月別アーカイブ / 2017年01月


 なぜ殺意を抱いたのかは

 関係ないよ

 いったん帰宅して

 どうにも収まりがつかなくて

 やってやるって飛び出したというんだ

 交通事故の現場に遭遇して

 救急車なんかがきて

 小さな戦場みたいになって

 見ているうちに

 殺意が萎えたというんだよ

 でも

 あいつに対する悔しさと

 憎しみが消えたわけじゃない

 あえて あいつに背を向けて

 まっすぐ見たら何もない

 街はあったよ

 やってやろうというものは

 見えなかった

 それで

 ならば何も見えないほうで

 あいつをやるんじゃなくて

 自分の力を出して

 やってやろうと

 あいつの鼻を明かすために


 それから20年

 80人の従業員を抱えて

 頑張っている

 あいつはどこで何をしてるか

 あのとき

 交通事故を目撃しなかったら

 殺人犯だったかなあ。


 そういう人もいるんだよ


 大学のときね

 映画のエキストラのバイト先で

 映画俳優志望だというNと知りあった。

 うちでバーベキューをやるからこいよ

 と誘われた。

 お坊ちゃん風だったが

 行ってみると

 本当にお坊ちゃんだった。

 お世辞抜きの豪邸でね

 芝生の庭は

 ソフトボールの試合ぐらい

 できそうだった。

 いろんな連中がきていて

 彼のお母さんは

 複数のお手伝いさんの

 陣頭指揮をとり

 食材を手際よく焼いてくれた。

 初め楽しかったが

 だんだん落ち着かなくなった。

 塀は2メートル以上の

 高いコンクリート塀で

 塀の上には割れビンの

 忍び返しを連ねてあった。

 当時の高級住宅街は

 高い建物がなかったから

 外の様子が全然見えなかった。

 僕は拘禁されたような不安に襲われ

 早々とその豪邸を辞したのだった。


 ベルリンの壁が崩壊されるのを

 テレビで見ていて

 痛快な開放感(解放感)を味わった。

 大海原と大陸で隔てられた

 遠い遠い地の出来事なのに

 僕の意識はその場にいるような

 臨場感に支配されたのだ。

 ベルリンの壁は不自由な東側から

 自由な西側へ脱出する

 人を防ぐためのものだった。

 トランプ大統領が作る壁は

 貧しいメキシコから

 豊かなアメリカへドリームを描いて

 越境してくる人々を

 防ぐためのものになる。

 この壁は将来メキシコが豊かになれば

 意味を持たなくなる。

 そのとき

 トランプウォールは遺跡になるのだろうか。

 

 


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 僕私用のパソコンは寿命がきた

 ノートパソコン。

 ひらがな変換機能がいかれたが

 僕が某キーを叩いて

 変換キーを叩くと

 機能が回復する。

 メーカーも知らない

 隠れ技だ。

 ところで

 キーホルダーの黄色い牙は

 ツキノワグマのもの。

 どこかのマタギの奥さんから

 いただいた。

 存命のときは

 どんなクマだったのだろう。

 どんな経緯で仕留められたのかな。

 興趣は尽きないが

 あるとき

 この牙が僕の手の甲を噛んだ

 お前はおれらの傷みを知るのか

 と。

 知ってる

 だから

 「黄色い牙」を書いたんだ

 と。

 そうか

 おれはお前がそれを書く前に

 生まれ射殺された。

 当然 読めなかったよ。


  字が読めるクマさん

 絵本の世界じゃないか。

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