僕らの世代は
 酒の楽しさも恐ろしさも
 新社会人になるまでには心得ていた。
 弱いのに無理に飲んで
 あるいは無理に飲まされて
 何度か吐いて
 酔いつぶれて路上や
 小公園のベンチで
 朝まで前後不覚状態で寝る。

 部活の連中は一気飲みを強いられ
 もっと鍛えられたかな。
 
 新社会人になる前に
 弱い体質の者は弱いなりに
 強い体質の者は強いなりに
 酒とのつきあいをうまくできるようになったもんだ。
 
 ところが
 今は違うだろ。
 僕から言わせれば
 今の人は酒には弱い弱い体質の人が殆どだ。
 炭酸で薄めた何とかサワーは
 ただのジュースに近い。
 そんなのを数時間かけて2杯ぐらい飲んだって
 酒で鍛えたことにはならないよ。

 新社会人になって職場ででも
 プライベートででも
 学生時代の飲み方と違ってくるんだよ。
 接待なんかにお供をさせられれば
 刺激的な場所でついつい気を許した飲み方になる。
 プライベートでもそうで
 学生時代よりお金が使えるので
 やはり
 刺激的で気を許した飲み方になる。

 鍛えてないから
 自分をコントロールできない飲み方になる。
 僕らの頃とは違った感覚で
 もっと安易に酒に溺れて
 酒の上での失敗をしでかす。

 昔と違って酒の上でのことだから大目に見る
 という状況は薄れてきている。

 あたら春秋に富んだ人が
 随分将来を台無しにしているのだよ。

 きみにはその愚をやってほしくない
 と痛切に願っている。