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 若い人なら

 新鮮な驚きなのだろう。

 住宅街で門松を見ることは

 少なくなったし

 見かけても

 先を鋭利に削いでいないものが多い。

 写真のような本来の門松を見たら

 一瞬 危険物視して

 その鋭利な部分を

 凝視するかもしれない。

 終戦時 5歳の僕には

 危険物ではなく

 銃後の国民の決戦武器である

 竹槍を思い起こさせる。

 戸数20戸余りの

 旧国鉄官舎に住んでいたが

 官舎は100本を超える

 竹槍で武装していた。

 各戸で2、3本常備し

 詰め所にはつねに数10本が

 ズラリと立てかけてあった。

 あれ

 鋭利に削いだところを

 少し焼くんだよね。

 焼かないと そこから腐る。

 だから

 その部分はうっすら黒ずんでいた。

 藁人形を作って

 竹槍で突撃する訓練を

 14、5歳の少年も含めて

 しょっちゅうやっていた。

 「鬼畜米英の奴ら きたら芋刺しだ!」

 何て張り切っていた連中が

 玉音放送を聞いたとたん

 「進駐軍がくる前に燃やせ」って

 先端を切り落として燃やした。

 大人ってこんなん

 って

 僕ら物心ついた子供は

 みんな醒めた目で見ていたと思うよ。

 先を落とせばただの竹の棒

 物干しや 花壇の垣や

 鶏小屋の建材に転用されたね。

 これこそ正真正銘の平和利用だった。

 核兵器の根絶が実現したとして

それの平和利用ってあるんだろうか。