この頃、僕は六本木の飲食店でウェイターのバイトをしていました。グランドピアノの生演奏がBGMの高級レストランです。

ある日突然Aさんが団体で入店しました。

連れて来たのは、後に僕が所属する事になるプロダクションのT社長と幹部の方達です。

閉店まで待ってくれていて、その後席に着きお話を伺います。

Aさんはバンド解散後ソロでこの事務所に入ったらしく、Aさんがどうしても一緒にやりたい人がいるからと、T社長達を僕のところへ連れてきてくれたのです。

当時の僕にとっては身に余るほどのありがたいお話でしたが、イメージしている世界観とは違う音楽性のシンガーだったので、生意気ながらもお断りしました。

まだ若かったからこそイメージに忠実でいたかったのかも知れませんが、ただの頑固者です。

つづく