9nVk8cd_e7.jpg
記事で知る限り
精神科医に拳銃を持たせてくれ
という部下の発言を
病院長が寄稿した機関誌の巻頭言で
引き合いに出したことで
患者を危険な存在として差別している
等の批判が巻き起こった。

この騒ぎで
僕がいちばん問題にしなければならない
と思った点は
部下の精神科医が
その発言をどんな心境で言ったか
である。
軽々しい気持ちで口を滑らせたのなら
その軽率さは
上司が巻頭言に引用した軽率さと共に
大いに責められるべきである。
ただ、今このブログを書いている僕にとって
それは本題ではない。

僕には1990年代半ばに刊行した
「心療内科」KIBA BOOK刊 という小説がある。
若手の優秀な精神科医が様々の症例の
患者たちの心に立ち入っていくうちに
自分の思考が異常になり
患者に恐れおののき重く心を病む
という筋立てだった。
当時 真面目に熱心に診療にあたった
優秀な精神科医が心を病んだ
複数の実例を耳にしたことが
この小説の発想につながった。

精神科医に拳銃を持たせてくれ
と発言した人が
もしも診療に疲れ患者を少しでも恐れる
ようになっていたらゆゆしいことである。
つまり 本気で言ったのか
ということだ。
そうでなく
ジョークの近い発言だとしたら
不謹慎の極みだが
ここでの僕は少し安心する。

診療に使っている引き出しに
拳銃を忍ばせていたら
もはや 心を深く病んだ精神科医
ということになる。