昨年9月12日に開幕した、2021-22 Yogibo WEリーグが終了しました。結果はご存知の通り、IANC神戸レオネッサが16勝2分2敗、勝点50で「初代チャンピオン」に輝きました。選手、監督・コーチ・チームスタッフの頑張りに心から拍手を送りたいですし、クラブを支えて下さったスポンサーの皆様、ファン・サポーターの皆様にこの優勝を捧げたいと思います。本当にありがとうございました。


思い起こせば、2020年10月。日本女子プロサッカー「WEリーグ」の誕生が決まりました。8クラブか、10クラブかとの情報が飛び交う中、まさかの11クラブが発表され、正直「え!?」と驚きました。これが苦悩の始まりだったと今となれば思います。奇数チームでのリーグ戦。これは各節に1つのチームが試合が無い(正しくはできない)と言うことで、ここに理念推進日「WE ACTION DAY」が設定されました。女子サッカーを知らない方に、各地域で何かを行うのは素敵なことかと思いますが・・・。それが魅力の発信に繋がったのがどうかは些か疑問に思います。

そして、秋春制を採用したことにより、選手の契約は7月~6月とルール化されましたが、2020なでしこリーグ最終節か2021年6月までは公式戦も無いのにクラブは選手を保有しなければならず、9月の開幕まで長い長い準備期間となりました。途中でプレシーズンマッチが行われ、ホーム/アウェイで2試合ずつの4試合を戦いましたが、プロ野球で言えばオープン戦のような試合。このまま開幕して大丈夫か??と思ったものです。

ただ、この期間はINAC神戸にとっては非常に有意義で濃厚な準備ができ、今シーズンの優勝へ繋がったことは言うまでもありません。そこは星川敬監督の手腕は見事でしたし、選手も監督の指導についていき、成長し、勝ち取った優勝だと思います。本当に長いシーズン、お疲れさまでした。

そんな中で迎えた9月12日。INAC神戸は本拠地・ノエビアスタジアム神戸(以下、ノエスタ)での開幕戦。ここで、まず最初の仕掛けを行いました。キックオフ時刻を前代未聞の10時に設定。少年少女や学生の試合のような午前中のゲームを選択しましたが、ここには開幕戦を生中継するため、放送枠の確保と言う観点からこの時間を選びました。これはさすがに社長の独断で決めるわけにもいかず、チームに相談したところ、「聞いたことないけど、生中継のためなら喜んで」と言うことで10時キックオフとなりました。これにはもう一つの仕掛けがありました。開幕セレモニーを屋根付きのノエスタでなら、暗転を使って多少の派手な演出もできる。それなら、先日ご紹介したWEリーグアンセム「WE PROMISE」を春畑さんに来て頂き、披露することができると。


他会場ではそんな仕掛けはできないはずと言うこともあり、第1試合を取ることが必要だったのです。リーグの思惑は日テレ・ベレーザvs浦和レッズレディース(於:西が丘)が本来の開幕戦と位置付けたかったと想像していますが、93年Jリーグの開幕にどれだけ近い印象を与えられるかも重要なファクターと考えて臨みました。この時の経験が後の国立競技場での試合に繋がっています。


開幕戦と言う大きな試合以外に開幕セレモニーを行う、とINAC神戸フロントスタッフは勝手に意気込み、夜を徹して準備に入りました。絶対に成功させたい、プロ開幕を派手に演出したいの裏には来て下さるお客様を喜ばせたい、支援下さっているスポンサー企業の皆様に満足を与えたいと言うホスピタリティがありました。夏には、リーグのタイトルパートナー「Yogibo」さんの希望するセンサリールームを実現させるためにノエスタと調整。神戸市との調整もつき、国内初の常設センサリールームも誕生しました。また、それを機にピッチサイドで観戦できるエキサイティングシート(野球のファールグランドの座席にヒント)で大人気のYogiboクッションに座って試合を見れる試みも発案。1年間通じて、この席を販売することにも挑戦しました。


試合1週間前からはチームも練習開始時間を1時間早め、フロントスタッフも1時間半出社時間を早めて、10時キックオフに備えました。しかし、やってもやっても終わらない準備作業。それでも文句言わずに深夜まで作業。直前の数日は体調をサポートするため、22時ごろにピザなどの夜食を取って、みんなで食べながら、今日はここまでやろうと話をして、1時過ぎまでやって、また朝から仕事して。


そんな日が続いて迎えた開幕。2日前のミーティングでは、最後は自分の持ち場を全うするように、と伝えました。あれもこれもやらなければいけない中で、これさえ外さなければ失敗にはならない、と言う確認をしておいたのです。これはこれで、少人数でやる体制としては良かったのかなと思っています。ですから、私たちの仕事は外部の協力会社さんなくして成功はなかったのです。警備、演出進行、中継、看板設置などはいつも一緒に仕事して下さる方々のおかげです。改めて「ありがとうございます」と感謝の気持ちをお伝えしたいです。また、国立競技場でも、いつものメンバーでやりたいと出張をお願いし、いつもの顔触れで試合運営したのも私たちの誇りになっています。(そこはまた後日)

そして始まった大宮Vとの開幕戦。たった4分で先制ゴール。生え抜き13年目の髙瀬愛実がゴール。実はこのゴールシーンに「ゴーーーーーーーーーーーール。ただ今のゴールはフォワード、たかせめぐみ~~~」の声が入っていません。神戸での開幕セレモニーを終え、東京へ向かう岡島喜久子チェアをお見送りにスタジアム入口までお見送りしている間に入ったゴール。ですので、ゴールのコールができなかったのです。それは先日、高瀬選手本人にも伝えましたが、歴史に残るゴールの映像に私なんぞの声が入ってなくて良かったと思いましたし、サッカーの神様が頑張って来た高瀬にくれたご褒美なのだと思います。ファーストゴール、おめでとう。


それ以降の4つのゴールは全て「ゴール」と叫んでいますが、どのシーンもほとんど覚えていません。それは日ごろの疲れがたたり、試合前日からお腹が痛く、当日は脂汗がだらだらと流れ、非常に体調が悪かったからです。5-0の快勝となった試合後、スタッフに「むちゃくちゃしんどいのでこのまま帰らせてもらって良い?」と頼んで、一目散に帰宅。少し横になっても寝れない、腹が痛いで救急車を呼ぶことも考えましたが、コロナ禍で病院をたらい回されるのも御免と言うことで、地元地域団体の理事長をされている方にお電話し、急患で受け入れてもらえることとなり、向かった病院で「即手術」となりました。急性虫垂炎。いわゆる盲腸です。中学生の頃から受験や20代での就職、転職のたびに盲腸となっていたのですが、ストレスが溜まるとなっていたその現象。20年くらい影を潜めていたのですが、ここで出たか、と。そのたびに薬で炎症を散らして騙し騙しで治めて来た盲腸が遂に出現。そして、爆発寸前での手術となりました。良かったことは20年で医療も進化し、ほとんど傷もなく、手術が終わったこと。手術の前に先生に「私、失敗しないので」とドクターXのセリフを求めましたが、「盲腸の手術は難しくないので失敗する方が難しいです」と言われ、麻酔から目が覚めた頃には病院のベッドの上でした。


コロナ禍の為、家族は見舞にも来れず、入院生活は一人での暮らしでしたが、3日目くらいからは元気になり、5日間の入院で退院することができました。INAC神戸は第2節が「WE ACTION DAY」だったため、試合が無かったことが何よりでした。


こうして始まったWEリーグは、長い長い旅となりましたが、今日はここまで。続きはまた改めて綴りたいと思います。

最後までご精読ありがとうございました。