昨日の日テレ・ベレーザとの一戦。前節は首位・浦和レッドダイヤモンドレディース戦に勝利し、そのままの勢いで臨んだ女王クラブとの戦いは試合開始早々に先制点を挙げ、試合を有利に進めるも、後半に小さな綻びから追いつかれ、試合終了直前に逆転されての敗戦となりました。今回は試合展開ではなく、なでしこリーグを取り巻く環境についての話を展開したいので、敢えてゲームについての内容は割愛します。

なでしこリーグの試合はクリーンなイメージ、そして選手たちのひたむきな姿を応援する雰囲気で構成されています。それはJリーグとは違った女子サッカーの良いところだと思っています。一方で競技の側面も重要で、強くしなやかで逞しいプレーに魅了される世界でもあります。もちろん男子のようなスピード、パワーとは比較にはなりませんが、少なくとも昨日のINAC対ベレーザ、前節の対浦和の試合はなでしこジャパン代表選手を複数人擁するチーム同士で、スピードと技術も前面に出た好ゲームを展開したと感じました。もちろん、INAC社長としてはベレーザに勝てなかったことは残念ではありますが。。

そんな中で昨日の敗戦後に残念な光景を目にしました。いつも愛情を持って応援し下さっているサポーターさんによる拡声器でのクレームです。JFAには以下の規定が定められています。

ピッチに向けての拡声器の使用(スタンドへ向けて、応援の統制をとることを目的としている場合、2個以下のみ使用することができます)


まずはホームゲーム主催の日テレ・ベレーザさんには改めてお詫び申し上げます。
私は負けた際にブーイングは全然やって頂いて構わないと常々考えています。サポーターやファンの皆さんは各々の資金でスタジアムへお越し頂き、そして応援をされています。そんな人生の一部をかけた気持ちをぶつけられるのがスポーツの良いところだと思っています。だからこそ、一つの勝利に喜び、一つの敗戦に怒ったり、悲しんだりすることは人間らしさがあって素晴らしい行為だと思っています。しかし、昨日の試合後の光景は5千人近く来場したスタジアムの中で一種異様な雰囲気を醸し出していました。

悔しさや腹立たしさは理解しています。私も負けて嬉しいはずもなく同じ気持ちです。

が、子供たちが多く観戦に訪れた試合での適切なシーンではないはずです。試合後に一部のサポーターの皆様と話した際には冷静になっておられましたので、それ以上に発展することはありませんでした。それはひと安心はしています。なぜ、こうなったのかは改めて書くと、今シーズンの不甲斐ない戦績が大きいと思っていますし、その責任は当然クラブ側にあると感じています。その面はファン、サポーターの皆様の期待を裏切ったと申し訳なく思います。

しかしながら、その光景を見た選手たちはどう感じたでしょうか?
自軍の選手だけでは無いです。対戦相手の選手たちも含めてです。このチームで戦ってること、相手選手からはこのチームに行ってみたいと感じてくれるでしょうか?
今、日本中がラグビーブームに沸いています。これが一過性なのかどうなのかはこれから先に答えが出ますが、少なくとも「ノーサイド」の精神を見て心地よさを感じている方はたくさんいます。

今日、私は先制し、女王クラブを最後まで追い込んだ試合展開はとても良かったと思っています。でも勝てなかった。底力と言うか、地力の差と言うか。それでも勝てたかも知れないし、やはりやられていたかも知れないし。その結果の前に戦い切った両軍の選手たちに大きな拍手を送りたいです。このレベルの試合が毎試合見れたら、お客さんは必ず増えます。INACとしては負けたけど、やはりベレーザに勝つには足らなかったこと、もっとこうすれば良かったと後悔もたくさんある試合でしたから。
敗因とこれからに関しては試合後の鈴木俊監督のコメントを読んでみてください。昨日は私がインタビュアーを務めたので、ファンの方々が聞きたいと思う内容も盛り込んでいます。

ただし。
応援する皆さんがいなければ、入場料を取らずに街中で行われている草サッカーの試合となってしまいます。だから今日起こったとを叱責したいわけではありません。皆さんは我々の誇りです。
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ただ、どうすれば皆さんと一緒に喜びあえるかをもう一度見直す良い機会を頂きました。今、とても難しい問題に敢えて提起をしています。

女子サッカーがどうやったらもっと盛隆するか。

もう一度、一緒に考えませんか?
私はこの伸びしろのある女子サッカー、なでしこリーグを共に応援して下さる皆様方と更に盛り上げていきたいと強く思っています。答えが無いことを書いています。でも、女子サッカーの裾野を広げるには、男子サッカーと同じことをする必要はないと感じましたので、ここに綴ってみました。

今回の内容を不快に思う方もいるかと思いますが、来る2023年にFIFAワールドカップ女子大会を招くにふさわしいなでしこリーグとの日本女子サッカー界であることを願っています。