月別アーカイブ / 2016年10月


 どうしたんだよ。

 傷つくのを歓迎しろとは言わない。

 でも  怖れるなよ。

 怖れるから

 怖れている事態を

 引き寄せるんだよ。

 まっ わけは聞かないでおこう。

 学生時代に

 いいやつがいたんだ。

 今風に言えば

 イケメンでね。

 切れ長の目で

 遠くを見るときの表情なんか

 男の僕でもゾクッてきたもの。

 当時

 コンパと通称されたけど

 半円形のカウンターの

 大型バーが流行った。

 低料金だったな。

 ナンパするための店なんよ。

 切れ長のイケメンと2人で行くと

 そいつに寄ってくんのよ

 女の子たちがさ。

 でも

 駄目なの。

 彼ってからきし女の子に

 自信ないの。

 それで僕に回ってくる。

 つまり

 意図せずして

 彼を撒餌にして

 僕が釣りあげることになった。


 なぜ

 彼は女の子に自信がないのか

 不思議で不思議で

 あるとき

 酔わせて訊いた。

 2つ年上の会社勤めの女に

 筆おろしをされたらしいんだけど

 終わって

 「あんた、短小ね」

 と言われたって。

 それがトラウマになった。

 そんなことないよ

 って僕は言った。

 酔って2人でサツマイモ畑へ

 ツレションベンをしたとき

 横目で彼のを見たの。

 反り加減も申し分ない

 逸物だった。

 彼を撒餌にして

 釣った女の子がいてね。

 1度

 デートしたんだ。

 清いデートだったよ。

 凄く彼を想っていた。

 「連絡してやんなよ」

 僕は彼女の下宿の

 電話番号を教えてやった。

 1か月もしないうちに

 彼は変わったね。

 凄く嬉しかった。


 ところで きみ…

 恋愛問題じゃないかもしれないけど

 怖れるなよ。

 ぶつかっていくんだよ。

 傷つくかもしれないけど

 それが人生なんだ。

 満身創痍は命にかかわるよ。

 でも 心の創痍は

 成長に欠かせないんだ。

 買ってでも傷つけよ。

 傷だらけになってみろよ。

 そのとき

 開き直れる。

 自信も希望も

 それから生まれるんだ。

 
 

 




 挫けたらおしまいだ…

 僕の若い頃にも多かったんだって

 そういう人。

 
 挫けたっていいんだよ。

 まっ

 僕の話を聞いてくれ。

 何度目かの転職のときだったかなあ。

 別荘用の分譲地を販売している

 ディベロッパーの会社に入った。

 ブラック企業でね

 朝から軍隊的雰囲気で

 朝礼を行い

 はっぱをかけられた。


 半年1年程度

 入社が早かっただけだけど

 2人の先輩と仲よくなってね。

 1人は売上ランキングの

 ランクイン常連だった。

 神経質で

 いつも挫けそうになりながら

  挫けるな
   挫けたらお前の人生終りだぞ

 と 自分に言い聞かせていた。

 もう1人はのんびりしていてね

 成績は普通だった。

 しょっちゅう

 もっと上げられるだろ

 と係長課長にどやされていた。

 
 その のんびりしたやつが

 「このままでは殺される」

 と 僕に言い残して辞めていった。

 「あいつは駄目なやつだ」

 神経質のほうが

 吐き捨てるようにつぶやいた。


 ちなみに

 殺されると言い残したやつは

 後年 起業して成功した。

 
 神経質なやつは

 倒れたんだよ

 それからまもなくね。

 過労が引き金になり

 脳梗塞を起こしたんだって

 風の便りに聞いた。

 
 僕も殺されると言ったやつの

 言葉に同感だったから

 追っかけるように辞めていた。

 挫けそうになるのは

 もう頑張るな

 という心身のサインなんだよ。

 心身が喜んで頑張れ

 というサインを出したときは

 どんなにきつくても

 苦にならないし

 挫けないんだよ。

 ここは頑張りどころで

 後々のためになるって

 本能的な判断をしているからね。


 頑張っても
 
 心身に無理が行ってるときや

 ところでは

 ちゃんと挫けて心身を守らなきゃ

 人生終わるよ。

 

 

 
 

 
 
 


 広島カープの黒田選手が引退を決めた。

 この人のユニフォームの後ろ姿には

 常に香気が漂った。

 
 節を曲げない男気

 真っ向勝負の豪気

 惜しまれても退く勇気

 
 この3つの気が

 黒田流の野球を作った。・

 
 引く手あまたで

 また 若くして

 大リーグへ行ったのではない。

 遠い地の道場へ

 武者修行に赴いた

 苦節を知る剣客の趣があった。


 けして

 華々しくはなかった。

 ただ 逃げることなく

 危地に立っても

 真っ向から勝負した。


 打たれても腐らず

 負けても落ち込まず

 ひたすら全身全霊で投げた。

 彼が放ってる3つの気に

 目の肥えた向こうのフアンは

 敏感に気づいたのだろう。

 マウンドを去るときに

 惜しみない拍手を送った。

 
 ドジャースから

 ヤンキースへ移っても

 彼は彼であった。

 きっちり自分の仕事をして

 節を貫いた。

 
 引き留められたのに

 収入は格段に下がる

 古巣のカープに戻った。

 その男気に 豪気に

 日本のフアンよりも

 向こうのフアンのほうが喝采し

 その勇気を称えた。

 
 彼の全身全霊の野球が

 不振の長患いと闘っていた

 古巣を活性化し蘇らせた。

 惜しまれて退くことの貴さに

 勇気を託して

 黒田博樹は

 しっかりと

 静かに球界を去る。

 その背中には

 見る人の万感を揺るがす

 感動が詰まっている。


 ありがとう!


 それだけ言って

 ひとり乾杯したい。


 

 

 

 

  

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