人だから辛いときは辛い
それでいいじゃないか
辛い辛いとコソコソ
自分に訴えても辛さが増すだけだ
辛いんだから私は辛い
辛いんだから俺は辛い
堂々と胸を開いて
心の奥底に陣取っている
辛さの主を解放してやろう
そいつはあなたに甘えて
宿主になろうとしている
そんな奴に甘く見られるな
なんであなたはそこにいるの
なんでお前は出ていかないんだよ
そんな言葉はかけるなよ
辛さを甘やかしたからそこにいる
オイラの居場所だと辛さの主は
シメシメとほくそ笑んだろう
それに気づかず
辛い辛いと自分に訴えれば
辛さの主はそれを滋養に
ヌクヌクと肥えていく
さぁ堂々と心を開いて
辛い辛〜いと天に向かって歌おうか
地に向かって吠えようか
辛さの主は思わぬ展開に
うろたえて硬直するだろう
しっかりと観察しよう
射るような目で向き合うんだ
見えてきたものがあるはずだ
辛さの主が何によってできているか
たいそうなものではないぞ
本当に辛い部分は
ほんの1部だってわかると思う
あとは辛さの主に向かって
辛い辛いと呪文のように訴えたから
メタボのように肥えただけだ
さあ心をブルンと震わせて
ここはあなたの居場所じゃない
ここはお前の棲み家じゃねえ
出ていけと叫ぼうか
スッポン
そいつは軽い音を残して飛び出し
サイナラと虚空へ消えた