夢を見た
雲1つなく晴れている夜空に
星が1つもないんだ
僕は夢遊病者のように
星空を求めて
地平線へ歩いた
いくつかの街を過ぎて
大草原に出た
それを縦断すると
目の前は崖だった
恐る恐る崖っぷちへ出て
僕は叫んでいた
眼下に星空が広がっていた
見とれているうちに
飛び込みたくなった
泳げそうな気がしたからだった
僕は裸になって飛び込んだ
体を反り返らせて潜る
星空は底なしのように
深く深く広がっている
僕は身をひるがえし
星空の上に顔を出し
深く息を吸いこむと
イルカになったつもりで
泳ぎまくった
星がいっぱい体について
金色の鱗になった
どうしよう
これは夢のはずだけど
覚めそうもない
僕はこうして
いつまでも泳いでいなければいけないのか
それでもいい
恐怖も喜びもなく
僕は泳ぎ続けた
※ 絵本「星空」に想を得たポエムです。
この絵本が原作の台湾映画「星空」は
10月28日から全国順次公開になります。
コメント一覧