以前、ティアラデザイナーの紙谷太朗さんに伺ったのですが、
宝石をつけた冠というものは、
もともとは「星空」の意味合いがあったそうです。
古い時代、国やコミュニティでの重要な儀式は、
聖なる天の下で行われていたのが、
物理的にそれが難しいため、
天の星々を頂くかわりとして、
宝石をちりばめた冠をかぶるようになった、
というのです。
とても美しいお話で、心に残りました。

天は太陽と月、星々が輝く光の世界です。
一方私たちが暮らす「大地」は、
天からの光がなければ闇に覆われる、
暗がりの世界である、
と考えることもできます。

でも、人間は長い歴史の中で、
自分たちが住む大地の下に光り輝く石を発見し、
それらを、天の光に似たものと考えました。
宝石と星を結びつける考え方は、
星占いの世界にも、存在します。
たとえば「誕生石」などは(成立の由来には諸説ありますが)
その代表的なものです。
宝石は、人々の心の中で、
星のかけらとなったのです。

光か、闇か。
正しいか、正しくないか。
白か、黒か。
善か、悪か。
私たちの世界では、
最近は以前にも増して、
そのことが厳しく問われるようになりました。
人々はお互いにお互いを監視しあい、
少しでも弱みを見つければ、
容赦なく断罪してよい
ということになってしまったようです。
あることを否定するか、肯定するかを
だれもがはっきり述べるよう迫られます。
多くの人々はそうした「空気」を脅威と感じ、
静かに口を閉ざして、
怯えながら世の中を見守っているようでもあります。

否定と肯定は、相対的です。
たとえば、激しい自己否定を生きている人は、
第三者から見れば、
自分自身の価値観をかたくななまでに肯定している人
というふうに見えなくもありません。
誰になんと言われようと自分を信じられない
という人は、
「自分を信じない」という価値観、物差しを
絶対的に肯定しているのです。

一方、何かを肯定するために
他のものを否定する人もいます。
「今まで食べたラーメンはどれも物足りなかった、
このラーメンこそが唯一の本物のラーメンである」
というふうに、
他の全てを全否定しての「肯定」は、
全体としては
とても否定的な意見だ、とも言えなくありません。
この人が、次にもっと美味しいラーメンを見つけたら、
先の「唯一の本物のラーメン」もまた、
ばっさり否定して捨てられるのでしょう。

否定か肯定か
ということは、このように、
あまり頼りになる態度ではないようにも思われます。
何かを否定したとき、他のものが肯定され、
何かを肯定したとき、他のものが否定されるのなら、
いつシーソーがひっくり返っても、
おかしくないのです。


2017年の終わり頃から、
山羊座の人々はひたむきな努力を重ねつつも
なぜか、自分を批判し続け、
否定し続けて来たところがあったのではないかと思います。
「このままではいけない」
「こんなものではダメだ」
「自分は無力な存在だ」
というような、
孤独な心細さを感じ続けて来たのではないかと思います。
実はこの時期から現在にかけて、
あなたの世界には、土星という星が滞在してきました。
この星はあなたの守り神のような星なのですが、
言わば、少し狷介な老師のような存在です。
手取り足取り教えてくれるのではなく、
禅問答のような謎を投げかけて、
教え子がそれに取り組むのを見守っている
といったところがあるのです。

ゆえに、最初の段階では
先行きが見えず不安になったり、
孤独を感じたり、自信喪失したり、
といったことが起こりやすいのです。
それでも、あなたは歩みを止めたわけではなく
むしろ、そうした思いにせき立てられるように
少しずつ前に進んできたはずです。
暗い気持ちに飲み込まれることなく、
前に進むこと。
その成果が現れ始めるのが、
2019年です。

2019年、状況は少なからず変化し始めます。
あなたは、これまでひたむきに進んできた道のりに、
ある光を見出すことができます。
それはたとえば、
今まで空の星に手を伸ばして
「全然届かない、
これでは全くだめだ」
と考えていたのが、
ふと、足元にきらめく宝石を見出して、
「これは、あの空にある煌めきと
変わらないものかもしれない」
と気づく、といった変化です。

空にある星だけが「本当の光」で、
足元には、なんら見出すべきモノがない。
そんな考え方から
「自分はダメだ」と思い込んでいた状態から、
今ここに歩いている、その状態で
ちゃんと星の煌めきを手にしている、ということを、
発見できるのです。
それは、
経験を通して得られる自信なのかもしれませんし、
何らかの活動の成果なのかもしれません。
あるいは、周囲があなたの成果を認めてくれるとか、
賞賛の声をもらうことなのかもしれません。
ですが、そうした「現象」は、
あくまで、付随的なものです。

山羊座は大地の星座です。
空の星に憧れながら
それに似た光を地中に見つける、ということは
すなわち、
星と同じものが自分のなかにもある、
ということです。
心から憧れた、手の届かないものと、
形こそ違え、本質を一つにするものが自分の中にある
と悟ることです。
これは、簡単にひっくり返る否定と肯定のような、
ヤワなものではありません。
他人の声や世間の評価で
どうにかなるようなものではありません。
宝石の輝きは星に似ていても
その硬さや性質は
たしかに、大地のものだからです。
憧れたものと共通のところを持ちながら、
あなたはあなたのままでいられるのです。

なんだかややこしいことを言っているな
わけがわからないぞ
と思われる方も多いでしょう。
書いていて、
自分でも解りにくいなあと思います。
端的に言えば、
「2019年の山羊座は、
否定と肯定の向こう側にたどり着いて、
もっと確かな自分を見つけられる」
ということなのです。
もう少し平たく言えば、
「見つかりそうもないところに、
本来の自分を見いだせる」
ということかもしれません。
この「本来の自分」は、
「元々の自分」ということ以上に、
あなたが憧れた自分、
こうなりたいと願っていた自分のことです。

「なりたかった自分になる」
とは、決して、
地上の生き物が何か不思議な形で
天に上げられて星になる
というような、荒唐無稽なことではないのです。
そうではなく、
今すでにある自分、
これまでの道のりを生きてきた自分に
すでにその輝きがある、と
気づくことなのです。

これは、「今の自分で満足せよ」というような
気の持ちよう、という意味ではありません。
2017年の終わり頃から、
あるいは、2011年頃から、
さらには2010年から、
あなたがひたむきに歩き続けてきたその道のりがあってこそ、
宝石が見つかるのです。
ここまでのあなたの歴史が、
地中で、
あなたの宝石を育てたのです。
その宝石をそろそろ、
掘り出せる段階に来ています。
2019年の年明け、
すでにそのちいさな欠片が、
地上に少しだけ、表れているのが
見えているのではないでしょうか。

老師・土星がもたらすのは、
ひとつの「疑問」です。
私たちの生活の中でもよく起こる誤解ですが、
「なぜこうなったの?」
「それはほんとうにそうなの?」
という疑問は、
一見、「否定」のように感じられることもあります。
でも、本当は、疑問と否定は別々のものなのです。
「なぜこんなことになったの!」
と怒っている人には
「すみませんでした」
と謝るのが適切かもしれません。
でも、純粋な疑問としての
「なぜこうなったの?」
という問いには、
なにかしらの「答え」が必要です。
否定は答えを必要としませんが、
疑問・問いは、答えを求めるのです。
その「答え」こそが、
前述の「星の光」であり、「宝石」です。
「本来の自分は、これだ」
という、胸にきらめく確信です。
2017年の終わり頃に受け取った「疑問」に、
2019年、そろそろ答えが見え始めるのです。

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時期的なことを少し申しますと、
1月から2月は、あなたの星座に星が集まり、
とてもアクティブな雰囲気に包まれます。
年明け早々やることが山盛りで、
てんてこ舞いかもしれません。
ただ、ここでの「忙しさ」は、
あまり「外向け」のものではなく、
たとえば少し遅れた大掃除とか、
何らかの活動のための環境作りなど、
自分で決めて自分が取り組む、
といった、
ある意味個人的な要素を濃く含んでいるようです。
条件を整える、土台を作る、
といったイメージの作業が展開していきます。

特に1月から2月半ばは
家族や居場所に関して、
大きめの動きが起こりやすいようです。
この時期、引越や家族構成の変化など
はっきりした環境変化を経験する人も多いでしょう。
また、生活のあり方や時間の使い方を
ここで見直す人もいるかもしれません。

2月はとてもキラキラした、
楽しい季節でもあります。
褒められたり誘われたりする場面が多いでしょうし、
愛にも強い追い風が吹きます。
これまで孤独感が強かった人も、
その冷たい気持ちが少し、温まるでしょう。

2月後半から3月は、
星座を問わず大きめの転機が訪れやすい時期なのですが
山羊座の人々にとっては特に、
クリエイティブな活動や愛に関して、
新しい世界に足を踏み入れるような出来事が起こりそうです。
これまで無意識に「人任せ」にしていた部分を、
自分で引き受ける勇気が湧いてくるでしょう。
「自分」というものの捉え方が
新しくなるようなターニングポイントです。
この時期は、
愛に強い追い風が吹きますし、
創造的な活動には大きめのチャンスが巡ってきます。
また、好きなことや趣味に没頭する人もいるでしょう。
心から「アツく」なれる時です。

3月はさらに、
「懐かしい人や懐かしい場所を訪ねる」
ような場面もあるかもしれません。
心の故郷を再訪し、
これからの生き方を再確認できるようなタイミングです。

4月から5月半ばは、
とても忙しい時期となるでしょう。
頼まれ事や雑務が山盛りになりそうです。
また、周囲のことを考えた上で
「引き受けてあげる」ようなことも多そうです。
まわりの人のサポートのために動き、
深く感謝されるでしょう。

5月半ばから6月は、
人間関係に愛と熱がこもる時です。
人に思いきってぶつかっていって、
温かく受け止めてもらえる
というような場面も多いかもしれません。
自分のやりたいことや譲れない条件を見据えた上で
タフな交渉にも臨めます。

7月は人間関係やパートナーシップに関して、
特別なドラマが展開するかもしれません。
意外な出会いに恵まれたり、
誰かとの関係が不思議なキッカケを得て
一気に進展したりするかもしれません。
あるいは、失ったと思った人間関係が復活したり、
誰かとぶつかったと思ったら
仲直りの過程でより親密になれたり、
といったことも起こりそうです。
自分と人との関係を
新しい形で見つめ直せるときです。

8月前半は、
どちらかと言えば「受け身」で動く場面が多いかもしれません。
自分から先に動くのではなく、
人の動きを受けて、一呼吸置いてから動く
というタイミングが功を奏するようです。
人のリズムに合わせたり、
人の道具を借りて使ったり、
といったシーンで、
新たな発見があるのではないかと思います。

8月後半から10月頭にかけては、
遠出する機会が多いでしょう。
旅行や出張、留学など、
目的をもった旅に出ることになりそうです。
あるいは、
この時期に勉強や研究、取材活動など
知的活動をスタートさせる人も少なくないでしょう。
特に8月30日前後、
重要な「出発」のタイミングを迎える人が多いはずです。

9月から11月前半にかけて、
大きなチャンスが巡ってきそうです。
大舞台で大活躍できるようなタイミングです。
目立つ立場に立たされますし
持ち前のリーダーシップを発揮できるでしょう。

10月以降は特に、
素敵な仲間に恵まれます。
あなた同様、積極的で情熱的な、
希望に溢れた人々と接するうち、
未来のプランはどんどんスケールを増していくはずです。

11月後半から12月、
ここから、あなたが主役の一年がスタートします。
2020年は
「山羊座のあなたの年」といっても過言ではありません。
2019年という年は、
2020年への準備段階
という位置づけもできます。
2020年、そう滅多に来ないような大きな転機を迎える山羊座の人々にとって、
この2019年の年末は、
「大いなる始まり」のタイミングなのです。

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愛情関係については、
「愛の新時代の到来」
といいたいような2019年です。
ここから2026年頃にかけて、
あなたの愛情観は一変するでしょう。
たとえば、
愛の支配関係や隷属的な愛に苦しんでいた人は
その苦悩から脱出できます。
愛に振りまわされていた人は、
愛の世界に身を置いたままで、
精神的に自立できます。
愛の世界において相手に任せきりだったことを、
自分の手に引き寄せることができます。
一方、自分が何もかも背負い込んでいたなら、
相手が引き受けるべき部分を、
手放し、託すこともできるはずです。

本物の愛の世界では、
私たちは人間としての弱さを
さらけださずにはいられません。
ですが「弱さをさらけ出す」ことは
非常に恐ろしいことなので、
それをせずに、愛の世界でまで
格好をつけたり、強がったり、
表面的な取りつくろいで自分を守ったり
という、無益な苦労をしてしまうことがあります。
2019年からのあなたの愛の世界では、
そうした不自由な状況を
自ら粉砕する勇気が湧いてきます。
「本物の愛を生きるなら、
もっと自由な生き方ができるのではないか」
という可能性が見えてくるのです。

2019年以降、
ジェットコースターのようにスリリングな大恋愛をする人もいるでしょう。
これまでは愛する人に守られる一方だったのが
今度は守る側に立とうとする人もいるかもしれません。
電撃結婚をする人もいれば、
初めて「子どもが欲しい」と感じるひともいるはずです。
自分の中にあった、
無意識のうちの
「愛を怖れるバリア」が解除され、
その向こうがわに行けるようになるのです。

2019年、愛に強い追い風が吹くのは、
2月から3月、5月から6月上旬、
7月、11月末から12月中旬です。

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「否定と肯定の向こうがわにあるもの」。
それはいったい、どんなものなのでしょうか。

「自分はダメだ」
「自分には何の価値もない」。
たとえば、そんな自己否定をしている人が
更に否定をつきつめて、
すべての「自己」を否定し尽くしてゆけば
やがて、自分を否定する根拠となっているその価値観をも
否定せざるを得なくなります。
何らかの理想や価値を信じているから
それに照らして自己を否定することになるわけなので、
自己というもののすべてを否定したときには
その、否定の根拠となる理想や価値もまた
否定されざるを得なくなるはずです。

もし、その理想や価値観を保持しようとするなら
その理想や価値観を選び取った「自分」というものもまた、
肯定されるしかありません。

一方、
あるものを肯定するために
他のものを否定しなければならない、
とは、どういうことなのでしょうか。
それは、画用紙に描かれた光のようなもの、
と言えるかもしれません。
画用紙に光を描くには、
他の部分を暗く塗りつぶして
「影」を作ることになります。
光そのものを描くことはできませんし
描かれた光は、
自分で光っているのではありません。
まわりの闇によって、
光っているように錯覚されるだけです。
この「光」は、
簡単に塗りつぶして、闇にとかすことができます。
これは、本物の光ではありません。


2019年の山羊座のテーマの1つに
「救済」があります。
救われること、もう一度希望を見出すこと。
「救済」にも様々な形がありますが、
山羊座の世界の「救済」は、
雪の夜道を行く旅人の目に映る、
暖かな街の光です。
家々の窓の、宿屋の窓の、教会の窓の、
オレンジ色の光です。
ジャン・バルジャンが見た光、
人を苦難から守る光、人を人生へと導く光です。
現実の中で、
自分はまだ、生活を営み、
生きていけるのだ、という
その希望をあたえるのが、
山羊座の救済です。

雪の夜道で遠く見る街の温かな光は、
相対的なものではありません。
圧倒的な大自然という現実の前に
私たちの微力によって家が建てられ、
明かりが灯され、ストーブが焚かれます。
大自然の驚異という現実の前に
私たちは、微力ながら、温かい家という現実を打ち出すのです。
山羊座の光、山羊座の宝石は、そこにあります。
それは、他者からの評価とか、比較とか
そうした次元を遙かに超えたものです。

これはもちろん、比喩に過ぎません。
ただ、2019年の山羊座の人々が見出す「宝石」がどんなものなのか、
なんとか説明しようとしただけです。
2019年、自ら誰かに救われる人もいるでしょう。
逆に、誰かを救い出す人もいるでしょう。
いずれの場合も「救いの力」として作用するのは、
圧倒的な現実に対して対抗しようとする
山羊座的な、現実の光です。
手の中に、歩いてきた道のりの中に、
今を生きているあなたのまさにその胸の中に、
天の星と同じ、きらめく宝石があります。
その宝石を磨き、鍛え、輝かせながら、
自他を否定と肯定の闇から救い出していく道こそが
2019年、あなたが歩く道なのだと思います。






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毎日の占いや、毎週・毎月・上下半期・年間、個人のホロスコープ解読など
とにかく大ボリュームの星占いがまとめて読める、「石井ゆかりの星読み」もよろしく!!!