デモテープのMINAMIの歌声は、それまで聴いた事のない、例えようのない圧倒的な存在感で僕の全心に訴えかけてきました。

「この子をバンドの形でデビューさせたいんだけど、メンバープロデューサーとして一緒に組まないか?」

三たび声をかけてくれた社長の優しさと、最高の歌声に出会えた興奮とで、内心ぐちゃぐちゃな感情のまま即答します。

「ぜひやらせてください」

「じゃあ明日ハンコ持って事務所に来い」

こうしてその日にお店を辞め、次の日に契約します。

22歳の冬でした。

つづく

次で最後です。