あの日

 失意が続いて

もうどうでもよくなって

 睡眠薬ってどうなんだろうと

 2回分ぽっちを

 ウイスキーで飲んでね

 ぼうっと

 知らない道を歩いていた

 道が二手に分かれてね

 左手には「生きる道」

 右手には「生きない道」

 と道標が立っていた

 ためらいなく

 右手に入った

 少し行くとね

 「今からでも遅くないから戻れ」

 ってタテカンのように書かれていた

 反発してね

 蹴飛ばして なおも行くと

 「これ以上はアウト」

 と書かれた紙が吊るされて

 通せん棒になっている

 その向こうで

 すっぽりかぶって

 足首あたりまで覆う

 白覆面姿の者たちが

 僕を手招きながら

 舞を舞っている

 僕は通せん棒を持ち上げて

 くぐろうとした

 ゴーッ

 と凄い竜巻のような音がして

 足首まで覆う白覆面たちが

 一気に吹っ飛ばされた

 僕は通せん棒にしがみついた


 我に返った

 僕は小さな踏切で

 遮断機のバーにしがみついていた

 貨物列車が通っていた

 
 気持ちが切り替わった

 瞬間だった

 いや

 それまでの生きたくない魂が抜けて

 生きたい魂に替わったのに違いない

 その魂は誰がくれたんだろう