このシリーズは
バトルのライブ感覚が凄い
と前回(第1巻~第5巻)の感想で言ったよな
そのライブ感覚が進化してる
炭治郎と十二鬼月上弦の鬼達との
また
鬼殺隊柱と上弦の鬼達とのバトル場面は
宇宙的に膨張して
読んでるこっちの目よりも
脳細胞がグルグル回るんだよ
風水の世界を取り入れた
パンクのバンドのライブだな
首がはねられ腕、胴体が叩き斬られての
激烈さも無惨さも非情さも
すっ飛んでな
はらはらワクワクさせられての
痛快感が五体と精神を打ちのめす
おう
今気づいたけれど
その痛快感な
20代の頃に観た「ウエストサイド物語」で
俺の心身を呪縛してしびらせた
ミュージックシーンでのものに似ている
あれは容赦のないバトルだったぜ
あの連中のダンスは
磨き抜かれた技であり武器だったよ
「ウエストサイド物語」を知らねえ人は
DVD借りて観てみな
納得したぜって叫ぶだろ
やたら絆キズナって家族に執着した
蜘蛛の鬼を斃した炭治郎と禰豆子は
隊律違反を問われて
鬼殺隊の本部というか
鬼殺隊総帥の御館様の御館というか
そこへ身柄を送られる
柱達が集まると
至って開放的で自尊心が高く
それでいて
それぞれにキャラが立っている
いずれ登場するわけだから
チョイ見せなのかな
御館様は何だか暗いねえ
炭治郎が隊律違反に問われたのは
鬼化した妹と行動を共にしているためだった
御館様は
それを許しているので
問題なく決着したけれど
この御館様の正体って裏がありそうだぜ
そのことを頭の隅っこに置いておくと
更に興味が募るだろ
ところで
鬼の総帥 鬼舞辻無惨のことよ
昭和初期のモボ
モダンボーイを先取りしたような
イケメンと思えば
今度は大名家のお姫様風で登場したぜ
十二鬼月の下弦の鬼達を集めてな
粛清のためってのがニクイし無惨や
情け容赦もなく下弦の壱を除く
鬼達を粛清していった
何の情も見せずただ美しくな
何で鬼舞辻はカッコいいんだろ
俺なりの解釈は少し後でな
無限列車で炎柱の煉獄杏寿郎
炭治郎 伊之助 善逸達に
下弦の壱は夢を見させて
その夢の中で死に導こうとするが
このライブはワクワク楽しんでくれ
この巻の圧巻ライブは
突如
現れた上弦参の鬼と杏寿郎のバトルだ
上弦の参は
杏寿郎に鬼になれって勧めんのよ
鬼の利点を説いてな
杏寿郎はかすかな動揺も見せず
人間であり続けることの理由を説く
両者の言葉のやりとりは
読んでのお楽しみにしとこうな
杏寿郎は負ける
炭治郎達が柱対上弦の鬼の決闘を目撃する
のは初めてだろう
炭治郎 伊之助 善逸の3人は
最下位の階級から3つ4つ上がったな
階級が多くてカースト制みたいだぜ
炭治郎達3人には
いつのまにか
切っても切れない絆が生まれているな
カースト制で連想したが
西遊記の三蔵法師を守る妖怪の弟子達が浮かんだ
孫悟空は炭治郎
猪八戒は伊之助
沙悟浄は善逸に譬えられるか
炭治郎達は
自己中的自信に充ち溢れた
音柱の宇随天元に率いられて
宇随の妻3人が行方を絶った
大遊郭へ忍び込む
天元てアラビアの王子様かよ
それはともかく
吉原遊郭を忠実に模したと思われる
街並みや
楼の内部の構造が興味深い
鬼の花魁 堕姫のマニキア
ペディキア 模様柄の黒タイツという
フッションは令和のものとしても
めちゃイケてるぜ
堕姫そして
その背中から飛び出してきた
死に神のような兄と天元のバトルも
ライブハウスを木っ端みじんにするライブよ
さて
鬼対鬼殺隊のバトルをみんなはどうみる
大正年間という時代を考えると
近代化の波と
それに抗う古き良き日本との
避けては通れない戦いなのよ
鬼は
山間の地まで及び始めた近代化の象徴だ
それに立ち向かう鬼殺隊は
滅びゆく古き良き日本を守ろう
とする勢力の象徴
近代化は時の流れで
押しとどめようがない
その流れの残酷さを
鬼の再生力で象徴させている
古き良き日本は美しく滅んでいくしかないのか
大正時代は
鉄道の工事が山間の地にも及んだ時代
東海道本線1つとってみても
旧宿場町の近くに駅ができ新しい町ができて
旧宿場町は疲弊していった
古き良き日本にとって
汽車は近代化の権化だったのよ
遊郭に鬼が潜むのも
近代化が江戸の伝統の世界にも及んでいった
ってことだろ
これは新しきものと古きものの
宿命の相克だから仕方ねえのよ
そうだ
鬼殺隊は新選組に置き換えられるぜ
沖田総司も 土方歳三もカッコいいだろ
誠と染め抜いた羽織をなびかせてな
組長の近藤勇は人相悪くネクラだぜ
新選組は
ガラガラと壊れゆく幕藩体制を
必死に支えようとした
幕府を倒し新しい夜明けを求めた
尊王討幕派は
日本近代化の第1波みてえなもんだろ
西郷隆盛 桂小五郎 坂本龍馬は
みんな鬼だぜ
エモい鬼達だった
新選組は滅ぶしかなかったんだよ
こういう俺の逆説的な見方が
このまま通ったんじゃ
鬼滅の刃はここでおしめえよ
古き良き日本を守る鬼殺隊が
どう折り合いをつけて
近代化の波に融合していくか
そこで鬼達は
その枠組みに潜んで姿を消し
新しい日本の息吹きが始まるか
さあ
ますます目が離せなくなったな