私が女子サッカー最高峰だと感じるアメリカNWSL。そのリーグ所属するスカイ・ブルーFCから川澄奈穂美がINAC神戸に復帰することになり、その記者会見を行いました。
ニュース : 【スカイ・ブルーFC(アメリカ)から川澄奈穂美 選手期限付き移籍加入のお知らせ】 | INAC神戸 レオネッサ
クラブ、選手、試合、イベント、グッズ等の最新情報のご案内。
inac-kobe.com
数々の実績はご存知の通りかと思いますが、改めて見てみると以下の通りです。
■出場記録:
リーグ通算出場 155試合出場 / 60得点
リーグカップ通算出場 23試合出場 / 9得点
NWSL通算出場 95試合出場 / 19得点
■個人表彰/タイトル獲得歴:
なでしこリーグ優勝 3回(2011年、2012年、2013年)
皇后杯優勝 6回(2010~2013年、2015~2016年)
なでしこリーグカップ優勝 1回(2013年)
なでしこリーグ 最優秀選手賞 2回(2011年、2013年)
なでしこリーグ1部 得点王 1回(2011年)※大野忍とW受賞
なでしこリーグベストイレブン 4回(2010~2013年)
NWSLベストイレブン 1回(2014年)
■代表/国際タイトル獲得歴:
国際Aマッチ通算 90試合出場 / 20得点
2005年 ユニバーシアード トルコ(3位)
2011年 FIFA 女子ワールドカップ ドイツ(優勝)
2012年 ロンドン五輪(準優勝)
2015年 FIFA 女子ワールドカップ カナダ(準優勝)
人気実力を兼ね備えたヒロインの復帰に、コロナ禍の中で18社ものメディアの皆様がお越しになり、テレビのニュースや新聞各社の朝刊、オンラインニュースに掲載された記事は多数で注目度の高さを感じるニュースとなりました。その模様はINAC神戸の公式インスタグラムでライブ配信し、終了後にはINAC TVにアップしましたので、お時間のある方はどうぞご覧下さい。
昨年、フランスで開催された女子ワールドカップを視察した時にアメリカ代表の試合を観戦しましたが、その強さに衝撃を受けました。パワー、スピード、フィジカルのどれもが強く、レベルが高く欧州の強豪の挑戦を全て跳ねのけて見事に優勝を飾りました。秋に一時帰国していた川澄選手と女子サッカーについて話し合う時間があり、サッカーに対する考え方、クラブに対する考え方が非常に近いと言う印象を受け、いつかはINAC神戸で現役選手としてプレーをして欲しいと考えるようになりました。そして、年初にイヤーブックへの出演をお願いしたところ快諾して頂き、クラブ創設20年目のシーズンの幕開けとなりました。
しかし、情勢は新型コロナウイルスにより大きく様変わりします。アメリカの女子サッカーは早々と活動休止を決め、選手や関係者は完全に自宅待機を余儀なくされていました。その頃に連絡をくれて、「日本はなぜ止めないのか?」「INACが先頭を切って見本を示すべきでは?」と言うようなやり取りをしました。それはオンライン記事にもなりましたが、彼女の助言は大きな参考となり、INAC神戸は女子サッカー界に先がけて活動休止を決めました。
その後に緊急事態宣言が出されましたので、我がクラブの動きがどれだけ早かったかと言うのは今振り返ってみると気付くことができますし、チームからは誰一人として感染者が出ていないことはしっかりと対応して良かったなと思います。
再開後、ようやくなでしこリーグのシーズン開幕が見えてきた頃、アメリカではユタ州に全チームが集まり1か月間でトーナメントを行うと言う連絡をしてくれました。それはコロナへの対策とスポンサーの理解があっての大会だったと思います。と、同時に秋口は公式戦が開催される見込みがないのでこのタイミングでINAC神戸への復帰は可能か?と言う話も出てきました。
私はかねてから彼女に「鹿島アントラーズの中田浩二さんのようなアンバサダーになって欲しい。そのためには現役としてもう一度神戸でプレーをすることが重要だ」と話していましたし、そのような機会が期せずして巡ってきました。様々な角度から検討を重ね、予算をどのように捻出するかを考え抜き、ご協力頂けるスポンサーさん(この件は後日)に相談し、実現できることが見えて来ました。大事なことはアンバサダーとして復帰するのではなく、戦力として復帰することでしたので、私はチャレンジカップの全試合をオンラインでチェックしました。同時にアメリカの他のチームの試合もかなり見ました。そして、監督・強化部長と議論し、獲得することを決めました。ゴールも決めていたし、攻守にわたって動き方を何度も何度も見ました。ですので、戦力補強としての獲得です。
ここからはアメリカの所属チームともやり取りを開始。もちろん英語です。でも英語よりキツかったのが時差です。ニュージャージ州は-13時間。昼夜が真逆です。試合が行われていたユタ州は-15時間。おかげでこの1ヶ月は時差ボケに近い状態ですが、昨日の会見では一つ仕事ができたとホッとした気持ちです。
これだけスムーズに事が運んだのは双方がINAC神戸のことを考えているからに過ぎません。話を進める中で「昼夜を問わずにやり取りをしよう」と言ってくれて、本当にその通り取り組みました。この案件を実現させるためのパワーがお互いあったのだと思います。だからこそ、この機会をクラブがしっかりと吸収し、チームはもちろんクラブ全体、ファンの皆さん、スポンサーの皆さんも含めて「タイトルを獲る」と言うことを改めて認識し、手綱を緩めずに突き進めるきっかけとなることを願っています。
昨日のラジオ関西「カンピオーネ!レオネッサ!!」では会見後に司会を務めてくれたなっちゃんこと赤﨑夏実さんとナホこと川澄奈穂美選手との終了直後のフリートークした様子も放送されていますので、ぜひ聴いてみて下さい。
カンピオーネ!レオネッサ!! | ラジオ関西 | 2020/08/17/月 18:30〜19:00