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アムールにとって
ヤギのチムールは
守るべき弱きものであり
心を癒してくれる
ペット的存在だった

チムールの多少の我儘には
目をつむっていただろう
保護者として鷹揚に

それができたのは
サファリパークという
解放的自由には制限があっても
飢える心配がなかったからだ

もし
飼育側が餌を与えず植えさせたら
アムールはためらわず
肉食獣の本能を発揮して
チムールに襲いかかったろう

心温まる友情は
傍観者としての人間の
讃美歌に過ぎない

支配者と被支配者の関係

その狭間で成立するものは
アムールの精神的余裕と
忍耐力だろう
無聊を慰めてくれる存在だった

チムールはヤギの立場を忘れて
アムールに甘えているうちに
いつか自分はアムールと同格
もしくは
格上と勘違いするようになった

ことごとにアムールに楯突いた
アムールは忍耐したのだろう
ただし
その忍耐は
肉食獣が獲物を捕らえるまでの
忍耐と軌を一つにするものだった

限界がきてアムールの怒りを買った
飢えていないアムールは
前腕でしつこいチムールを払いのけただけだ

まだ
その精神には余裕が残っていた

大型肉食哺乳類の
賢さばかりが際立った一幕
と 言えるんじゃないか

チムールのように勘違いするものは
人間社会にも多いよね

勘違いは怪我のもとだぜ