もしかしたら、


 今のきみは、


 何かの時間切れを迎えたかもしれない。


 もう時間切れだ、


 と、その1分前にあきらめたものか。


 それとも、30秒前か。


 でも、


 それからなんだよ。


 それから時間切れまでのごく短い間に、


 岐路というものがある。


 まずは聞いてくれ。


 

 自分が体験したケースで、


 解りやすい例を挙げよう。


 何かの試験で苦しんで、


 どう自分で甘く考えても、


 合格ラインには届かないな、


 と覚悟した。


 時間切れ寸前 どうでもいいやと思いながら、


 答案の見直しをしたら、


 ちゃんとわかっている問題の見落としがあった。


 慌ててそれに解答した時点で鐘が鳴った。


 数年後、


 たまたま試験官の1人と仕事を組んだ。


 僕のことを覚えていて、


 1問✖が増えていたら不合格だった、


 と打ち明けた。



 小説雑誌の新人賞に応募時代のこと、


 候補作に連続してあげられて、


 次こそと自信の作品が候補作止まりだった。


 腐ってもうやめようと思ったが、


 次の機会の応募締切間近に、


 追い立ててくるような意欲に襲われ書きだした。


 当時はすべて郵送で、


 締め切り当日の消印があれば有効だった。


 その締め切り当日、


 郵便局が閉まる直前、


 タクシーに乗って駆けつけ、


 車内で最後の10行を書き終えた。



 その作品も候補作止まりだったが、


 意欲は持続して次の作品で受賞した。



 そういうことはその後も2,3回あった。


 時間切れ寸前は、


 きみの人生を決めるダイヤモンドタイムなのだ。


 意欲と執念が結実する


 ゴールデンゾーンでもある。