今日は用事があって、妻と二人で遠出していた。遠出といっても、2時間ほど電車に乗ってとある町に行き、用事を済ませてまた2時間で帰るだけなのだけれど。

車で行くのではなく電車にしようといったのは私だった。車は楽といえば楽だし、機動力もあるけれど、移動中にうとうとしたり、あわよくば原稿読んだりするのには向かない。まあ、本当の理由は、なんとなく、夫婦で電車に乗りたいという気持ちが強かったからだ。

用事を済ませて帰りの駅で、すぐに帰路につくのではなく一休みしていこうと和菓子とお茶の店に入った。最近のことをあてもなくあれこれ話しながら、ゆっくり過ごした。

長い付き合いだから、夫婦の会話は、どちらが何を言うかだいたいわかっている。納得も苛立ちも笑いも情報交換も、すべてどこかに予定調和の香りがし、提示された課題に結論なんて出ないのが常だ。

それでもなお、それだからこそ、往復4時間の電車の移動の途中に、二人でお茶を飲みながらおしゃべりをする意味があるように思う。

私たちは夫婦なのだな、と改めて感じながら。