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「麒麟がくる」はあと2回で終わる。


若き日の光秀や、

信長には好感を持てた。

じっくり描いていたからなあ。


残り10数回になって帳尻を合わせるために、

駆け足進行になりバタバタになったのは惜しまれる。


光秀がなぜ本能寺に信長を襲うにいたったか。

丹波攻めを丁寧に描き、

更に信長を裏切り長期の籠城戦を戦い抜いた

荒木村重と光秀の関わりを浮き彫りにすることで、

視聴者に納得してもらえるものを伝えられたろう。


それはさておき、

信長が如何に光秀を重用したかは、

その重臣たちの中で信長が京畿の地に留め置いたのは、

光秀だったという一事を持ってしても解る。


信長は使えるやつとして重宝して使ったが、

内心で抜け目がなくて狡猾そうな

秀吉のことは軽蔑していた、

と僕は思う。

いまだ戦国の世である。

気を許せば寝首をかかれる、

と常に秀吉のことは警戒していたのではないか。

氏も素性も上級武士の信長には、

氏も素性もはっきりしない秀吉の

腹の中は見通せない。


もう1人警戒した相手は、

父信秀の臣であった柴田勝家である。

その生前から跡取りは信長に決められていたが、

信秀が死去してみると、

状況が変わった。


同腹の弟信行が跡目を狙い信長に反旗を翻したのだ。

その家老にっていた勝家は、

打倒信長の急先鋒だった。

しかし、決戦に信行は敗れて降り、

生母の命乞いでようやく助命になった。


叛服常ならない性格の信行は、

性懲りもなく信長を除く策をめぐらせ始める。

勝家はその信行を裏切り信長に内通した。

信長は仮病を使って信行をおびき寄せて謀殺した。


信長は自分に通じ信行を裏切った勝家に対し

心から気を許していなかった。

すきを見せれば自分を裏切る、と。

もともとは猜疑心が強かったのではないか。


松永久秀、荒木村重、別所長治といった

麾下の大名たちの裏切りは、

信長の猜疑心を怖れていたように思う。


宿将の佐久間信盛でさえ、

散々こき使ってから

昔の些細な落ち度を咎めて追放している。



信長が制覇中の戦国の世は、

将棋の盤面に例えられる。

信長は秀吉という飛車を毛利攻めの総大将として

その版図の東辺に成こませた。

また

勝家という角を上杉への備えとして、

北陸方面の総大将として遣わした。

そして、

もっとも信頼する光秀を金将として京畿に置いた。

秀吉が中国から、

勝家が北陸から、

長駆戻ってきて反旗を翻さないように、

と僕は想像をたくましくしたい。


信長と光秀はお互いに無いものを補い合っていた

双面のヤヌスだったのではないか。

それを引き裂いたものは何だったのか。

光秀の裏切りを知って、

是非に及ばず、

と漏らした信長のみが知り得た謎であろう。