2017年は、山羊座の人々にとって
「成功」の時間となるでしょう。

この
「成功の時間」
という言葉から浮かぶイメージは、
人によって大きく異なるはずです。
なぜなら、「成功」という言葉の意味するところは、
「愛」や「夢」などと同じで
人によってまったくちがっているからです。
たとえば、受験生が「成功」と聞けば
まず、志望校への合格を思うでしょうし
お店を開店したばかりの人は
店の経営が軌道に乗ることを考えるだろうと思います。
片思い中の人は思いが届くことを、
結婚や出産を望んでいる人はまさにそのことを
「成功」のイメージに重ね合わせて
自分の今の願いが成就することをイメージするだろうと思います。

そうしたイメージはどれも、
たぶん、間違っていないと思います。
ただ、2017年の「成功」には、
ひとつの条件がついてまわるような気がするのです。
もとい、「条件」ではなく
「根拠」「核となるもの」というほうがぴったりしているかもしれません。
その「条件」「根拠」とは、
「自分自身の命ずるところに従う」
ということです。

たとえば、日常的な活動や仕事の多くは
人からの要請や命令で遂行されます。
自分で考えたことでも、先輩や上司に確認したり、
細部は誰かの指示を仰いだり、といったことが
どこかに含まれているでしょう。
家族のニーズに応えるとか、
恋人とデートにゆくときなども、
自分以外の誰かにまず、あれこれ決めてもらって
それを受けて動く、ということはあります。
更に言えば、冠婚葬祭やお盆や正月など
誰が決めたともしれない「マナー」「しきたり」に
どういうわけか粛々と従う場面もあります。
こうした「自分以外の誰かが決めたこと」に従って行動するとき
私たちは少し安心していられます。
面倒だなと思いながらも
「この道でいいのだ」と信じて進めるからです。

2017年の「成功」にまつわる「条件」は
それとは全く別の地平にあります。
たとえば、人から
「いや、そこまでする必要はないのでは?」
「なんでそんなことまでしてあげるの?」
など、首をかしげられるようなことは、
私たちが自分で自分に命じていることに他なりません。
宗教上の聖人達は、しばしば、
普通の人がしないようなことで、
誰が命令したわけでもないようなことに取り組みます。
食生活や生活習慣を自ら厳しく戒めたり、
「即身成仏」のような超越的な試みをすることもあります。
「そこまでしなくとも」と
周囲の人々は感じるでしょう。
「そこまでしなくとも」、傍目には十分に目的は達成できるし
まさに「成功」しているのです。
でも、本人にとっては、それに取り組むことこそが
自分の理想や信念の世界における「成功」なのです。

もちろん、上記は単なるたとえ話です。
2017年の山羊座の人が、宗教的な行為に臨む
と言いたいのではありません。
そうではなく、
私たちが日ごろ身を浸している
「周囲の人々、諸事情、関係者の都合」などから、
生活のどこかで「決定権」を取り返して、
そこでやったことこそが、「成功」に繋がっていく
ということを言いたいのです。
これは「好きなことだけやる」
「やりたいようにやる」
「自分の考えだけでやる」
ということとも、少し違っています。
むしろ、2017年の山羊座の人々の「成功」は
どこか自己犠牲的かもしれません。
「なにかのため」「だれかのため」ということが
けっこう、ハッキリしています。
でも、その対象となっている「なにか・だれか」に
「それをやりなさい」と命令されたわけでは
決して、ないはずなのです。
冬の夜、ゴミ捨て場に捨てられた箱の中で
雨に濡れながら必死に生きようともがいている子猫をみつけて
それを拾って帰るとき
この行動はあくまで「子猫のため」ですが、
子猫に命令されたわけでもなければ
「そうしなければならない」わけでもありません。
現に、この人が通るまで
すでに何人もの人が、色々な理由でこの箱の横を通り過ぎたはずです。

上記は、2017年の山羊座の人が慈善的な活動をする
という意味でもありません。
そうではなく、2017年の山羊座の人が目指しているのは
ごく純粋な活動であり、成功である、
ということが言いたいのです。
誰かに褒められたいとか、好かれたいとか、
将来が何となく不安だからできるだけお金が欲しいとか
人からバカにされたくないとか、体裁を整えたいとか、
そういう、漠然とした「外部」からの承認に救いを求めて
内容のない活動に終始することがない年なのです。
「自分の望み」を装った「他者の間接的な要請」は
私たちの心にいつの間にか入り込んで、
勝手に私たちを操ろうとすることもあります。
でも、そんな状態では
2017年の山羊座の人々は、たとえ何を成し遂げたとしても
「大成功!」の満足を感じることはないでしょう。
「成功する年」であるからこそ、
「自分にとって、何が本当の成功なのか」
を考えることになります。
せっかく成功が約束されている年なら
「手に入れたけれども結局使わない」みたいな成功をするわけには
決して、いかないのです。

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[時期について]

1月はコミュニケーションが盛り上がります。
人に会いに行く機会も多そうです。
フットワークよく動き回って、
目に見えない、ふわっとした対話の「場」の空気を
貴方の力で創ることができるようです。
月の半ば頃、誰かとの相談の上で
固く約束を交わすような場面があるかもしれません。

2月から3月にかけては
「居場所・住処・家族」が大きく動きそうです。
引越や家族構成の変化などを経験する人もいるでしょう。
このプロジェクトは、6月頭までまたがる
少々長丁場のストーリーとなっています。

3月から4月は、やりたいことにどんどん打ち込める時期です。
また、自分を表現したい、主張したいという気持ちが強まり、
周囲も大いにそれを受け入れてくれるでしょう。
4月は特に「じっくり語り合う」時間にも恵まれます。

5月は非常に忙しくなりそうです。
タスクがどんどん持ちこまれ、
かなりハードな状況になるかもしれません。
この多忙さの中から新しく
「自分にふさわしい役割」を見いだす人もいれば、
ハードすぎる状況から脱出して
真に自分に合った生活スタイルを手に入れるため、
しっかり行動を起こす人もいるはずです。

6月は素晴らしい愛の季節です。
人と会う機会も増えますし、
情熱的な人々から多くの刺激を受けとれるでしょう。
ただ、人間関係に「熱がこもる」あまり、
摩擦が起こることもあるかもしれません。
タフな交渉事に望む人もいるでしょう。
普段はとてもクールな山羊座の人々ですが
いったん導火線に火がつくと
自分でも驚くほど感情的になる場合があります。
この時期は特に、「ぶつかるときほど冷静に」を心がけたいところです。
真正面からぶつかっていって、
有利な条件を勝ちとることが出来る時です。

7月は「調子を整えていく」感じがあるかもしれません。
自分の心身と丁寧に対話しながら
真に心地良い環境を作っていけるときです。
6月に始まったホットな人間関係や交渉事も
7月下旬にはちゃんと着地点にたどり着けるでしょう。
さらに、7月から8月は、
パートナーや日ごろ関わっている人の経済状態が
大きく変化するタイミングです。
その影響を受けて、貴方自身の経済活動も
少なからず変わっていくことになるかもしれません。
意外な「ボーナス」を受け取る人も少なくなさそうです。

9月から10月は、
遠出することになるかもしれません。
出張や旅行などの気配が濃厚です。
また、勉強や研究活動に取り組んでいる人には
この秋、強い追い風が吹くでしょう。

2016年秋から、華やかな舞台に立って活躍してきた人、
一つの目標に向かって一心に努力してきた人は
この9月から10月に、一つの到達点に達します。
前述の「成功」が、ここで
ひとまず、ある形にまとまる、というイメージです。

10月、木星は「社会的立場・キャリア」の場所から、
「将来の夢・友・自由」の場所へと歩を進めます。
ここまで「具体的な結果を出す」ことだけを見つめてきたなら、
ここからはもっとずっと広い視野で
のびのびと活動していけるようになるでしょう。
プレッシャーから解放され、
新しく登りたいと思える山を探すような時間に入ります。

11月は非常に忙しい時です。
過去1年ほどの中での貴方の活躍を目の当たりにした人が、
貴方に新しいチャンスを持ってきてくれるのかもしれません。
また、貴方自身
「アタックしてみたい山」を見つけるのかもしれません。

12月は、新しいチームを結成できるようなタイミングです。
情熱的な仲間に囲まれて、
とても強い体勢を作れそうです。
さらに、12月末、貴方の星座の支配星である土星が「帰還」します。
土星は約29年ほどのサイクルで巡ってきます。
山羊座の人にとって、土星は最も自分らしい自分を見つけるための
素晴らしい先導役と言えます。
これまでどこか居心地が悪かったり
「自分が真に目指すべき人間像はどんなものなのか」
という迷いを抱き続けて来たなら
この年末以降、約2年半ほどをかけて
確かな答えを見つけることができるかもしれません。

[愛について]

「たとえ、仕事で大きな成功をおさめても
それを分かち合える仲間や愛する人がいなければ
何の意味も無い」
とある人が語りました。
たしかにそうかもしれません。
2017年は山羊座にとって「成功の年」と前述しましたが
それはおそらく「だれとその成功を分かち合うか」までをひっくるめての
「成功」なのだろうと思います。
「努力によって大きな果実を実らせ
それを大切な人と分かち合いたい」
という夢を描いたなら、
果実が実っただけでは「夢が叶った」ことになりません。

さらにいえば、
自分一人の力で「成功」できるか、というと
それも結構難しいことだろうと思うのです。
人から様々な力を借りてやっと、
願いが叶うことのほうが、多いのではないでしょうか。
2017年は、愛する人、大切な人から
「どんな力をもらってきたか」
「どんな力をもらっているか」
を見つめる年です。また、
「どんな力を提供できてきたか」
「これから、相手に何を贈ることができるか」
ということも、大事なテーマとなるでしょう。
そうした「力の授受の仕組み」は
2017年の中で、少なからず改編されていきます。
たとえば、かつては経済的に相手に頼っていたのが
今度は相手から頼られるようになったり、
結婚を視野に入れて貯金を始めたり、
子どもが生まれたことによって家計の運営が変わったり、等々、
愛情で結ばれた関係の中で
その「支えあいの形」が変わっていくわけです。

身近な相手が何を欲しているか、ということを
私たちはなんとなくわかっているようで
けっこう、わかっていないものです。
自分が他者に対して望んでいることも
ほとんど解ってもらえていない、
と感じられます。
2017年は、相手の本当の望みに触れたり、
自分の本物の望みを相手に触れさせたり
というような、密かな情報開示を重ねることになるかもしれません。
山羊座の人々は基本的に
「大切な人の願いを叶えたい」
と考えているところがあります。
ゆえに、相手のニーズを知る、ということは
それ自体が、一つの愛の喜びであり、
発奮の材料でもあるはずなのです。

2017年の中で、
愛に追い風が吹くのは3月から4月、6月、8月、
そして10月です。

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「あの人は不動産で成功した」というように、
「成功」は、
「経済的な成果をあげること」
を意味する場合があります。
たしかに、たくさんのお金を儲けて
生活の不安から解放されることは
私も含め、多くの人の切なる願いです。
でも、実際に「どんなふうにそのお金を使っているか」と言えば
よく考えると、どうでもいいようなことにちょこちょこ浪費して後悔したり、
あるいは、様々な不安や恐怖に対抗するためにひたすら貯蓄して
その貯蓄を何に使うこともないまま人生を終え、
「どこにも行き先のない、大きなお金」
が残される、といったことも
けっこうあるのだそうです。
大きなお金を稼いだとして、
そのお金を「何に使うか」までの全体が
「成功」だと考えると、
俄に、私たちの生活にも充分以上に実現する「成功」が
炙り出されるような気がします。

長野県の白馬にある「白馬美術館」は、
新潟県糸魚川市でドライブインやマンションを経営していた
石塚さん父子が設立しました。
「経済的に少し余裕が出てきたので」
ふと手に入れたシャガールのリトグラフが
その「最初の一歩」となったのです。
美術館を作って、館長となった石塚さんは
すでに、糸魚川市でのビジネスを全て整理していました。
片手間ではなく、これ一本でやる、と決めたわけです。
「もっか無給の私と妻の生活費程度は出るくらいの入館者が欲しいものです」
と、インタビューは締められています。
今は経営が変わっているようですが、
とても美しい、素敵な美術館で、私は大好きです。

最初から美術館を建てることが目標で、
そのためにドライブインなどのビジネスを起ち上げた
ということならば、
これはまさに「成功」と言わねばならないでしょう。
でも、石塚さんの場合は、そういうわけではありませんでした。
ビジネスをしているうちに、心惹かれるものに出会い、
いつしかそれが夢とも目標ともなって、
それまでの人生がそこに流れ込んでいった、という
とてもロマンティックな道のりです。
「成功」に至るプロセスは多分、
たった一つの山頂を目指して麓から一本道を上り続ける
といった風景ではないのかもしれません。
もちろん、語られない様々に複雑な事情も
たくさんあっただろうと思います。
ですが、おそらく糸魚川市で成功を収めたビジネスを畳むとき
「なぜ美術館経営なんて?」
「これまでの成功が勿体ない!」
などと言われたのではないか、と空想するのです。

「なぜ?」と人が首をかしげるような「目標」に出会えるのは
たぶん、とても幸せなことなのかもしれません。
でも、2017年の山羊座の人の心の中には
人に話してもわかってもらえないだろうな
というような思いがかたく、抱きしめられていて
その思いこそが、貴方を華やかな舞台での「成功」に
みちびいてくれるのだろうという気がするのです。
舞台が大きければ大きいほど
「なぜ?」と問われても相手を説得できないその「思い」が
貴方の強い武器とも防具ともなるはずです。


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白馬美術館に関する引用部は
新潮選書『うちの美術館』田島三津男 編
より。