読み聞かせで訪れた

 小中学校の先生たちは

 元気にあふれて見えても

 疲れているんだろうなあ

 職務分掌という

 雑用がとても多い

 職員室に残って

 夜遅くまで仕事をしていても

 早く退出した先生たちに

 気を遣うので

 帰宅して続きを行う

 テストの採点などもそうだし

 問題を抱えた児童生徒の

 家庭訪問だってそうだし

 疲れるよねえ


 いつか駅のホームで

 声をかけてきた人がいる

 読み聞かせで訪れた

 小学校の先生だった

 「体調を崩したんです。
  あのー、心のほうの…」

 まだ若い先生は

 通院しながら

 新しい職場に通勤している

 と言った

 教職に関係ない職場だった


 地元のコミセンで催した

 読み聞かせイベントに

 車で2時間近くかかる

 G県の奥地から駆けつけた

 休職中の先生がいた

 やはり

 心の病だった

 癒しを求めてきた


 仕事のきりがつかないことで

 ストレスを溜めた

 それだけが原因ではない

 報われていれば

 疲れていても

 ストレスは溜まらない

 物資的な意味ではない


 児童生徒の笑顔を見れば

 毎日大変なことを知ってくれて

 ありがとうの一言があれば

 疲れは吹っ飛ぶ

 そういう優しい子供も多い

 でも

 先生をいじめる子供も少なくない

 ちょっとした落ち度を

 ついてくる

 親に告げ口をする子もいる


 その親が昔と違う

 僕が小学時のクラスに

 喧嘩は強いのに

 先生にちょっと叱られると

 すぐ泣いて

 家へ帰ってしまう子がいた

 母親がその子の手を引っ張って

 教室に現れ

 ペコペコ謝り

 まだ泣いているわが子にも

 謝らせた


 今は子供を泣かして

 帰らせようものなら

 その子の手を引っ張って

 親が怒鳴り込んでくる

 モンスターが怖い

 校長も

 教育委員会も

 モンスターが怖い

 現場の先生は委縮する

 委縮して

 ストレスが増幅する


 報われないことに

 新人の先生で

 心を傷め

 クラスの子供たちの

 進級を見ることなく

 学校を去る例も増えている


 学校の先生は聖職ではない

 どちらかと言えば

 サービス業化している

 しかし

 次代を担う人材に

 基礎教育を施すという

 国家のコアの部分に

 関わっている


 もっと敬っていいんじゃないか

 もっと感謝していいんじゃないか

 もっと支えていいんじゃないか


 きっと

 子供はいい子になる