月別アーカイブ / 2018年02月

昔から人との距離を測るのが苦手だった。
相手の心の領域の何処まで踏み込んでも良いのか、また踏み込んじゃいけないのか。自分は好かれているのか、嫌われているのか、どう思われているのか。
丁度良い距離感とか、みんなどうやって分かっているんだろうって、仲良し集団を見るたび不思議だった。
故に何度かの失敗を繰り返して、その度に身動きが出来なくなって、どんどん無口になっていって、とどのつまり私は独りで居る子供になって行った。
その頃の私の中での区分は三種類の人種。
好かれている・嫌われている・無関心。
で、自分は三番目の人種なのだと、ぼんやりとだが妙に確信してしまった。
小学生が算数で習う集合?の図形。
「好き」の輪と「嫌い」の輪の重なり合った部分。
子供の単純な思考だからそんな感じ。
好かれてもいないが嫌われてもいない。
中途半端な存在意識。
ある日私が急に居なくなっても誰も気付かないんじゃないかな。
むしろ校庭のブランコが壊れてる事の方がみんなにとっての大事件で、なんてよく空想してた。

歳を重ねて努力もしてみたけど、私の存在領域は結局変わらないままで、初めは寂しいとか、夜布団の中で泣いたりもしたけど。
ある時期から、諦めたっていうか、疲れたっていうか、心を止める術を覚えてしまったから、その頃から余り記憶が無い。
覚えてるのは、医者の前で話して「心の風邪」だと告げられて、たくさんの安定剤と睡眠薬を受け取った事。
未だに風邪は治らない。

人と喋るのは緊張する。家族でも。
私の物差しやコンパスが曲がっていないか、狂ってはいないか不安が先走る。
結果、石橋を叩き、叩いては壊し叩いては壊し、コンパスの指す方角が読み取れず、今いる場所さえ測れない。
私の居場所は何処だろう?

私は人との距離を測るのが苦手だ。

誰かを探していたはずなのに
確かに知っていたはずなのに
触れた指の温もりも…
肩を寄せた時のシャツの匂いも…

逢魔が時に出会ったあなたは
幽かな微笑の影を残して
彼岸と此岸に別たれてしまった

手を伸ばしても永久に届かない
亡くしてしまった名前を
ただ 呼び続ける

影でもいい
闇でもいい
もう一度だけでいいから
その腕に私を抱いて 名前を呼んで
思い出せないくらい大好きだった声で…

今夜もまた
記憶の中に迷い込んだ 
私の脱け殻が探し続ける
覚えていたはずの あなたの名前を
大好きだった匂いを
声を…




また眠れなかった
薬なんて宛になら無い物なんかな





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