2021年
最高のスタートが
最高の船旅
最高の芝居

宜しくお願いします!


上記は亡くなる1週間前の11月6日に、
窪寺昭さんがアップしたツイートだ。


来年に順風満帆のスタートを切れることに、

喜びにあふれ自信を深めている。


このツイートから死の翳りを読み取るとは、

どんな人生の達人でも不可能だろう。


今月の26日スタートの「喜劇 おそ松さん 其の2」という舞台で演じる

イヤミ役の稽古に余念がなかったという。


一体 何があったのか?



三浦春馬さんの場合も、

芦名星さんの場合も、竹内結子さんの場合も、

周りには死を予見させる気配を感じさせなかった。


僕はしばらく前のブログに、

それはいきなりそのときになって

不意に死を選んだのではなく、

煩悶を重ねた果ての選択であったこと。


そして、周りに悟られなかったのは、

俳優という職業柄、そのように演技できた

という仮説を立てた。


窪寺さんの場合にも、

それが言えるのではないだろうか。


先程のツイートをよく吟味してほしい。


最高の船旅がどういうものか。

最高の芝居をいつどこでやるのか。


具体的なことは何1つ書いていない。


窪寺さんにとって、

来年の仕事の充実ぶりと、

それに対する自分の意気込みは凄い、

ということをみんなに周知させたかった。


本当は煩悶を重ね苦しみぬいいて、

死を選ぶかも知れないことを悟られないために。


では、

なぜそうまでして悟られたくなかったのか。


それは役者の性からきている。

あえてこれからは役者という言い方をさせてほしい。


役者にとって役柄作りは生命線である。

時間をかけて

その役になりきるだけではない。

演じる役の環境や、

時代の空気も読んで演じなければならない。


坂本龍馬を演じる役者が、

時代の空気を今のままで演じても、

いい演技は生まれない。


幕末という殺伐とした時代の空気や、

雰囲気を身に纏おうとするだろう。

そういう意味で、

役者は現実の世界でも、

今の時代の空気や、

雰囲気に過敏かも知れない。


いつ収束するとも解らないコロナ禍は、

役者にとって、

特に繊細なタイプの役者にとって、

ストレスを濃密に溜めさせる

ストレッサーになっていたのではないか。


ドラマ、映画、芝居での役作りにも、

そのストレッサーは容赦なく降りかかる。


コロナ禍がもたらした陰鬱な雰囲気は、

繊細な役者さんにとって払っても拭っても

消えないものになる。


ロケや、舞台は中止が多くなって、

仕事に対する不安も含めて、

1つ2つの長期に渡る悩みも

抱えていたのかも知れない。

人には言えない、

いや、相談する人もいないのは、

大丈夫な自分を演じていたから。


その自己矛盾に疲れはてたとき、

発作的に死を選んでもおかしくない。


窪寺さんの死が自死によるものかどうかは

まだ不明だが、

役者というものは大変な職業だと思う。


最後に、

窪寺さんの早すぎる死に、

心から哀悼の意を表させていただきます。