私は今までに一度だけ、真剣に自死の道を選ばなければならないかと考えたことがある。
自死は選択肢の3番目だった。しかし、考え方を一歩間違えば2番目、1番目に浮上する可能性もかなりあった。
あのとき小さな縁を断ち切れなければそれを選ばなければならなかったのかもしれない。
結果、今は生きているが、それまでに繋がっていた何かの縁を捨てたのだと思う。
その縁を切っても生きていけることに気づいてからはずっと自分を捉えていた小さなフックのようなものがなくなり、考え方の行動半径が広がったような気がする。
きっと昔の人たち、芝居の題材になったような辛い思いをした人たちはその縁を断ち切れなかったのだろう。
今、自死をした人たちはきっと命よりも大切だと思うほどのことを持っていたんだろう。

自死を考えている人。死ぬよりも、今繋がっている縁を切ることの方がきっと容易い。誰かに多少迷惑をかけたってあなたの命に代えられるほどのことなんてない。頑張らなければならないかもしれない。生活の拠点を移さなければならないかもしれない。愛している人と別れなければならないかもしれない。でも、あなたが生きてさえいればこの先あなたが生み出す何かが誰かのために大切なものになるはずだから。という事をどこかに覚えておいて。