いただいた饅頭を楽屋で開ける
札幌では美味で知られる饅頭で
空港では売っていない
開けてすぐ僕の脳裏をよぎったのは
饅頭怖いであった
落語の饅頭怖い ではない
美味に任せたらパクパク食べて
容器の箱を空にしそうだったからだ
それをやったら健康に悪い
体型を崩して美容にも悪い
それで
食べずに置こうか
夕食は魚介の旨そうな店でもてなされる
でも 1個ならいいだろう
深刻に悩むのである
浅くても深刻でも
悩むのは簡単だ
絶えるのは難しい
散々煩悶した末
恐る恐る1個食べた
煩悶の末だけに
もとからの美味が募る思いに加算されて
譬えようもなく旨かった
これでもう思い残すことはない
しかし
その気持ちも束の間で終わり
2個目を食うか食わぬかで
デキの悪い哲学者のように煩悶し
或る結論に至った読み聞かせ&講演に加えて
主催者の代表との対話ショーもあって
長丁場になる
すぐにエネルギーに変換できる
この饅頭はうってつけの優良な食品である と
それで食べた2個目は
天国にもない美味しさだった
さて またも煩悶が始まりましたが
スタッフが呼びにきてステージに案内されたのです
開口する前に長丁場をすませたら
疲労を癒す薬として3個目をいただこう
と腹に決めました
ところが
すべてを終えて楽屋に戻ってみると
饅頭は箱ごと消え失せていたのでした
饅頭は本当に怖い!!!!!
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