中学の同級生に伊藤という男がいる。僕が休み時間の教室でELLEGARDENを聴いているのを見て話しかけてくれたのが、彼との初対面だった。音楽の話をできる友達がクラスに居なかったので、すごく嬉しかった記憶がある。

伊藤は当時、周りのクラスメイトより少し大人びた所があるように僕には思えた。映画や音楽の知識が豊富だったし、彼が作ってくれたミックステープがキッカケで僕はTHE GET UP KIDS、WEEZER、eastern youthなんかを聴き始めたのだった。

そしてハンブレッダーズを結成するより1年早く、伊藤は既にバンドを組んでいた。THE FULL TEENZというバンド名は、とある映画に出演していた夏帆のセリフ「TEENをFULLに楽しめ!」から付けたらしかった。その辺のセンスも大人っぽくてなんだか良いなーなんて思っていた。高校2年の文化祭に出演した時、フルティーンズがすごくカッコよくて、悔しさで涙してしまったのを憶えてる。

コピーバンドとして始まったハンブレッダーズがオリジナル曲を初めて作ったのも、伊藤から「そのうちフルティーンズで、オリジナル曲作ろうと思ってんねん」と聞いたからだった。"誰かの為に"なんて大それたことを思ったわけでは無く、ただ単純に負けたくなかったのだ。


初ライブの文化祭が2009年の10月31日。今月末で、あれからちょうど10年が経過する。高校の友達のバンドはみんな居なくなったけれど、お互いメンバーも音楽性も当時とまるっきり変わってしまったけれど、 THE FULL TEENZとハンブレッダーズはしぶとく息をしている。伊藤と会う度に「お互いまだバンドやってるの、ヤバくない?」と冗談交じりに笑ってしまうけれど、僕は内心THE FULL TEENZが今も存在していることにかなり励まされているし、勇気付けられている。


今日は京都のボロフェスタというイベントに出演した。来てくれた人はわかると思うのだけれど、見てくれはハリボテっぽく、スタッフがみんなイキイキと働いていたり、まるで文化祭みたいな最高なフェスだ。今年は違う日程だったけど、THE FULL TEENZもボロフェスタに出演していた。

まるまる10年が過ぎた今でもまだ、お互いのバンドが文化祭に出演し続けているという事実が、なんだかおかしくて、愛しく思えた一日だった。20年後も、こんな風に続けていられたらいいな。
この曲、本当にいいんだよなー。