.jpg

―アーティストとしての目標は?

涌嶋: 莫大な目標はずっと音楽を続けていくことだけど、小っちゃい目標はまず今はいっぱい曲作って、自主制作でもいいから次のアルバムを作ることです。ほんで、ワンマンライブがずっとしたいと思ってて、とりあえず100人キャパくらいのワンマンライブを一人でできるようにしたいです。それができるようになったら、もっとキャパ増やしてもっと大きなライブハウスで。あとは色んな所から出てくださいって声がかかるようになること。あとは小っちゃいハコでもいいから全国ツアーをしたいのとちゃんとyoutubeとかにもミュージックビデオとかアップしたいです。めちゃめちゃ飛ぶと武道館でライブをやりたいです。それが別にゴールじゃないけど、その後はもっと大きなキャパ、さいたまスーパーアリーナとかでできるようになりたいです。ロックフェスとかも出たいし。バラエティーは苦手だし、お笑いとか全然分からないんですけど、アメトーークにも取り上げられたい。情熱大陸とかにも出たい。色んな人に楽曲提供したいし。今出来る、届きそうな目標はやっぱりワンマンライブでもっと人を埋めるようになるとこまで行くのと自分の音源をもっとクオリティー上げて動画をアップできたらいいなとか。今は小っちゃい目標からですね。

■関連リンク
涌嶋 茜 オフィシャルアカウント

ツイッター
https://twitter.com/wakussy_3C/
インスタグラム
https://instargram.com/wakussy_3C/