月別アーカイブ / 2017年03月

自分を漫画家って名乗ると、東村アキコ先生とか、柴門ふみ先生みたいな大御所と同じ職業になってしまうので恐れ多いのだけど、漫画描いてます…内容はMBAなので、「MBA漫画家」っていう謎の肩書き名乗ってます。

で、MBA漫画家ってなにしてんの?ってよく聞かれるのですが、この度大仕事の1番ボトルネックになってるところが終わったのでご紹介。
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まず、行程について説明しますと、書き下ろしの本を書くときは大体こんな感じです。

1  本のテーマを決める
2  目次立てを決める
3  プロットを作る
4  ネームを作る   ⇦今ここが終わった
5   原稿下書きをする
6   線入れをする
7   校正

1から4がめっちゃ大変です。
私の場合、今回は、編集さんと、監修者さんと一緒に三人で走ってるんですが、
この初期段階でもういやだってくらい本を読みアウトプットを繰り返します。
編集者はこのテーマの素人なので
「素人目に見てなに言ってるのかわかんない」
って言われたら描き直しです。

幸い今回の本は気心しれてるMBAの方が監修を引き受けてくれたので、この段階で何度か私が泣きつき、個人レッスンをつけてもらったりして乗り切ってます。


で、なにが今嬉しいってネームが終わったことです。脳みそをひねり出すとか、考えるという糖分が必要そうなことが終わり!BGMかける余裕もないくらい脳がしんどかったのです。

ということはこれから先の工程はとにかく「描く」にシフトできるので、次に酷使するのは脳から右腕に変わります。
まぁ構図を考えるとかの仕事もまだたくさんあるのだけど、描いてるあいだにBGMかける余裕くらいは出てきます。ヒャッホウ!

サァ後半戦がんばるぞー



いま読んでる本がとても面白いのでシェア。

まずこの某有名人気テレビドラマみたいなタイトルの本。(企画会議の時絶対話題になったと思うんだけどなー)

育児をしていると仕事の邪魔になるというコンフリクト関係の研究ではなく、
育児がどう仕事の役に立ってるかという研究をもとに対談形式でわかりやすく語ってある本なのですが、
特に面白かったところをいくつかピックアップ(要約byわたし)

-「資生堂ショック」は「資生堂インパクト」という捉え方をされた。夜のシフトに入った資生堂の女性社員は家庭内で夫に「その日だけは残業せずに帰ってきてほしい」と交渉したというのだが、これは「育児は妻と夫、両方の課題である」ということを社会に突きつける意味があった。
女性社員を沢山かかえる会社から男ばかりの男塾みたいな会社に対して「なんで女ばかりか育児と家事を担わなきゃいけないんだ、ふざけるな」という抗議なのだと思う。

-仕事頑張りがちな女性ほど一人で仕事を抱え込もうとする。しかし、会社の方から女性社員に対して期待することは「抱え込んでくれるな」
家庭も女性が家事をブラックボックス化してしまうことで男性が何をやったらいいのかわからないってことがある。ゴミ捨てだけして家事を手伝った気になるな!と怒られることがあるが男にしてみたらゴミ捨てが家事の総量の何パーセントなのか分からない。それが2パーセントしかないって言われて残りの家事を見せられて初めてわかる。情報共有必須

-いま若い女性たちは、「正社員で働き続けなければ一度職を離れてしまえばあとはパートしかない」と教えられている。「生涯賃金の最大化」という意味ではそうなのだけど、ちょっとこれも見直さなきゃいけない

-寿命が飲み労働人口が減り働く期間が延びるので、長時間労働ではなく長期間労働にシフトする。マラソンのようなものだからどこかで注水地点や休憩が必要

-ヘルプシーキング(ヘルプを求める)志向がある人の方が育児の体制作りについて良い効果をもつ

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最近わたしがモヤッと感じてた違和感が全部言葉にされてるわー。
ほんと、退職まで共働き正社員で走り続けるのって子どもが小さいときとか、体調が悪いときとかにすごく無理があると思う…
そして社会的な役割を知らず知らずに刷り込まれているので女性の方が男性より、家庭に対しての責任感を感じやすい。

ここでもう一冊紹介したいんですが、和食の大御所土井善晴先生も、
働いて家に帰ってきて一汁三菜なんてむりですよ、と、おっしゃってるんですよね。

しかも一菜って、漬物!つまり具沢山のお味噌汁さえ作ればあとは漬物とご飯でいいじゃないか、そもそも昔の日本人はそうだったよ。一汁三菜はハレの日のことだよ、と。

お味噌汁だけなら野菜切ってグツグツ煮てる間に洗濯物取り入れて子供の手を洗ってやればできてしまうし、男の人にも簡単。

よく考えたら、日本のお母さんって頑張りすぎなんですよね…仕事して、子供迎えに行って荷物抱えて帰って(途中もれなく子供が寄り道して)、家に帰ってから調理…なんて息つく暇もありまへん。
フランスでは土日しか料理しないらしい。夜はパンとチーズとハムだけだそうです。
そういえば私は学生時代ドイツ人家庭にステイしたことあったけど、平日は毎日カプレーゼとパンだけでした。カプレーゼって、華やかに聞こえるけどトマトとチーズ切ってオイルかけるだやからね
アメリカ人の家にステイした時も、ぐでんぐでんにのびたカップラーメンだったなぁ…笑


この2冊を読んで、自らのことを反省しました。
まず、知らない間に家事をブラックボックス化してたこと。夫が良かれと思ってやってくれた家事があさっての方向に行ってしまったことが何度かあったのだけど、もっと家事動線やものの置き場所を工夫して、最終ゴールを明確にして情報共有の時間を取れば防げたミスだった。…というわけで、夫の協力が欠かせないからこそ、しくみづくりの強化。これぞマネジメント、他者を使ってことを成し遂げる。

そして、知らぬうちに家事のハードルを上げていたこと。これじゃあ娘にもプレッシャーだよね。
「一汁一菜でよくない?」と夫に提案したところ「理にかなってるねーいいねー」と言われたので、これからは大人は具沢山味噌汁と玄米でいいや。こどもは野菜たっぷりカレーでいいや。たまに休日の余力がある時だけなんか作ろうっと。

まとまりが悪いですが電車が到着しそうなのでこの辺で。

今読んでる本が面白いのでご紹介

福沢諭吉 「学問のすゝめ」の現代語訳
「天は人の上に人をつくらず 人の下に人をつくらず」
っていう有名なフレーズで始まるあれです。

元々この本は日本一読まれたベストセラーなのらしい。それでもこの一節以外全然有名じゃないし、自分なんかは古典って意外に読む機会ない…多分一生読まないんではないかというくらいの本なのでしたが、グロービスの友人である河野さんがこの度現代語訳してみたというので、この機会に手に取ることにしました。

そしたらまぁ、面白いこと!
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内容が全然古臭くなく、現代にも通じるビジネスパーソンの心得なんですよね。
ほら、☝️の目次一覧も見てくだされ。

「国民」と「政府」という立場で論じられており、「政府もちゃんと国民守るから君ら国民も自ら努力して学問に励み賢くならなきゃだめだよ」という内容なんですが、その関係性をそのまま日本国と国民として読むこともできるし、「会社」と「従業員」として読むと、素晴らしいビジネス書になっているではありませんか!

筆者の河野氏は、サラリーマンやりながらビジネス書のベストセラー作家もやってて
こちらのシリーズでは100万部超を達成したすごい方なんですが↓
ビジネスパーソンとしての立場から、この本を現代語訳しただけでなく、現代に置き換えた解説がとても丁寧になされてます。↓
じゃーん!

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本文の下にツッコミや解説が入ってます!!
諭吉先生の補足と河野氏の現代にも通ずる解説、わかりやすくするためにアイコンで分けてあり、巻末の補足ではなく、本分の真下というポジションなので、本文よみながらすぐに追加情報にアクセスできるし、ここが邪魔だなと思ったら本文の方だけ読んでればいいという優しいレイアウトです。

挿絵ですら本文の邪魔にならないように下に入ってるという…
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あーまたレイアウト好きが高じてこんなとこから紹介してしまった…笑

さて、内容もいくつかご紹介。

まず、国民が精神的に独立することについて説いています。が、この辺まさに今のサラリーマンにも通ずるんじゃないか?
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そして、国と人との関係については
「国民が馬鹿だったら政府も無理やり統治せざるをえないよ…あんたら一人一人がちゃんとスキル、知識、人徳を身につけなあかんよ」
と説いてますが↓
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これも河野さんのツッコミがある通り、会社員たるもの、経営者の言うことくらいわかるくらいの知恵はつけようよ、と。これは自分の経験からもホントにそう思います。必要最低限なヒトモノカネの知識くらい、自分で身につけなあかん!

そして、明治時代にあってなかなか斬新だなと思ったのがここ。
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男女の権利については、「女性は子供時代は親に従い、結婚してからは夫に従い、老いては子に従え」という考えがまかり通っていた時代なんですが、
「これ結婚してからは夫に従えって随分失礼な話じゃない?!」と福沢先生も異論を唱えてます。
そして、子孫繁栄のために妾を取るという考えに対して、そもそも子どもを生まないということが親不孝というのはおかしいんじゃないか?!と論じておられます。
(子どもを授かれないということは、今でも問題になることだけどこの時代もやっぱり大変だったんだなぁ…)

現代語訳が分かりやすいということももちろんなんですが、扱うテーマが100年以上経っても色褪せないので、今読んでもとても新鮮だし、すとんと腑に落ちることが多いんですよね。

筆者の河野さんはまえがきで「中学生にもわかる言葉で書きました」と書いてらっしゃったけど、ホントにそうで、これだったら娘が本を読めるようになったときに手渡せるなぁと思いました。電子版じゃなくて紙で買ってよかった…。

福沢先生、河野さん、素晴らしい本をありがとうございます。漫画にするときは声かけてください

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