先日とある作詞の作業をしていました

 

0から1を生む、私にとって例外無き苦行なのですが

「今まで全てがまぐれ、もう書けない気がする・・」

とまあ、毎回同じ事を言っている気もしますが

 

作詞はテーマ、そしてキーとなる部分のワード

ここが出てくるまでがキモでかつ苦労するポイントです

テーマが見えていない状態では書きながら進める事も出来ず

ウンウン唸りながら一行も進まない糞詰まりの日々がただ過ぎて行き

見つかった途端ドバァと出しまくる

何か汚いイメージになりましたがそんな感じです

 

「あ、完成した・・」と気付いたとき

感慨に浸り切るとか、己の非合理性を自責する訳でもなく

それまでの脂汗状態の自分など無かったかの如く

途端に賢者モードです

「さて、次の作業は、と」

この世の終わりみたいな精神状態だったくせに、我が事ながら腹立ちます

 

 

さて本日2月22日は

THE TRANSFORMER ヴォーカルの桐嶋直志の命日です

 

 

メジャーデビューしたSony時代

怒涛の5ヶ月連続?シングルリリースとか

それはそれはハードな活動をしておりました

かといって全て楽曲が既にあった訳でもなく

その都度曲を書き、レコーディングをしてた感じです

 

時間も迫った時は

上のブースで歌入れをしている時

下のブースで別曲のギター入れをしてたりしてましたね

真夜中にクラクラした頭で

おもちゃみたいな見た目のロケットファズ数種類を並べて

「どのファズがいいんだろう?」

と真剣に大人達で考えている光景に

無性にワラけてきたのはいい思い出です

 

 

そんなSony時代のとあるシングル曲の制作時

詞の大筋を直志が書いてくれていて

所々歯抜けの状態

しかしジャケットの文字構成の都合上「明日の朝10時までに歌詞の完成形が欲しい」

という締め切りの時がありました

 

お互いの家に集合する時間さえもどかしい夜10時頃からだったと思います

ひたすら電話で直志とやりとりです

当時まだ電話が主流でした

クリアな音質で聴かせる為の

オーディオの音源を直接電話に流せる

通称「ライン電話」なるスイッチャーを作ってやりとりもしていました

 

お互いにフレーズの案を出し合い

足りない部分はまたそれぞれ考え

一時間後にまた電話で発表し合おう、みたいな流れで

何度もやりとりし、また電話を切り、そして掛け

「こんばんは丸出駄目雄です」「ちょっとは寝てた?」「んな訳あるか!」的なw

 

最後の歯抜け部分で直志の出したフレーズに

「ソレダァぁあっっっー!!」と叫んだ時

ブラインドからカラッカラの太陽が刺していました

おおよそ5時間以上やり取りしてた記憶があります

電話代も結構いったかと思われ

 

 

「さて、と」

電話を切り

おもむろに乾物剣先イカを炙り

当時マイブームの吟醸酒をいそいそと準備し

大いなる賢者モードを朝日を浴びながら味わったのは言うまでもありません。