ラーメン屋のカウンターで
仲の良い近所の女の子から

「何でいちょうさんは鬱になっちゃうの?」

というストレートな質問をされた。
今時の大手の広告会社を辞めてNPOで働く女性らしいタフな質問の仕方である。

どんな形であれ対人援助に関わるであろう彼女の行く末が心配になったが

久々にドキリとした。

彼女にすれば、
彼氏がラーメン屋でバイトをしていて

その彼が時々音信不通になる私を心配している様子にヤキモキしていたのであろう。

まずそういう質問を投げつけるあたり

私の様な変な存在に対する違和感を自分の知識や人生経験の中から、当てはまる言葉をおいて安心したいのであろう。

大泣きされながら
家族に浴びせられた質問でもある


まあそれは大将にもポーンと投げつけられる。

慣れというのは
人を強くする

大将に言わせれば

やる気がない。
根性がない。

で終わってしまう。
しかしそういう一面も不正解ではない。

その通りなのだ。

社会秩序の中でしか生きていけない人間というのは、逸脱した人間に迷惑を被られる事を良しとはしない。

まあだから私はバイトとして雇われることを断っている。

足掛け5年ぐらいになるだろうか

私は面白いからという理由でラーメン屋をできる範囲でお手伝いしている。

そのスタンスはずっと崩していない。

これまで何度か音信不通になって
最長で半年顔を出さないこともあったが
またひょっこり帰ってきた。

そうなっても大丈夫な場を

大将と自分の交友の中で一緒に作ってきた。ツーカーになれたのは棚ぼたであるが。

特別恩義も後ろめたさも感じていない。

今、そこにいて笑っている。
それだけが私に示せるOKサインなのだ。


分からない人
共感の及ばない人には

無理に分かってもらわなくても良いのだ。
例えどの様なレッテルを貼られても
抵抗する必要もない。

自分というあやふやな行動体は

社会に適合する事が難しい非常識な人間なのである。

何せ一番ヤキモキしていたのは当の本人であって、彼女が私にした質問をかれこれ20年以上私は私に浴びせている。


私にも分からず、他人に説明しづらい。

突然ガラガラと世界が変わってしまう感覚。

満ち引きが激しい私の脳内をどうにか説明しようにも仕方がないではないか。

私は彼女に対して

「そういう習慣なの」

と返した。
まさかそんな返答が来ると思わなかったのでカウンターは笑いに包まれた。

彼女の彼氏は

「ちゃんと治りますから!良くなると思ってないだけ」

と真っ当に返してくる。

こういう時に私は人の底というモノを垣間見る。

底というのは、人間理解に対する思考停止具合である。

不思議である。
何故にそんな風に簡単に言い切れるのだろうか…

教師になる奴というのは、この程度でいいのか。

そうか…

そもそも人は他人のことを
そこまで深くは考えられないのだ。


そんなこんながあって

友人のA子から勧められたAmazonプライムの海外ドラマに

私みたいな奴がいること発見した。

モダンラブ。

ニューヨークタイムズに投稿された実話を元にドラマ化された

様々な愛の形のオムニバスドラマ

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一話完結のラブストーリーながら
その内容は非常に素晴らしく

昨今ではThis is USに続いて
私の中のNo. 1ヒットドラマとなっている。

監督の中には私の大好きなジョンカーニーも連ね、豪華な俳優陣も参加している。



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第3話を観終わって
私はすぐにA子に連絡した。

『僕の役をアンハサウェイがやってる!!』

「すごいよねー!!

私もこの3話を観てよもぎだと思ったよー!!」

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そこには躁鬱が日常にもたらす弊害や苦悩のトリセツが面白おかしく、ドラマとして見易く収まっていた。


私は涙を超えて
生まれて初めて物語に強い共感を覚えた。

これまで共感と思っていた全てが
とるに足らないモノに変わるぐらいの
共感具合であった。

共感というのはコレか!!

何せ私が拗らせてきた
問題そのものが映し出されていたから。

躁のときの無敵感、開放感。

鬱に転落したときの葛藤。

ミュージカルまで取り入れているのは
大袈裟でもないと思えるぐらい。

上手に心情の変化を表現している。

他人からの好印象がガラガラと崩れていく様。

これは私のトリセツだろうなぁ。

私の躁鬱はドラマの中のアンハサウェイの様に、躁の期間にニューヨークでバリバリ仕事を熟せる程のキャリアを築けなかったが…


そもそも私は私の変な所をちゃんと紹介する事を早い段階で怠ってしまっている。

10・20代の頃は恥ずかしくて言えなかった。

誰にも相談できず、ただ不信感と違和感だけを周りに振りまいていた。


どこかで他人に自分をちゃんと理解してもらうというのは大切な転機で

私は同棲していたA子に私を教えられた。

一つ一つ私の行動のズレを
彼女は説明して

怒らずに受け止めて
次の一歩への修正を導いてくれていた。

それで大変な思いもさせてしまった。


別れてからの方が、こういう問題を笑って話せる大切な交友関係を築けるようになった気がする。

それまでは自分が妙だという事すら気づけてなかった。


やる気がない
継続できない
根性がない
自信がない
心が弱い

だけだと思い込んで、深く深く自分を傷つけてきた。

傷つける分だけ
躁に切り変わった自分に
後ろめたさを感じ

不信感が募り徹底的に自己を嫌いぬいた過去。


こういう問題を抱える誰しもがA子の様な人に出会える訳ではない。

たぶんコミュニケーションそのものが
できない土台で苦しむ人が殆どかもしれない。

自分で自分の症状に気づくというのは
相当に難しい。


しかしまあ私の様な人に興味関心がある人は是非、モダンラブの第3話を面白がって観て頂きたいなと思った。


ニューヨークの街角にも私の様な人がいて

きっともっと沢山いる。


だからと言って別段私の日常が変わることはないが


この変な自分の両極端な心の動きと向き合うもう一人の自分がいて、何かを思い書いたりしている分だけ


私は躁の時に感じる幸福感以上に大切なモノゴトの可能性を信じられるようになった。


是非とも私よりも重傷な
下の階のオニイチャンにも見せたい所だが、彼はアンハサウェイより大物だから。


彼の物語を
いつか私が面白おかしく書こうと思う。






ぶへぇ〜

今日は生きる気が湧かなかった。

前日のデートでエネルギーの循環率がおかしくなったのは自覚している。

心が勢いよく満ちたり、自然や空に心を透過させ過ぎると、しっぺ返しが来る。

深夜までブログにふけり
ちゃんと起きれたのは12時過ぎだろうか。

うつ気味でぼーっとする。
頭が重たくグルグルして死にたくなる。

何も作る気がなく
実家から貰っていた冷凍食パンをフライパンで焼く。

限りなく弱火にして、蓋をすれば
解凍と焼きを同時に行える。

食べると良くない事が起きる気がしたが
冷蔵庫にマーガリンが大量に余っており

パンに塗りたくって
直接、甜菜糖を振りかけた。

自然由来の砂糖使ってるクセに
マーガリンなんだ…

そんな食べ方している者は私ぐらいな気がした。

これがまたパンが下手に美味しく
食パンのくせに
上等なクロワッサン的、層を噛み切る深みのある噛みごたえ。噛めば噛むほど…

通りで親が冷凍して大事にとっとく訳だ。良い油脂を使ってるな…

マーガリンで台無しにしたが…

結局3枚解凍焼きして
また布団に潜りグズった。
今日はさすがに働かないと
せめて明日から働ける様に慣らし運転ぐらいはしないとと思いながら

ウダウダとyoutubeを見る。
山田玲司による
「気まぐれオレンジロード」解説

彼の解説はいつも本題の作品の時代背景やクロニクルで、限定放送になってしまう。

夕方になってようやく配達に出かけるも

昨日の気候と打って変わって
もう冬の寒さが…

イタざむい

結局吉祥寺近辺でピーク帯に4件ほど配達して、注文が止む。

寒い

しぬ


マーガリンと砂糖とパンのせいか
ウツが加速しそうな気がして

早々に、昔通っていた中華料理屋に逃げ込むと

私の顔を見て中国人のおばちゃんが溶けるような笑顔で

あんた何してたのよー
久しぶりじゃない!
生きてた?仕事辞めちゃったの?
もうしばらく顔見せないから
寂しかったわー!!

的、中国語で一気に捲し立てて

もう二人で抱き合う勢いでキャッキャと
心を交わした。

久しぶりにイーシャンロースを頼んだら

以前は私だけ特別に作ってもらっていた
料理が

細切り豚肉の四川風炒め

というメニューになって壁に貼られていた。

私のプッシュが効いたのだろうか。

嬉しくて寂しかった。

相変わらずの下品で濃い
子供が大好きな味

汗をかいて
またお腹をパンパンに

そういう日だ。

連休しっかり働くための。

今日も寿司を食わなかったから
明日は味噌汁だけで作って断食しよう。



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空想もいつか
見なれた景色へと変わる
君のまわりにも
知らない誰かの顔寄りそう

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冷たい雲が低く這う様に
加速していく空

眠っちゃいないさ噛み付いてやるさ
おざなりなら
置き去りなのは君のほうだよ
ただスピード上げて色も形もなくす
かすれたような言葉だけ

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何気ない情景に
泣いたり笑ったりして君を暖める
光は射していますかねえ

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一秒前も忘れたように形を変える空
忘れちゃいないさトンガって行くさ
これきりなら
会うたび思ってたんださ
今なら連れ出して行けるのに
振り向いたのは多分君のほうだよ


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またスピード上げて
残像も置き去りに
震えていたのはいつかの僕のほうだよ
顔をあげたら曇り空が笑ってる
薄れる影を抱きしめて


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一度は消えてた君の横顔が
途切れた笑顔と思い出との中に
いつしか会いたい
新しいニュアンスで
いつかセイコウトウテイ
無理だと分かったとしても


詩: いちょう よもぎ (大嘘)
写真: わたし

歌詩: 渡辺 健二



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