虫がいいな


 という気はないよ。


 むしろ


 新しい彼女が


 はっきりできる前に


 ふりたいというんだから


 良心的と言っていいか。


 多くはできてから


 ぼろ雑巾のように捨てるから


 深い傷を負わせるんだよね。



 彼女に負わせる傷を


 なるべく浅いものにしたいんだろ。



 

 最後の清いデートをしろよ。


 彼女はきみの態度で察するよ。


 察したな


 と思ったら


 ちゃんと悪びれず


 好きな人がいるんだ


 と言おう。


 ただまだ彼女になっていない


 きみにはっきり言ってから


 と決めているんだね。


 彼女の性格にもよるけれど


 悪びれない態度に


 解ったわ


 とうなずくかもしれないし


 しばらくの


 愁嘆場になるかもしれない。


 その場合は言い返するな


 何を言われても受け入れろ


 捨て台詞を吐いて


 誕生日にきみがあげたブレスを


 投げつけるかもしれない。


 大けがはしないから


 甘んじて受けて


 きみとの時間は忘れないよ


 と穏やかに言おう。



 いずれにしても


 あきらめてくれる。


 きみの誠意を受け取ってね。



 以上は異性を見るきみの眼力に狂いがなければの話。


 多くは次の相手のほうが落ちる。


 1つだけいいところを見て


 すべていいと錯覚するんだ。


 隣の庭が広く見える理屈だが


 その相手に走って


 その1つを除けば他はすべてが劣っていることを


 いずれ思い知るだろう。


 最初で真剣な恋愛らしい恋愛では


 どういうものかいい相手に巡りあえる。


 悪いことは言わない。


 彼女にふられるまでふるな。


 異性を見る目が磨かれる。


 ふられなかったら結婚しろ。


 いいカミさんになるはずだ。