きみは自分の性格をどう見ているんだ。
そうか、優柔不断だと見ているのか。
では、その根拠は1つだけあげてもらうか。
ほう、十数年前のことだな。
〇〇大学と△ △大学のどっちを第一志望にしようか、
とずいぶん悩んでなかなか決められなかったのか。
どっちも私立大学では難関じゃないか。試験日が1日違いだったのか。
〇〇大学は東京で、△ △大学は大阪だよね。
続けて受ければいいようなものだが、東京にはあと2つの大学を滑り止めに受けることにしていた。
なるほど、少し迷うよな。それでどうしたんだ?
結局、どっちも受けることにして、両方に入学試験受験の手続きをとった。
それで?
〇〇大学は手ごたえ充分だったんだね。
△ △大学は思ったほどの点は取れていない、という判断だったんだ。
ところが、〇〇大学は落ちて△ △大学は合格した。
優柔不断に構えてよかったんだよ。
最後までぐずぐずしたのは優柔不断だったからではないんだ。
その前に決める必要はないだけだったんだよ。
それだけのことさ。
土壇場にくればどのように決断すべきかはおのずから明らかになる。
早い時期にはなかった流れや、変化が生まれているからな。
もしもそのとき、きみが学費を出してくれる親に遠慮して、
早いうちに△ △大学を切り捨てていたらどうなった?
〇〇大学は落ちて、同じ東京の滑り止め大学に入学せざるを得なかっただろう。
そうか、その大学受験の教訓がきみの今を築くまでに大いに役立っていくらしいな。
小耳に挟んだところによると、
エリートコースの課長だっていうではないか。決断決断とおおごとのように思っていると、
まだ決断すべきでないときに決断して、
後でほぞを噛むようなことはしてこなかったようだな。
優柔不断でいいんだよ。
人生で早めの決断が功を奏することはあんまりないよ。
ぐずぐずと土壇場まできて決断する。
それが正解だ。間違いないことだ。
このことは今後も肝に銘じていたほうがいいぞ。
きみの今後を楽しみにしているよ。