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この「誰かが、見ている」は、

AMAZONがプライム会員向けに、

プライムビデオによるドラマシリーズとして、

昨18日に全世界の240を超える国と地域に発信した。


スゲエじゃねえの、

地球の表面まるごと一挙配信だぜ、

全8話をな。


香取慎吾を尖兵に

新しい地図の3人は、

世界にじかの発信が向いているかな。

オンラインも

YouTubeも、

ツールはそろっているし、

これからも続々出てくるぜ。


新しい地図を香取、

稲垣吾郎、草なぎ剛の3人で、

好みの世界地図に描きあげりゃいいのよ。


ところで、

このドラマに俺が執心したのは、

穴だよ穴、

穴から始まるからなのよ。


香取慎吾扮する主人公の舎人真一は、

何をやっても失敗ばかりの陽気な男。

3分の1は笑いの妖気かな。

だから、

引力があって憎めない。


香取慎吾には、

世界をひっくり返すような笑えて憎めない

大失敗の素がその奥の院に秘められている

と思う。


何かの映画や、芝居や、ドラマの折に、

そのごく少量の搾り汁が滲み出ている。

絵画作品にもな。


でも、

まだ噴出には至っていない。

香取自身が無意識のうちに抑えている感じもある。


それを引き出せるとしたら、

三谷幸喜しかいないだろ。


穴の話に戻る。

僕が小学校を卒業するまで、

わが家は旧国鉄官舎住まいだった。

1戸1戸が防腐剤を塗って黒ずんだ板塀に囲まれていた。

あちこちに節穴があるんだ。

塞がったままのな。

外側の口径より内側の口径が大きいと、

爪を使ってこじくると蓋のようにとれる。


俺はそこから隣家をよく覗いていた。

庭越しに廊下が見えて、

その先の座敷も見える。

但し、

陽気がいい季節で廊下との境の

障子戸が開放されていないと、

座敷までは見えない。


隣家のおばさんは、

普段も着物姿で小太りで

少々色っぽかったかな。


家族の食事が終わって食器を流しへ運ぶ前、

みんなの皿をぺろぺろ舐め捲るんだよ。

油を舐める化け猫みたいにさ。


ドキドキした覗き見もあった。

俺は熱が出て

午後から登校することにした日だったかな。

節穴から覗くと、

縁側に人相の険しいどこかのおじさんが

おばさんに半身を向けてかけて、

おばさんは正座より崩した座り方で

そのおじさんの話を聞いていたのよ。


おじさんは手にゴム紐を持っていたので、

ゴム紐売りと解ったな。


この頃は、

ゴム紐売りの押し売り野郎が多かったのよ。


突然な、

ゴム紐売りが両膝を突けて廊下に上がり、

おばさんの崩したほうの太股を掴んで引き寄せたのよ。

おばさんは低い声で制止していた。


俺、ドッキンドッキンしちゃって

成り行きを見たかったけれど、

物置へ駆けて父の木刀を手に戻ると、

エーイ、エーイ、と掛け声を張り上げて、

板塀を叩きまくったぜ。


板塀はドカンドカンと大きな音を立てて揺れたな。

道側の板塀の外を賭ける足跡が聞こえた。


節穴を除くと、

おばさんは立ち上がって着物の裾を直していたっけ。

俺、ちゃんと節穴に蓋をしたぜ。



「誰かが、見ている」では、

佐藤二朗扮する臨家の糀谷次郎が、

壁の穴から主人公のやることなすことを

こっそり観察し続ける。


さあ、穴からどんなドラマが始まるか?


今の家屋は節穴もないし、

シリンダー錠で鍵穴の覗きもできない。


香取が見せるコミカルの権化を三谷幸喜の

演出・脚本でたっぷり楽しんでくれ。


(敬称略)