押しつぶされそうな不安なんか


 存在しないんだよ


 不安には何の重みもない


 だから


 安心していい


 と言っても


 はい そうですか


 と うなずけないよね


 不安に押しつぶされそうな顔だもの


 不安がしめしめと舌なめずり


 しそうな目だもの


 

 何が一体不安なの


 その不安と


 真正面から


 対峙したことがないだろ


 不安は皮に包まれているんだよ


 その皮を破って対峙しなきゃ


 

 対峙しないで


 不安を不安で包んでいる


 きっと


 きみの不安は


 7,8枚もの皮で


 重ね着している状態だ



 仮にきみの不安は


 A大入試に落ちたらどうしよう


 というところに根差している


 としようか


 きみは自他ともに認める秀才だ


 最難関のA大合格の


 自信は十二分にあった



 しかし


 受験日まで数か月になって


 模試の成績が低迷し


 自信がぐらついてきた


 落ちたら親に叱られる


 絶対の期待をかけている


 先生に合わせる顔がない


 級友たちに侮られる


 合格まで


 デートを控えていた


 彼女に振られるかもしれない


 不安に不安の重ね着をさせるだけで


 根の不安と対峙することなく


 逃げているから


 すっかり不安が重みを持った



 彼女が何だ


 級友が何だ


 先生が何だ


 親が何だ


 バカヤローだろ


 落ちたら1浪して


 のんびりやるかでいいんだよ


 ほら


 皮はあと1枚になったぞ


 残りの数か月

 

 がっつり勉強するか


 って気持ちになったろう


 さっきまで不安に押しつぶされ


 勉強どころじゃなかったのに



 さあ


 最後の皮を破って


 不安と対峙しようか


 破ったんだね


 怪訝な顔をしてるね


 それ輝いてるだろ


 希望だからだよ


 希望を皮で包むと


 不安になるんだ


 すると


 不安が不安を包み続ける


 しっかり対峙し


 直視すればいいだけなんだよ


 希望に戻れ

 

 さあ


 その希望を前面に掲げて


 A大への道を


 まっしぐらだ