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父の松平広忠は信長に殺される

広忠の殺害に織田家が関わっていたとする

異説をさらに想像で膨らませての設定は

いいとしよう


問題は

織田家に人質になっていた竹千代が

信長にそのことを明かされても

複雑な感情も見せずに

是として受け入れたことである


自分と母のことを

父 広忠は思いやることがなかった

と 爽やかに糾弾した


この竹千代の感情に近い少年を

以前 僕は取材したことがある


母に暴力を振るう父を見て育ち

我が子が止めると

父はその我が子にも殴る蹴るを行った


「自分の将来があるから

 僕が父を殺すことはありませんが

 絶対にバレないのなら

 殺し屋に頼んでも殺したい

 と思っていました」


ウジウジした心の葛藤がなく

大変ドライな一語に驚かされた


そのときの信長に見せた竹千代の態度は

一点の曇りもなく明瞭そのものだった


あっ この感じで時間がかかっても

天下をとったら面白いな

と 僕は感心した


今までの家康像は

できるかぎり隠忍自重して

自分の時節がくれば

老獪にして非情な狸親父に徹する

というものが多かった


隠忍自重では

信長を絶対的な兄貴分としての

長い同盟は続かない


ドライに割り切り

実を取らなければ意味がない


長男信康とその母築山御前を死に追いやっても

家康はドライに割り切り

同盟継続という実を取った


信長と同盟している家康を滅ぼそう

とする勢力は近隣にはいない


ちなみに

築山御前は家康の正室であった


麒麟がくる

では当然描かれないが

豊臣秀吉の遺児秀頼を滅ぼす口実に

国家安庚

の鐘銘問題を持ち出し

強引に大坂の役に持っていって

豊臣家を滅ぼしたのも

ドライさゆえである


戦国を最終的に制した原動力は

ブレない家康のドライさだった


秀吉は情に流された人


淀君が後継を生んだ時点で

甥の関白秀次は

不要だとして追放するか

切腹させて

後顧の憂いを断てばよかった



しかし

それを断行するドライさがなかった


陰で秀次に加担する大名も出てきて

精神的に追い詰められてから

秀次を切腹させて

妻妾とその子達のことごとくを

磔に処するという

酷いことを行った


家康役は子役から

まもなく大人の俳優に代わるが

痛快にドライさを貫いてほしい


ところで

今のところ好評の信長だが

あの幼児性と

予測不能の行動は

ただのうつけがやることである

このままでは気持ち悪い


信長には

うつけと言われた時代から

世の中を変えるという志と

その論理があったように思う